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アムネスティ ガザ報告書発表
〜重大な国際法違反行為が裁かれない〜
 報告書はガザ地区における、イスラエル軍による市民の大量殺害と破壊は 過剰な軍事行為であるとし、ガザ地区の攻撃の実態を明らかにしています。
 http://www.amnesty.or.jp/news/2014/1106_4934.html
イスラエルは今のところ、この報告書に詳述した攻撃のいずれについても認めていません。 アムネスティが攻撃理由の説明を求めましたが、回答していません。
 紛争中、少なくとも1万8000軒が破壊もしくは居住不能となった。 最近のガザ紛争でのイスラエル軍の攻撃で、子ども519人を含むパレスチナ市民1500人余りが殺されました。 パレスチナ武装グループもまた戦争犯罪を行っており、イスラエルに向けてロケット弾数千発を発射し、 子ども1人を含む市民6人を殺害しました。
 今、肝心なことは、国際人道法のいかなる違反行為についても説明責任があるということであり、 イスラエル当局はこれに応えなければなりません。 国際社会は、重大な違反行為とまったく裁かれない罪という悪循環が 長く続いている状況を終わらせるために、緊急に手段を講じなければなりません。

 イスラエルとパレスチナ当局が戦争犯罪の申し立てに対する公平な独立調査を怠ってきたことを考えると、 国際社会は国際刑事裁判所の関与を支持することが肝要です。
アムネスティはイスラエルとパレスチナ当局に対し、ローマ規程に加入し、 国際刑事裁判所にイスラエルと被占領パレスチナ地域(OPT)でなされた犯罪を捜査する権限を 付与することを、あらためて要請します。アムネスティはまた国連安全保障理事会に対して、 イスラエルと被占領パレスチナ地域における状況を国際刑事裁判所に付託するよう求めます。 そうすることで同裁判所の検察官は、すべての当事者が犯したとされる 国際法上の犯罪の申し立てについて捜査できます。

 イスラエルは、アムネスティなどの国際人権組織のガザへの立ち入りを拒みつづけています。 アムネスティはガザに拠点を置く2人のフィールドワーカーの助けを得て、 離れた場所からこの報告書のための調査を行なわざるをえませんでした。 イスラエルはまた、国連人権理事会によって設立された調査委員会にも協力しないと表明しています。
イスラエルが独立した人権監視員をガザに入れることを認めないのには、違反行為を隠ぺいする、 もしくは国際社会から隠そうとする意図が見て取れます。自らの人権への取り組みを証明するには、 国連の調査団に全面的に協力し、アムネスティのような国際人権組織のガザへの立ち入りを許可しなければなりません。

2014年11月5日 配信 アムネスティ国際ニュース

ピレイ国連人権高等弁務官声明
国連のピレイ人権高等弁務官は8月31日(現地時間)、日本政府に対し、直ちに旧日本軍慰安婦問題を 徹底調査し責任者を処罰するよう強く求めた。任期満了に伴う退任にあたり、聯合ニュースの書面インタビューに応じた。

ピレイ氏は同月6日に声明を発表し、慰安婦を「性奴隷」としながら、日本政府の対応に強い遺憾の意を示した。 その際に日本政府に求めた「包括的で公平、永 続的な解決策」の具体的な内容について問うと、「被害者とその家族が 司法の正義を実現できるようにし補償を受けることは非常に重要だ」と答えた。
日本政府は直ちに慰安婦問題を徹底調査できるよう、効果的で行政的、立法的な措置を取らなければならず、 すべての証拠を公開し、調査を通じて明らかになっ た責任者を必ず処罰する必要があると強調した。 また、問題解決へ前進するために、日本が自国民に対し慰安婦問題に関する教育を行うことも非常に重要だと述 べた。

異例の声明を出して日本政府の姿勢を批判したことについては、「慰安婦問題は私個人はもちろん 人権高等弁務官として深い関心事 だった。しかし、問題解決に全く進展がない状況で、 日本の一部の団体が被害者の女性の真実にまで疑問を呈するのを見て、強いショックを受けた」と説明し た。
慰安婦問題をめぐり、国連人権理事会の普遍的定例検討(UPR)や国連人権委員会など複数の国連関連機関、 国連の数多くの人権専門家が具体的に謝罪と補償を勧告済みだと言及した。

一方、ピレイ氏は北朝鮮の人権問題について、「国連北朝鮮人権調査委員会(COI)が 北朝鮮の人権の実態を総体的に扱い国際社会の大きな関心を集めたことに、自負を感じる」とした。 国際司法裁判所を通じ北朝鮮指導部に強い警告メッセージを送ることも良い方法だと述べた。


死刑執行に対する抗議声明
アムネスティ・インターナショナル日本は、本日、仙台拘置所の小林光弘 さん、東京拘置所の高見澤勤さんに 死刑が執行されたことに対して強く抗議する。 安倍政権は、死刑執行でこれまでに11人の命を奪った。 内閣改造が9月3日にも行われると報道さ れている今、直前になり交代が予想される谷垣禎一法務大臣は、 最後の職務として2人 の処刑を断行したのである。安倍政権下では、2006年の第1次安倍内閣時と合わせて 2年 半あまりの間に通算21人という、近年の政権にはない人数を執行している。

世界は死刑廃止に向かっている。この7月、国連自由権 規約委員会の第6回日本政府審査において、 日本政府はあらためて、死刑制度の廃止を含む勧告を受けた。その直後である今回の執行は、 死刑 廃止に向かう国際社会への挑戦である。死刑は、生きる権利の侵害である。 国家が生命を奪うという最も残虐で究極的な人権侵害は直ちにやめ なければならない。
現在日本には、125人(袴田さんを含まない)の死刑確定者が、昼夜間独居の状態で収容されている。 この独居の状態で数十年、最長で約40年という長い期間留め置かれている。 この125人は、いつ死刑を執行され、命を絶たれるのか不安にさいなまれながら日々を過ごしている。

日本政府は、国連自由権規約委員会、第6回日本政府審査に際し、死刑制度について国内で慎重に 検討しており、世論に配慮していると返答している。 世論に配慮といっても、内閣府の行う死刑世論調査は回収率が低いうえに設問が誘導的で あって、 これを根拠とすることは疑問がある。そもそも死刑制度の存廃を世論調査の結果で判断すること自体が、 生きる権利を奪う人権侵害と いう性格上馴染まない。

また、死刑制度とは何か、誰がいつ、どのように誰を処 罰するのか、人びとは具体的なことを知る機会が与えられていない。 執行後に初めて、誰が絞首刑で亡くなったか知らされるだけである。 秘密 裡に行われる死刑執行に対して情報開示がされることがない中で、 人びとの一定の理解があると判断することはあまりに危険である。 情報公開 がされた場合、人びとの死刑制度に対する意識は大きく変化するであろう。 処罰感情ではなく、刑罰と生きる権利という視点でとらえ直さなけ ればならない。

袴田巖さんの事件は、先に述べた自由権規約委員会 でも取り上げられた。 同委員会は、死刑廃止を求めるだけでなく、昼夜独居処遇による収容体制の見直し、 検察側資料の十分な開示、死刑事件 における義務的かつ効果的な再審査の制度の確立、 および拷問等による自白の証拠不採用など、厳しい勧告を出した。 本年8月には、袴田事件再審に向けた三者会議で、これまで存 在しないとされた5点の衣類のネガが新たに発見された。 検察側は資料の存 在すら否定していたのである。死刑とは、命を奪う極刑であるからこそ、 処遇および手続きは慎重に行わなければならない。

アムネスティは、あらゆる死刑に例外なく反対する。 死 刑は生きる権利の侵害であり、残虐で非人道的かつ品位を傷つける刑罰である。 日本政府は、国際人権諸条約の締約国として、死刑にたよらな い刑事司法制度を構築する国際的な義務を負っている。 アムネスティは、日本政府に対し、死刑廃止への第一歩として公式に死刑の執行停止措 置を導入し、 全社会的な議論を速やかに開始することを要請する。
2014年8月29日 アムネスティ・インターナショナル日本


ガザの状況
日本の新聞報道を読んでいても伝わってこないガザの悲惨な現実が生々しく 伝わってきます。それは遠くから見ている新聞記者の書いたものではないからだと 思います。ガザのフザーア (Kuhza'a) 地区に住むマフムード・イスマーイールさんの7/24の ツイッターより佐藤愛さんが紹介しています。
     * * * * *

フザーア地区で殺された人々の多くは、負傷し、そのまま血を流して助けを待って いる間に失血死した。ぼくは部屋の窓から何時間も見つめていた。ある20歳の男性が 死に至るまでの段階のすべてを。
町の医者のひとり、カマール・アブー=ルジャイラは、彼の診療所に辿り着くこと のできた怪我人を救おうと、できることをすべてした……彼の診療所が爆撃されてか らも。その爆撃で彼自身怪我を負い、彼の父親が殺された。
〔イスラエル〕軍は十の家族をレジスタンスからの銃撃に対して人間の盾として使 用した。支配を得たすべての建物において、〔イスラエル〕軍は、住民が建物を離れ たり、より安全な部屋に避難したりすることを禁じた。
ぼくが他の50人の男性、女性、そして子供たちとともに避難していた家は砲撃され た。ぼくとぼくの家族は奇跡によって生き残った。他の人々がどうなったかはまるで 分からないが、ぼくの靴は彼らの血でぐっしょりと濡れていた。 煙と瓦礫に隠れて、ぼくらは家にたどり着くことができた。だがその数分後、ぼく の家に3発の砲弾が撃ち込まれた。家は炎上し、ぼくも軽い怪我を負った。 ぼくらは朦朧として通りに出た。破壊の光景はおぞましいものだった。ぼくらを集 中砲火が取り囲んでいた。ぼくらは町の周縁へ歩いていこうとしたが、ヘリコプター がぼくらに向かって砲撃を開始した。
この目でぼくは見た。小さな男の子が母親の手から滑り落ちるのを。母親は片腕で 彼を抱き、もう片方の手に白旗を握っていた。男の子は亡くなった。母親は彼を白旗 に包み、他の子どもたちと逃げ続けていった。
通過した道でぼくらは、ぼくのおじの遺体を見つけた。彼の息子の遺体と一緒に、 彼らの家の外に横たえられていた。スナイパーたちが人々を狙っていた。逃げられな いようにするために、人々の足を撃っていた。
フザーア〔の居住区〕にはもう60時間電気が通っていない。〔イスラエル〕軍は建 物のてっぺんにある給水設備を標的にした。ぼくら一行の中にいた子どもたちは喉の 渇きに耐えかねて、意識を失うまで泣き続けていた。
〔イスラエルの〕砲兵隊は手当たり次第、でたらめに砲撃していた。そうではな かったとぼくに納得させられる人はこの世界に誰もいない。 ぼくのいとこは怪我を負って地面に倒れていた兄弟を助けようとして殺された。二 人は互いに折り重なるようにして死んでいた。
太腿に怪我をしたひとりの男性が、手当を受けられる場所までぼくと共に2キロ歩 いた。そこに到着したとき彼が叫んだのを、ぼくは聞いた。「神が復讐してください ますように。イスラエルに、エジプトに、〔赤〕十字に、そして神ご自身に!」
ぞっとした、悲劇的だった。これを言葉にしようとするいかなる試みも十分なもの とはなりえない。ぼくとぼくの家族はなんとか生きのびたが、どうしてそんなことが 可能だったのかぼくには全く説明できない。 この死と負傷のすべては、3000人の住民に起こったことだった。彼らはフザーアに 残った人々だ。〔その3000人を除く〕住民の70%は虐殺の前夜に避難し、逃げ出すこ とができたのだ。 通りにはまだ遺体がいくつもある。いずれ遺体にならんとしている数多くの怪我人 もまだ残っている。そして動くことができず、逃げられないままの人々が、まだいる のだ。



イスラエル/被占領パレスチナ地域:両当事者は民間人を巻き込むな
アムネスティは、イスラエル当局およびハマスの軍事部門を含むガザのパレスチ ナ武装グループ双方に対して、民間人から犠牲者を決して出さないよう要請します。 すべての紛争当事者は、国際人道法の下で、激化する紛争に巻き込まれた民間人 の生命を保護する絶対的な義務を負っています。イスラエル軍およびパレスチナ武 装グループは、国際法を十分尊重しなければなりません。人口密集地域への空爆あ るいは民家への攻撃は、民間人の犠牲は避けられず、国際人道法違反です。
イスラエルはハマスを標的とする「境界防衛」作戦を開始し、7月7日深夜にはガ ザ地区内の少なくとも50カ所を攻撃しました。翌日午前中には数十回もの空爆を行っ た。報道によると、攻撃で子どもを含む少なくとも50名が負傷したという。パレ スチナ武装グループはこの数日間、イスラエル南部に向けて多数のロケット弾を 無差別に発射し続けています。
イスラエル軍もパレスチナ武装グループもこれまで、過去の戦争犯罪など重大な 国際法違反行為の責任を問うことを怠ってきました。特に2012年11月のイスラエルの 軍事作戦「防御の柱」、2008年12月から2009年1月にかけての「鋳込まれた鉛」 作戦の責任は問われなければなりません。
双方がこれまでの行為に対する責任をとらず、新たな紛争に入った中で、アムネ スティは双方への国際的な武器禁輸措置を改めて要請します。 各国は、イスラエルとガザでの国際人道法違反に加担しないという明確なメッ セージを発しなければなりません。
  2014年7月8日配信 アムネスティ国際ニュース

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11日現在、すでに犠牲者は パレスチナ人120人が死亡、負傷者は約920人。 イスラエル側は兵士5人を含む16人が負傷となっています。

日本軍性奴隷制について―アムネスティ声明ー
世界中から集まった署名約150万筆の「慰安婦」被害者に正義を求める請願書が 6月16日、国連人権理事会の議長に提出されました。
アムネスティ・インターナショナルは今一度、日本政府に対して第2次世界大戦時の 日本軍性奴隷制の生存者に対して正義を果すよう要請します。 アムネスティ は、今回の訴えを支持するとともに、関係当局が一刻も早く法案の起草と可決をすすめ、 「慰安婦」問題の十全な解決を図ることを、重ねて要請します。

アムネスティは、特に懸念している点がいくつかある。 まず、日本政府が性奴隷制の生存者に対して十分かつ中身のある補償を拒否し続けていること、 次に 1932年から第2次世界大戦の終わりまでの日本軍性奴隷制の存在を政府当局者や公人が否定していること、 さらに、この制度があったこと自体を正当化する ことに対してです。
日本が軍性奴隷制や生存者への十分な補償を繰り返し否定する度に、 性奴隷を強要された女性たちは抱えてきた心の傷がえぐられてきました。 政府は責任を全面的に認め、軍性奴隷制について明確に謝罪し、 被害女性たちが今こそ正義を得られるようにすべきです。
アムネスティは、日本政府に対して次のことを要請します。 日本軍性奴隷制の生存者に対する責任を全面的に認め、 大多数の被害女性が納得できる方法で謝罪し、これらの女性が被ってきた損害を公に認め、 生存者の尊厳を回復すること。 生存者が被った損害に対して、十分かつ中身のある補償を約束する諸方策を講じること。 政府当局者や公人による軍性奴隷制を否定したり正当化しようとする発言に対して、反論すること。

2014年6月18日配信 アムネスティ国際ニュース


ウクライナ:拉致された記者と職員を釈放せよ
ウクライナの英字新聞、キエフ・ポストによると、親ロシアの武装グループが占 拠するドネツク州で先週以降、少なくとも16人が拉致されています。そのうち外国人記 者3人は釈放されましたが、他の記者と職員が拘束されているか、行方不明になっています。 また2人が22日、遺体で発見され、遺体には拷問の跡がありました。
24日午後、スラビャンスクの「暫定市長」と自称するポノマリョフ氏が記者会見 し、ウクライナ政府が自分の同志を拘束し拷問していると非難し、そして 「拘束している人たちは交渉の切り札であり釈放するつもりはない」と述べました。
記者への脅迫、拉致、拘束は表現の自由に対する重大な侵害であり、即刻中止す るべきです。いかなる勢力も、記者の拘束は違法であり、その安全を保証した上 で、即時かつ無条件に釈放しなければなりません。
■スラビャンスクで相次ぐ拉致
ウクライナ東部ではこの2週間、拉致が相次いで起こっています。親ロシアの武装 グループが、いくつかの都市で警察署と公官庁を占拠してから、拉致が増えています。
メディア報道によれば、スラビャンスク在住のデイネガさんは今月13日、正体不 明のグループに拉致されその3日後、ウクライナのレフター記者が市内で報 道中に、拘束されました。
4月18日には、スラビャンスクのシュテパ市長が自称市長のポノマリョフ氏に面 会に行ったまま、行方不明となっています。同市のプロコソフ警察署長も4月19日 以降、行方不明です。
また4月21日、新たに外国人記者3人が、市内で検問にあたっていた武装グループ に拘束され、後に釈放されたが所持品は没収されたそうです。 ウクラ イナ東部の対立するすべての当事者は、この事件を直視して対応を取るべきです。 この殺害に関して独立した機関による公正な捜査を行い、責任者を法の下で裁か なければなりません。

2014年4月23日配信 アムネスティ国際ニュース


内部告発者への馬鹿げた制限を解除せよ
モルデハイ・バヌヌさんは1980年代、イスラエルの核兵器計画を報道機関に暴露 したとして18年の禁固刑を受けました。刑期満了で2004年に釈放されてから10年が 経った今も、軍令により移動や表現、結社の自由を恣意的に厳しく制限されています。 さまざまな制限の中には、出国の禁止やネットでのチャット禁止もあります。また ジャーナリストを含む外国人とのやり取りも許可を必要とされてい、当局の罰 則は単なる報復のようです。

政府高官は、国家機密である核計画のさらなる漏洩を防ぐには自由を制限する必 要があると主張していますが、筋違いも甚だしいです。 バヌヌさんは知っている情報をすべて提供していて、それ以上の情報はないと話 しています。また、投獄された当時に持っていた情報は今や誰でも知ることができ るし、そもそも約30年前で古すぎると、バヌヌさんと弁護士は指摘しています。制 限措置には国際法上の根拠もありません。

バヌヌさんは、自由を奪われ、精神的にも肉体的にも深刻なストレスを受けています。 アムネスティは当局に対して、海外渡航を許可し、国内での移動、結社、表現の 自由の権利の行使を認めるよう、要求しています。
バヌヌさんの弁護士は、出国、領事館や大使館への立ち入り、国境や境界道路、 港、空港から500メートル以内への立ち入りを禁止する措置への異議申し立てを 行った。これに対し高等裁判所は昨年12月、こうした制限措置を支持する判決を 下し、外国人と接触するにあたり必要とされる事前の許可も支持しました。 今年5月に更新予定となっている現在の制限措置は、直ちに解除されるべきです。
■背景情報
バヌヌさんは、イスラエル南部の町、ディモナ近くの核工場の元技術者である。 1986年、英国のサンデー・タイムズ紙に国家の核兵器工場の詳細を明かし、 同年9月30日、イスラエルの諜報部(モサド)員にイタリアで拉致され、秘密裡 に送還された。裁判で18年の禁固刑の判決を受けた。
2010年5月には3カ月間、投獄された。釈放後2回目の服役である。罪状は、外国 人との会話、クリスマスのミサへの出席で、制限措置に違反したことだった。
3カ月のうち11週間は、厳しい環境の独房に拘留された。極悪犯専用の特別房 で、毎日1時間しか房を出ることができなかった。刑務所当局によると、他の被 収容者たちの襲撃から守るため、そこに入れたという。
アムネスティは、バヌヌさんを「良心の囚人」と認定しました。

2014年4月16日配信 アムネスティ国際ニュース


静岡地検ー袴田事件即時抗告
31日、静岡地検は袴田事件再審開始決定に対して即時抗告をしました。 これによって、高裁でまた審理がはじまります。検察へのアクションは終了することになります。 いつまで袴田さんを苦しめるのでしょう。


静岡地裁ー袴田事件再審開始決定
3月27日、静岡地裁は袴田事件について再審開始と袴田さんの死刑、拘置の執行を停止する決定を だしました。
2008年からアムネスティは袴田さんを危機にある個人として支援し、 再審の実現と死刑執行停止を求めてきました。 世界各地で袴田さんの釈放を求めて様々な活動をしています。特に英国、オーストラリア、スペインで 活発に行われています。再審開始決定のニュースは袴田さんを支援してきた人々に喜びをもたらしました。
今、アムネスティは検察が抗告しないよう運動しています。 即時抗告しないよう検察への要請を呼びかけています。ご協力をお願いします。
◆静岡地検
https://www.kensatsu.go.jp/kensatsumail/feedback.php?id=013
◆東京高検
http://www.kensatsu.go.jp/kakuchou/h_tokyo/h_tokyo.shtml
◆最高検
https://www.kensatsu.go.jp/kensatsumail/feedback.php?id=001

◆要請文例

検察庁御中

拝啓 静岡地裁の再審開始の決定をうけとめて、即時抗告をしないように要請 します。
袴田事件に関する新証拠に照らし、また、1968年の逮捕当初の取調べから自白 を強要されたとの袴田さんの主張を考慮すれば、この事件はもう 一度審理を おこなうべきです。袴田さんは高齢であり、長期間の拘禁で健康状態も懸念さ れます。
袴田事件は、速やかに再審を開始すべきです。
十分な検討を、よろしくお願いいたします。

敬具


震災から3年、あらためて人権状況の改善を求める
2014年3月11日 アムネスティ・インターナショナル日本支部声明 

 本日、1万8千人(不明者を含む1)を超える多くの尊い命を奪った東日本大震 災から丸3年を迎えました。地震と津波によって引き起こされた福島第一原発事故 は、除染や汚染水の処理の問題、新たに発覚した高濃度汚染水の漏えいなど、 収束どころか未だに出口が見えない状況が続いています。依然として多くの人び とが生まれ育った故郷を離れ、経済的基盤を失い、避難生活を強いられています。

 2011年12月、当時の野田首相は「原子炉冷温停止」になったとことを受け、 「福島第一原発事故収束」を宣言しました。また現政権の安倍首相は、昨年9月の 国際オリンピック委員会総会で、汚染水漏えい問題について「まったく問題は ない。汚染水の影響は、港湾内で完全にブロックされている」と強調しました。し かし現実は政府の発表とはまったく違う状況が明らかになり、福島原発で働く 作業員も含め、未だに多くの人びとが放射性物質による健康被害を心配し、困 難な生活を余儀なくされています。

 このような大規模な原発事故と、その後の政府の不十分で無責任な対応は、人 びとの基本的人権である、「生命、自由及び身体の安全への権利(世界人権宣 言第3条)」、「すべての人間が保有する生命に対する固有の権利(自由権規 約第6条)」、「到達可能な最高水準の身体及び精神の健康を享受する権利 (社会権規約12条)」を脅かすものです。政府は、人びとの生きる権利や健 康に暮らす権利を守る第一義的な責務を負っているが、被災された人びとの生 活を守り、被害者への十分な補償を行ってきたとは言い難い状況が続いています。

 一方、情報開示という点でも、政府の対応は十分とは程遠いです。地震以前の発電 所の安全性のみならず、事故後の原子炉の状況や汚染水ついても事実とは違う 情報を発表するとともに、問題が起きても情報開示を先送りし、事態を過小評 価してきました。
自由権規約第19条第2項は、「すべての者は、表現の自由についての権利を有 する」と定めており、その表現の自由の根幹に、情報へのアクセス権(知る権 利)が位置づけられています。政府は、すべての者が原子力施設事故に関する情 報にアクセスすることを妨げてはならないし、市民に対し、自己決定の前提と して、危険の有無を適切に判断するために、正確で、タイムリーな情報を提供 する責務があります。しかし震災直後から今日まで、政府は的確な情報開示を行わ ず、政府の判断もしばしば遅れ、住民の不安は増すばかりとなっています。

 2013年5月、「健康に対する権利」特別報告者であるアナンド・グローバー氏 は、国連人権理事会に報告書を提出し、「被害に遭われた人びと、特に社会的 弱者をすべての政策決定のプロセスに十分参加させる」よう政府に勧告しました。 2012年11月、同人権理事会普遍的定期審査においても、「福島の放射線警戒区 域の住民の健康と生活の権利を保護するためのすべての必要な措置を講じる」 ことが勧告されています。また、原発事故の10年前に出された2001年の社会権規 約委員会の日本政府に対する総括所見では、すでに「原子力施設の安全性に関 する透明性の確保と関係住民への適切な情報提供」が勧告されていました。
アムネスティ日本は、昨年7月、日本政府に対して、福島原発事故後の復興政 策等において、さまざまな国民の権利が保障されていないことを憂慮し、被害 に遭っている人びと、とりわけ女性や障がい者などを政策決定に参加させると ともに、政府内に横断的な人権担当部署の設置を要請するアクション3を実施 しました。署名は、日本のみならず、ドイツ、オーストラリア、米国、韓国、台 湾、ペルー、ベネズエラ、ベラルーシ、ウルグアイ、南アフリカ等、世界各国 から届き、日本支部が取りまとめた署名として、1,463筆を昨年10月末に安倍 総理に届けました。

 原発事故による甚大な放射性物質の解決には、これからも相当な期間を要し、 健康への影響も長期的に注視していく必要があります。日本支部は日本政府に対 し、人権状況の改善のために人権担当部署の設置とともに、国際人権基準に基 づき、グローバー勧告等に真摯に向き合って応じることを求めます。


イスラエル軍 パレスチナ人へ不法な武力行使
アムネスティは報告書で、イスラエルの治安部隊が過去3年余り、 被占領西岸地区で子どもを含むパレスチナ人多数を殺害しながら、 その罪を免れていることを明らかにしました。
イスラエル軍は2011年1月以来、西岸地区のパレスチナ民間人に対して、恣意的 な武力をむやみに行使し、被占領パレスチナ地域(OPT)での度重なる流血と人 権侵害を引き起こしてきました。 アムネスティが得た証拠から明らかになったのは、イスラエル兵が殺害したパレ スチナ人は、いずれのケースも命の脅威であったと思えないということです。故意 に殺したケースもあり、これは戦争犯罪に相当します。
西岸地区でのイスラエル軍による同様の違法な殺傷を示す証拠が数多くあります。 恣意的な武力の行使を頻繁かつ執ように行い、その加害者が免責されていること はイスラエルが政策として実行していることを示唆しています。
■殺傷者数
昨年、西岸地区で22人のパレスチナ人が殺害されました。その内、少なくとも14名は 抗議行動中でした。24歳以下の若者が多く、子どもは4人以上います。 国連の統計によると、2013年にイスラエル軍により殺害された西岸地区のパレス チナ人の数は、2011年と2012年を合わせたものよりも多くなっています。
平和的抗議者、見物人、人権擁護活動家、ジャーナリストなどが殺傷されています。 この3年間で、少なくとも261人以上が実弾で重傷を負い、このうち67人が 子どもです。 ゴム被覆金属弾、催涙ガスなど、実弾以外の攻撃で重傷を負った西岸地区のパレ スチナ民間人は、3年間で8500人以上(うち子どもは約1500人)にものぼり中 には命を落とした人もいます。
このように驚くべき数の人びとが負傷していることは、被占領西岸地区に暮らす パレスチナ人がどれだけ危険な日常にさらされているかを物語っています。背中を 撃たれた人も数名いました。ただ逃げようとしている人びとをイスラエル軍が標的に していたと思われます。
■イスラエル政府の調査
イスラエル当局が調査を開始してから1年余りたったが、これらの殺害の調査結 果は発表されていません。 調査は独立性、中立性、透明性を欠いています。すべての恣意的な武力行使 に対して調査が必要です。 また兵士と警官に対して不当な武力行使は処罰されることを明確に示す必要が あります。
■抗議行動
近年、西岸地区ではイスラエルによる長引く占領と抑圧的政策・行為への抗議行 動が続いてきました。 抗議の対象は、拡大するイスラエル人入植地、800kmにおよぶフェンス・ 壁、家屋の強制破壊、強制立ち退き、イスラエル軍の検問、イスラエル人入植者 専用道路、パレスチナ人の移動の制限などです。パレスチナ人たちの拘束、ガ ザ攻撃、抗議行動や逮捕における殺傷などに対しても、抗議の声が上がっています。
■武器の移転
アムネスティはイスラエル当局に対し、実弾とゴム被覆弾の使用など致死的な 武力行使は、身に危険が迫る場合を除いては行わないよう、軍に指示することを 求めています。当局はまた、パレスチナ人の平和的集会の権利を尊重しなければな りません。
さらにアムネスティは米国、EU、その他の国々に対してイスラエルへの弾薬、武 器、装備の移転を全面的に停止するよう求めます。国際社会からの圧力がなけれ ば、状況は変わりません。 もしイスラエル当局が世界に対し、自らが民主的原理と国際人権基準を尊重して いること示したければ、違法で無用な武力行使を直ちに止めさせるべきです。
2014年2月27日配信 アムネスティ国際ニュース


ワシントン州知事が死刑執行停止を表明
「私が知事在任中は、死刑の執行を停止することにした。この行動で、ワシント ン州が全米で高まる死刑論議に参加することを期待する」 ワシントン州知事は去る2月11日、死刑囚への死刑執行を停止する決断をこのよ うに発表しました。
いかなる状況においても死刑に反対するアムネスティ・インターナショナルは、 知事の今回の決定を歓迎します。 あらゆる死刑執行は、決して法的な必然性があるわけではなく、結局は政治的な 選択の産物です。

1994年、当時の米国最高裁判所の判事は「20年にわたり、矛盾がなく、公正で、 誤りがない死刑制度を生み出そうと取り組んできたが、死の装置をいじくりまわ すことはもう止めることにした」と宣言しました。

2008年、当時最年長だった最高裁判事が「30年以上判事を務めて、死刑執行が、 無意味で、無用な殺生に当たると断言するに至った」と語り、そして「米 国で死刑が相変わらず頻繁に執行されるのは、見識に基づく審議というよりは、 政府側の『慣習と怠慢』の結果だ」と断じたのです。

その2年後、イリノイ州の知事は「死刑を廃止している15州や世界の多くの国に 仲間入りし、我が州は歴史上重要な一歩を踏み出す」と宣言しました。

2012年には、コネチカット州知事が、死刑廃止法案に署名して立法化することを 約束、そして「他の16州やほとんどの先進国の仲間入りをし、より賢明な方向 へ政策を進すめていきたい」と述べました。

2013年1月にはメリーランド州知事も、死刑をめぐる国際的な状況を指摘して、 「我々はどちらの道を選ぶのか」と問いかけ、「取るべき道は常に、人々の尊厳 をどれだけ尊重しているかだ」と述べました。

2013年5月、コロラド州知事も同様の決定を下し、死刑制度に潜む恣意性の問 題を指摘、また国内外に見られる死刑廃止の流れに触れて、次のように語りました。 「世界の中で、米国は処罰の一形態として死刑を今なお用いている数少ない 先進国の一つだ」

このような流れを経て今回のワシントン州知事の決定があります。 インスリー知事は、「かつては死刑を支持していた。し かし、制度維持にかかる膨大な費用、疑わしい殺人抑止力、恣意的で一貫性がな い適用など、重大な問題点を認めざるを得なくなった。この欠陥だらけの制度の 中では、死刑を公平に適用することはできない。一旦死刑が下されてしまうと、 失うものがあまりにも多すぎる」と語っています。
「自分の任期中は処刑を認めない」という決断は、全世界で死 刑執行停止を求めて国連総会が繰り返し行ってきた決議に完全に沿うものであります。 今こそ、他の州・国々もこれにならうべきです。
2014年2月12日配信 アムネスティ国際ニュース


籾井勝人NHK新会長の発言に抗議するーアムネスティ日本支部ー
2014年1月25日、籾井勝人NHK新会長は就任会見において、「慰安婦」問題 について「どこの国にもあった」、「慰安婦そのものは今のモラルでは悪い。 じゃあ、従軍慰安婦はどうかと言うと、そのときの現実としてあった」。「戦 争してる国にはどこでもあった。ドイツになかったか、フランスになかった か。そんなことはないでしょう。ヨーロッパはどこでもあった」、「あったは ずですよ。ないという証拠もないでしょ」、「それで従軍慰安婦の問題を云々 されると、それはちょっとおかしい」などの発言を続けた。この発言は、公共 放送の会長職にある公人が、政治的な意図をもって、事実を歪曲し、戦時下に おける組織的な性暴力と性奴隷制を肯定し、国際法上の重大な人権侵害の責任 を否定しようとするものである。アムネスティ・インターナショナル日本は籾 井会長の発言に強く抗議する。

1930年代初めから第二次世界大戦の終結まで、日本軍性奴隷制の下、多くの女 性が日本軍によって自由や権利を奪われた中で、数カ月または数年にわたって 強かん、拷問、虐待を受けた。日本軍性奴隷制は、日本政府および軍 が設置、管理等に組織的に関与しており、また台湾を含む中国全土、インドネ シアやフィリピン、太平洋上の島々、シンガポール、マレーシア、ビルマ (ミャンマー)、東ティモールに至るまで、広範囲かつ大規模に展開していた 点において他に類を見ない。

女性を奴隷化し性暴力を繰り返すこのような行為は、当時の国際法(国際条約 および国際慣習法)で確立していた「奴隷制の禁止」に違反し、また戦争犯罪 および人道に対する罪としての強かんに該当する。さらに、日本が1932年に批 准した国際労働機関(ILO)の強制労働条約にも違反している。日本軍性奴隷 制は、当時の国際法においても重大な犯罪であり、今も解決されることなく、 日本の対応が国際社会から問われている問題である。

こうした事情を踏まえて、自由権規約委員会、拷問禁止委員会、女性差別撤廃 委員会など複数の国際人権機関は、「慰安婦」たちに対して正義を実現するよ う、日本政府に繰り返し要請している。

アムネスティ日本は、性奴隷制という国際法上の重大な犯罪および被害者への 正義の実現を否定する公人の発言が繰り返されていることを強く非難する。こ のような発言が出てくる背景には、日本軍性奴隷制の加害責任に向き合わず、 生存者一人ひとりへの謝罪と賠償をしないまま、事態を放置してきた日本政府 の姿勢がある。

国連の条約諸機関は、日本の公人による発言を懸念し続けている。例えば2013 年5月に行われた拷問禁止委員会による日本政府報告審査では、その最終所見 において、「政府当局や公人による事実を否定し、またそのような否定を繰り 返すことによって被害者に再び精神的外傷を与えようとする試みに反駁するこ と」という勧告がだされた。
拷問禁止委員会はまた、性奴隷制の犯罪に対する 法的責任を公に認め、被害者への完全かつ効果的な補償するよう勧告している。
繰り返される発言は、日本政府の国際的な評価を貶める結果となっ ており、なによりも、沈黙を破り勇気を持って語り始めた生存者の尊厳を深く 傷つけている。

日本政府は、籾井会長も口にしたように、「日韓基本条約で国際的に解決して いる」としばしば主張する。しかし、日韓基本条約は、国家間の請求権の処理 を規定するのみで、もともとある被害者個人の請求権を消滅させるものではあ り得ない。同条約では性奴隷制の問題は想定されていなかった。未だに生存者 たちに対する公の謝罪も補償もなされていない以上、日韓両国はこの問題つい て具体的な協議を直ちに開始すべきなのである。

アムネスティ日本は、日本政府に対し、このような公人の発言を許さず、国際 社会からの勧告に従い、次のことを直ちに実行するよう要請する。

・公人による、性奴隷制の事実や責任を否定する発言に対して、公式に反駁する。
・日本軍性奴隷制の生存者が納得する方法で、彼女たちが被った損害を公に認 める。また法的・道義的責任を全面的に受け入れる。
・生存者に対し、旧日本軍が犯した犯罪について全面的に、はっきりと謝罪する。
・日本政府は、国際基準に適った、十分かつ中身のある補償を、生存者が同席 する場で、直接、彼女たちに示す。
・第2次世界大戦に関する歴史の教科書に日本軍性奴隷制度について正しく記 載する。
アムネスティ日本支部声明 2014年1月29日


グアンタナモを閉鎖し、偽善的な人権政策をなくせ
バラク・オバマ大統領がキューバのグアンタナモ湾収容所の閉鎖を命じる文書に 署名してから、5年が経ったがいまだに閉鎖されていません。

テロ容疑をかけられた人びとがまるで貨物のように航空機内に縛りつけられ、グ アンタナモに最初に連れてこられてから12年、延べ800人近い人びとが拘束さ れ、今なお150人以上が収容されています。
被拘束者の数人が国際基準を満たしていない軍事裁判を受けました。 しかし有罪判決を下されたのは 1%にもならず、その大部分は公判前の司法取引でした。
米国は、釈放された元被収容者のうち強制送還できない人びとの自国への受け入れを拒否 し他国への移送をのぞんでいます。しかし受入国がないため、拘束を違法と する司法判断を得た人びとでさえ、ひき続き拘束されている可能性があります。
被収容者のうち70人以上(その大部分はイエメン人)は移送が認められたが、母 国の治安状況やその他の諸問題を理由として、行政側はグアンタナモからの移送 を延期すべきだとしています。

グアンタナモの被収容者はもう何年も、先の見通しもつかないどっちつかずの状 態に置かれています。多くは、強制失踪や拷問など深刻な人権侵害の犠牲者ですが、 補償措置への道は制度上閉ざされており、現状では加害者がその責任を問われる ことはまずないでしょう。

深刻な人権侵害を引き起こしてきたグアンタナモ収容所を維持する一方で、米国 は毎年国際的な人権基準の遵守を宣言し続けてきました。どこであれ他国がグアンタ ナモのような人権無視の状態を引き起こしていたとしたら、確実に米国の糾弾の 的となったことでしょう。米国当局はいつになったらこの二重基準を終わらせるつ もりなのか。
米国当局は「グアンタナモの拘束は人権侵害だ」とする被拘束者の訴えに信憑性 がある場合は、すべての案件に対し独立した公平な調査を実施すべきです。そ して調査の結果を公表し、国際法に基づき加害行為の責任者を、現在または過去 の職責にかかわらず処罰すべきです。
グアンタナモなどの被収容者に対して行われた拷問や強制失踪など、国際法に基 づく犯罪が処罰を免れている事態は、米国による国際的責務の重大な違反を放置 することであり、ゆるし難い不正義です。
アムネスティは、米国に対して現在および過去のグアンタナモの被収容者をはじ め、自国が行った人権侵害の被害者すべてに、適切な補償を提供するよう強く要 請します。

2014年1月20日配信 アムネスティ国際ニュース


イスラエルによるパレスチナ人家屋破壊停止を要請ー世界の36団体
 7月に和平プロセスが再開して以来、イスラエルは被占領西岸地区において、 207のパレスチナ人家屋や土地を破壊した。その結果、311名のパレスチナ人 (その半数以上が子ども)を退去させた。 イスラエル支配地域でのこのような破壊行為によって、 パレスチナ人家族は自分たちのコミュニティと土地から追い立てられ、 貧困が悪化し、人道支援の必要性が増大している。
このような市民財産の破壊行為は 、国際人権法と国際人道法に明らかに違反している。 国際人道法は軍事的に必要性がない破壊行為を禁じている。
家屋破壊は違法なイスラエル人入植地を拡大しやすくするためにしばしば行なわれ、 破壊行為の60パーセントは入植地域に近接するパレスチナ人コミュニティで起きている。

2013年12月11日配信 アムネスティ国際ニュース


紛争時の性的暴力を防止する世界的な努力を害する日本
「女性に対する暴力撤廃の国際デー」にあたりアムネスティ・インターナショ ナルは、日本政府に対し、第二次世界大戦前および大戦中の軍による性奴 隷 制の被害者への義務を果たし、G8の性暴力防止宣言に対する責務を果たすよう 求める。

今年初め、日本は他のG8加盟国とともに、武力紛争時の性暴力犯罪を防止し加 害者の責任を問うことを目的とした宣言に賛同した。 しかし、日本はかつて の軍による性奴隷制の真相究明、被害者の名誉の回復、賠償などの正義を果た さなかった。これは、今回の取り組みの足を引っ張るだけで なく、他国が紛 争時の性暴力被害者に正義を果たさない隠れ蓑となる。

アジア太平洋地域の多くの女性が、1932年から第二次世界大戦終戦まで、旧日 本軍により性奴隷制の犠牲になった。 その結果、被害者は、肉体的、精神的な健康障害、孤独、恥の意識、 多くは極度の貧困に陥り、今もなお苦しみ続けている。

G8の宣言では、性暴力犯罪に対する問題意識を喚起し、正義を果たす妨げとな る要因を取り除き、被害者に必要な支援を与え、加害者を裁くことを約 束し ている。しかし、日本は軍の性奴隷制を全面的に認めず、責任を取ることもな く、正義を求める被害者の訴えや活動を繰り返し否定してきた。
アムネスティが特に懸念するのは、最近日本の名だたる政治家や高官が旧日本 軍の性奴隷制を容認し、制度の存在を否定するなどしていることである。 例 えば、橋下徹大阪市長は、軍の性奴隷制は「必要だった」とコメントしたし、 政府は、国連の普遍的定期審査に対する補遺の中で「問題を政治や外交 上の 問題にしてはならない」と述べている。

安倍首相は9月、ニューヨークの国連総会で「女性が輝く社会の実現」を提唱 した。 しかし、日本がかつての性奴隷制の被害者に対し十分な謝罪や賠償を なさない限り、女性に対するいかなる賛美も空々しく聞こえる。 正義を果た す要求に応えてはじめて、日本は紛争地域での性暴力撲滅や女性の権利拡大の 実現に指導的役割を果たすことができる。
アジア太平洋地域の性奴隷被害者はますます高齢化し、その多くが正義や充分 な賠償を受けないまま亡くなっている。
国際社会、特に戦争の被害が大きかった国々は日本と協力しながら、また被害 者を主体的に巻き込みながら、この性奴隷問題に、真相究明、名誉の回 復、 賠償、過ちを繰り返さないという誓い、歴史教育など、総合的視点で迅速に対 処することが必要である。

特に、アムネスティは日本政府に次のことを求める。
・女性たちに苦しみを与えた性奴隷制を公式に認め、大多数の被害者が納得で きる方法で、法的責任をはじめとした全責任を取ること。
・ 女性たちに対して犯した罪を明確に謝罪し、政府が直接、国際基準に合致し た、適切で実効性のある賠償をすること。
・ 日本の教育制度で使用される教科書に、日本軍の性奴隷制を正確に記述する ことにより、2度と繰り返さないことを保証すること。
2013年11月25日配信 アムネスティ国際ニュース



特定秘密保護法案、表現の自由の侵害に対する深刻な懸念
アムネスティ日本支部は2013年10月23日下記の声明を出しました。

日本政府は、10月15日から始まった臨時国会において、「特定秘密の保護に関 する法律案」(以下、特定秘密保護法案)を提出する予定であるとされている。 この法案は、「表現の自由」や市民の「知る権利(情報へのアクセス権)」を 著しく制限しかねないものである。アムネスティ・インターナショ ナル日本 は、国際的な人権基準に鑑み、この法案に対して深刻な懸念を表明する。

日本が批准している自由権規約第19条第2項は、「すべての者は、表現の自由 についての権利を有する」と定めている。同時に、同条は「この権利に は、… あらゆる種類の情報及び考えを求め、受け及び伝える自由を含む」と規定し、 表現の自由の根幹に、情報へのアクセス権を置いている(注1)。 情報へのア クセス権は、単に配慮や努力規定としてではなく、明確に権利として保障され なければならない。
自由権規約の第19条第3項は、情報へのアクセス権を例外的に制限する場合を 特定している。この制限は、「他の者の権利又は信用の尊重」及び「国 の安 全、公の秩序又は公衆の健康若しくは道徳の保護」を目的とし、それがどうし ても必要な場合のみに、厳密に限られている。

政府が発表した特定秘密保護法案の概要および最終案では、安全保障に関する 特に秘匿が必要である情報を、行政機関の長が「特定秘密」として指定 し、 その漏えいを処罰するとしている。特定秘密に指定されうる事項は、 「防衛」「外交」など極めて曖昧かつ広範囲にわたる規定となってお り、自 由権規約が認める制限の範囲を超え、政府の恣意によって多くの公的情報が特 定秘密にされる恐れがある。
また、秘密とされる期間は上限なく延 長可能で あり、いかなる情報が特定秘密に指定されたのかも秘密とされるため、永続的 にその情報が開示されなくなる危険がある。

これは、表現の自由の根幹である情報へのアクセス権を、政府が不当かつ大幅 に制限するものである。特に、公衆の健康に関する情報、国際人権法及び 国 際人道法に反する事実などに関係する情報、自由権や生命権、拷問・虐待の防 止に関わる情報などは、積極的に公開・開示されなければならない情報 であ る(注3)。
しかし、現在の法案では、「特定秘密」の名の下に隠される危険が ある。その上、そのような情報が隠されたとしても、同法案の下で は隠され たこと自体が秘密にされ、指定の妥当性や運用を審査する独立した監視機関が 存在しない(注4)。

同法案は、このような広範かつ不透明な特定秘密について、未遂や共謀、教 唆、扇動も含めた漏えい行為を処罰するとしている。これについては、配慮 規定が設けられた報道機関だけでなく、政府の活動に関する調査や情報公開を 求めるNGO・NPOやジャーナリスト、研究者、労働組合など、市民の 表現の自 由に関する様ざまな活動が罪に問われる可能性もある。

自由権規約委員会は、規約第19条第3項の情報へのアクセス権の制限につい て、「権利自体を危うくするものであってはならず」、また「十分な明確 性 をもって策定されなければならず、…表現の自由の制限のために自由裁量を与 えるものであってはならない」。さらに、「制限の対象は広範すぎては なら ない」との見解を示している。今回の法案は、これらに照らして、明 らかに広範すぎる制限を課すものであり、強い懸念を抱かせる。

同法案は、特定秘密を取り扱う行政機関や民間企業の職員、さらにその家族や 関係者に対して調査を行うとしている(適性評価)。この規定によれば、 調 査事項の定義が曖昧かつ広範囲に及ぶため(注6)、評価対象者とその家族、関 係者の思想信条や、関係するとみなされた団体(NGO・NPOや労 組など)の活 動状況の調査が行われる危険がある
また、評価対象者以外の家族や関係者に は、本人の同意なく調査を行うことが可能になっており、し かも、そうした 調査に対する不服申し立ての手続きも存在しない。
このような調査は、表現の 自由に対する不当な干渉にあたるだけでなく、自由権規約 17条が定める「プ ライバシー、家族、通信等の保護」に違反する恐れがある。

さらに、もし個人が、同法案に定める特定秘密の漏えいに関する罪に問われた 場合、具体的にどのような特定秘密の漏えいに該当するのかが被告人およ び 弁護人に開示されないまま裁判が行われる恐れがある。これは、裁判の公開や 裁判における被告人の防御権を定めた自由権規約14条に違反する可能 性がある。

アムネスティ日本は、このように、表現の自由をはじめ複数の国際人権基準に 違反する恐れのある今回の法案について、深刻な懸念を表明する。日本政 府 は、自国が批准している国際人権基準を誠実に遵守し、表現の自由の根幹にあ る、人びとの情報へのアクセス権を明確に保障する立法や政策をこそ実 施し なければならない。情報へのアクセス権の制限は、そうした原則が確立された 上での、あくまでも例外的かつ限定的な措置なのである。

注1
自由権規約委員会は、その一般的意見34において、「第19条2項は、公的機関 、締約国は、政府が持つ公益情報を、積極的に公 開すべきである」(パラグラフ19)と明確に指摘している。
注3 アムネスティを含む世界70カ国の22の団体は、500人以上の研究者、国連の特 別報告者らと協議を重ね、2013年6月に「国家安全保障と情報 への権利につい てのグローバル原則」)を採択した。その原則10で、政府 が公開および積極的に開示すべき情報として以下の情報を具体的に列挙してい る。
・国際人権法および人道法の違反に関する情報
・自由権および人の安全、拷問や虐待の予防、生命権に関する情報
・政府の機構と権限に関する情報
・軍事力の行使または大量破壊兵器の所持についての決定に関する情報
・諜報活動に関する情報
・国家財政に関する情報
・憲法や法令の違反、およびその他の権力乱用に関する説明責任
・公衆の健康、治安あるいは環境に関する情報
注4
情報へのアクセス権への制限について、「国家安全保 障上の情報へのアクセス権の制限は、法によって定められ、正当な国家安 全 上の利益を保護するために民主主義社会において必要性があり、および、濫用 に対するセーフガードを法によって定めていない限り、制限してはなら な い。
セーフガードには、制限の妥当性についての独立した第三者機関による迅 速で徹底、アクセス可能で効果的な審査や、裁判所による十分な審査が 含ま れる」と規定している。
注6
最終案によれば、「特定有害活動(公になっていない情報のうちその漏えいが 我が国の安全保障に支障を与えるおそれがあるものを取得するための活 動…) との関係に関する事項」など、曖昧かつ広範な調査事項が列挙されている。


名張毒ぶどう酒事件―真実から目を背ける司法の判断
名張毒ぶどう酒事件の第7次再審請求の差し戻し後の特別抗告審で、最高裁判 所第1小法廷は、奥西勝さんの特別抗告を棄却する決定をしました。アムネス ティ・インターナショナル日本は、この決定に対して強い懸念を表明するとと もに、再審理の機会を保障するよう求めます。
今回の再審請求では、実際にぶどう酒に入れられた毒物が、奥西さんの自白し た農薬「ニッカリンT」だったのかが争点でしたが、櫻井龍子裁判長 は鑑 定結果から、弁護側の新証拠が奥西死刑確定者の自白の信用性に影響を及ぼさ ないことは明らかだと判断しました。

名張毒ぶどう酒事件をめぐる司法の判断は、これまで揺れ動いてきた。1964 年、第1審の津地方裁判所は、唯一の物証とされたぶどう酒びん王冠の 歯形 は奥西さんのものとは断定できず、また奥西さんの自白は信用できないとし、 無罪判決を言い渡した。しかし、名古屋高裁は1969年、王冠の傷 痕は奥西さ んの歯形と一致するという鑑定などを根拠に、一転して死刑判決を下し、1972 年に最高裁で死刑判決が確定した。
その後、有罪の根拠と された王冠の歯形 の鑑定が、鑑定写真の倍率を操作した虚偽鑑定であったことが判明している。 2005年には科学鑑定に基づき、名古屋高裁で再審開始の決定が出たものの、後 に同高裁によってその決定は取り消された。裁判所の判断がこのよう に揺れ 動くこと自体、確定判決の事実認定には合理的な疑いが生じていることを示し ています。

奥西さんは今年で87歳。40年以上にわたって死刑囚として投獄されています。 2012年5月の再審請求棄却の直後から体調を崩して八王子医療刑務 所に収監さ れおり、その健康状態は極めて深刻な状況にあります。
本件については、新たな再審請求が出されることも予想されます。アムネスティ は、真実から目を背けた今回の最高裁判所の決定に深刻な懸念を表明する と ともに、一刻も早く奥西さんの再審を受ける機会が保障されるよう今一度強く 求めます。
2013年10月17日 日本支部声明


イスラエル軍・難民キャンプ奇襲で死者
イスラエル軍は8月26日、被占領西岸地区のパレスチナ難民キャンプを奇襲し、 男性3名を射殺しまた。これが違法であることは明らかです。
このカランディア難民キャンプの奇襲では、ほかにも子ども6名を含む19名が銃 弾を受けて負傷しています。これは今年の西岸地区でのイスラエル軍の1回の作戦 で最多の犠牲者数です。負傷者の内、子ども3名を含む5名は上半身に傷を負ました。 人間の上半身に向けて実弾を発射するような、意図的かつ致死的な銃器の使用 は、どうしてもその方法でしか身を守れない場合にのみ許されることです。

この事件で生命が失われ多数のけが人が出たことで、重装甲のイスラエル軍が国 際基準に従って行動しているのかどうか、深刻な疑問が出ています。

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の職員、ルビン・アブド・アル=ラー マン・ザイードさん(34歳)も殺された3名の1人だった。軍部隊の奇襲後、キャン プを出る軍用車両から胸部を撃たれました。 地元の人権団体がアムネスティ・インターナショナルに語ったところによると、 当時、現場は平穏で、ザイードさんが撃たれた時に、兵士に対する暴力や脅威は まったくなかったそうです。 ザイードさんの死を取り巻く状況から、これは国際法違反の超法規的処刑と思わ れる懸念があがっています。

民間人を故意に殺害することも、ジュネーブ第4条約の下での戦争犯罪である。 パレスチナ領域の占領勢力として、イスラエルはこの条約を守らなければなりません。 殺された他の2名は、ユネス・ジャマル・ジャジュさんとジハード・マンスー ル・アスランさんです。ラマッラーに病院があるパレスチナ医療連合の広報担 当によると、両名は胸を撃たれていました。

イスラエル国防軍(IDF)の声明によると、パレスチナ人たちがジープに石など を投げつけてきたため、兵士たちは身の危険を感じ、銃で対応したといっています。IDF はまた、パレスチナ人たちはジープに向けて射撃し、後でジープから4つの銃弾 が見つかったとも述べています。 たとえイスラエルの部隊が脅威を感じたとしても、一般のパレスチナ人に対する リスクを最小限にする責任があります。銃はあくまで最終手段です。

イスラエル国防軍(IDF)の声明によると、最初の調査の結果、部隊は「計画に従っており、 (部隊は)管理・監督され、適切であった」と言っています。 しかしアムネスティは、イスラエル軍の調査は国際基準に合致しておらず、違法な殺人 の責任者のほぼ全員が免責されることになる、という懸念を繰り返し述べてきまし た。イスラエル軍によるいかなる殺傷行為も独立・中立の立場で迅速に調査され るべきであるし、もし違法な殺害や武力の恣意的行使、乱用の証拠があれば、責 任者たちは文民法廷で公平な裁判にかけられるべきです。
イスラエル軍は今年に入って同地区のパレスチナ民間人10名を殺害してきました。最 近では8月20日、ジェニンでの襲撃で死者が出ました。アムネスティはいくつかの殺 害事件を調査し、こうした殺害が違法であったことを裏付ける確固たる証拠を得ました。
国連人道問題調整事務所の報告によると、イスラエル軍が西岸地区のパレスチナ 民間人を負傷させたのは、年初からの7カ月間で2877件にのぼっています。
2013年8月27日配信 アムネスティ国際ニュース


今こそ、米国の不法な行動に注目
ロシア政府がエドワード・スノーデンさんに一時的亡命を認めたことで、事態は とりあえず好転しました。これで米国政府の監視プログラムの非合法性と無差別に情報を 収集するその性格に、各国政府と市民社会の目が向くことを期待します。

スノーデンさんがロシアに到着してからの5週間にはさまざまなドラマがありました。 しかし本質的な問題が注目されることはありませんでした。その問題とは、急速に拡 大する米国の監視機関が、国内在住の人びとのプライバシーの権利に対する組織 的で甚大な侵害を行ってきたことです。
スノーデンさんがなぜロシアに亡命を求めざるを得なかったのか、その理由をよ く見極める必要があります。彼が米国政府の行動の全貌を暴くやいなや、政府はパス ポートを無効化し、犯罪者に仕立てました。

基本的人権である表現の自由は、政府の非合法的な行為を裏付ける証拠を明らか にする行為を保護しています。国際法と合衆国憲法の修正第4条の双方に照らせ ば、米国政府の行動は違法です。
アムネスティは、スノーデンさんが一時的亡命を与えられた際、これ以上米国に 損害を与える情報を公表してはならない、と言われたことを憂慮しています。
すべての人は、亡命を求める権利があり、この権利は、社会的関心を呼ぶ情報に ついて話したり暴露したりしない、という約束によって左右されるべきではありません。
ロシア当局は、スノーデンさんの権利を尊重すべきです。本人が望めば、国内 外を自由に移動できるようにしなければなりません。

米国政府は、彼の訴追に躍起であり、それが国際法の重大な違反であるという事 実に対処するどころか、認めもしていません。 米国はスノーデンさんの亡命の求めを受け入れないように各国政府に圧力をかけ るという嘆かわしい行動を、今こそ止めるべきです。
2013年8月1日配信 アムネスティ国際ニュース


パレスチナ人活動家への嫌がらせをやめよ
アムネスティ・インターナショナルは、イスラエル当局がパレスチナ人人権活動 家のナリマン・タミーミさんとその家族に対して、執拗ないじめと司法的嫌がら せを行っていることを強く非難します。
当局は7月4日、タミーミさんたちがイスラエル人入植者による土地奪取への抗議行動に 参加するのを妨害するため、タミーミさんを部分的な自宅 軟禁にしました。彼女は翌週裁判を控えています。
この軟禁はタミーミさんと家族、同じ村の人びとへの最近の執拗な嫌がらせで、 これまでも同様の人権侵害が繰り返されてきました。当局は、このような恣意的な制 限を即時解除し、起訴も取り下げるべきです。

タミーミさんは6月28日、別の活動家のラナ・ハマディさんとともに逮捕されました。 ナビ・サレの村人たちが土地を奪われたことに抗議して、近くの泉に向かっ て歩いていた時のことでした。2009年からイスラエル人入植者たちは、ナビ・サレ 村近くのアル=カウズ泉を占拠しています。違法な入植地は現在、軍により保護されて います。
抗議行動の間、ひとりの兵士が紙切れをちらつかせながら、「もし立ち去らない なら逮捕されることになるよ」と近づいてきた。立ち去ろうとすると、複数の兵 士に逮捕されました。その後、タミーミさんとハマディさんは「封鎖軍事地域」に 入ったとして起訴されました。
2人は、イスラエル人入植者が土地を違法に奪取したことに平和的に抗議すると いう基本的人権を否定されています。

逮捕後タミーミさんは、2人がどのような状況に置かれたかを、アムネスティ・ インターナショナルに語ってくれました。足かせを着けられて拘禁されたり、車内で 一晩中勾留されたりした。イスラエル人男性囚人たちを乗せたバンに入れられ て、罵声と身体的脅迫を受けたこともあったそうです。

彼女はこれまでにも何度か逮捕や自宅の強制捜査を受けてきました。夫のハッセンさ んは少なくとも2回、投獄されており、良心の囚人として拘禁されています。 兄弟は昨年デモの際、イスラエル軍により撃ち殺されています。

イスラエル当局は、活動家たちとその家族を脅して沈黙させるためにあらゆる手 段を用いています。当局は、自らの権利のために立ち上がる人びとを狙って嫌がら せを続けるつもりです。
(このようなイスラエル当局によるパレスチナ人に対する いやがらせは各地で大人だけでなく子どもにも及んでいます。―湘南グループ注)
2013年7月4日配信 アムネスティ国際ニュース


朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮):国境の取り締りを厳格化
悲惨な人権状況が報告されている朝鮮民主主義人民共和国政府が最近、国から脱 出する人びとに対する厳罰化を明らかにしました。この脅迫的声明は人びとの移動の 自由を奪う新たな懸念です。
同国の国営通信社は6月19日に、許可なく出国しようとする人びとを国家への反 逆とみなし、「卑しむべき人間のくずを物理的に排除するため実効性のある方策 をとる」という人民保安部の声明を発表した。さらに声明は「あさましき人間の くずは、今後空を仰ぐことも、死後の埋葬の場所さえも見いだすことはないだろ う」と続いています。
国を離れるという単に移動の自由権を行使したために、拘束や訴追あるいは処罰 されることがあってはなりません
このような声明は、国から脱出を試みて捕らえられた人びとに厳罰を科す方針を 継続するという政府の明白な意思を示しています。つまり、こうした人びとが恣意的拘禁、拷問 や虐待といった危険にさらされることを意味し命も落としかねません。
同国では国の許可を得ずに外国へ渡航することは禁止されており、最近の取り締 り強化で、国境を越えて中国へ行くことや、ラオスやタイなどの第三国経由の脱 出がますます難しくなっています。 中国は、無許可で入国した同国の人びとをすべて経済移民とみなし、捕らえた場 合は送還しています。
今回の公式声明発表は、脱出した10代の若者9人がラオスで逮捕され強制送還さ れた数週間後のことでした。14歳から19歳の若者たちは中国からラオスに不法入 国して拘束され、5月28日に朝鮮民主義人民共和国当局に伴われて首都平壌に送 還されたと伝えられています。ラオスでは、不法に入国した同国の人びとを見つけた場合、 通常は拘束し、最近までは大韓民国への移動を許可していました。
ラオス政府が9人の若者たちに国際的な保護を与えることなく、処罰の危険性が ある故国に強制送還したことは、国際法および国際基準の違反です。
アムネスティは、9人の若者たちに危害を加えず、また人びとの国外脱出防止の ためのプロパガンダに利用しないよう朝鮮民主主義人民共和国当局に強く要望す る。国としての人権擁護義務に従うべきであり、国内の移動および国外渡航許可の必 要条件を撤廃すべきです。
2013年6月21日配信 アムネスティ国際ニュース


トルコ:逮捕者の拘禁場所を今すぐ公開すべき
トルコ警察は、夜間を徹し政府に抗議をする大勢の人びとを拘束したが、拘束した事実を認めていません。
6月15日の夜、抗議行動の中心地であるタクシム広場やその周辺地に集結した人びとが拘束されたといわれています。 実数は不明だが、100人を優に超えるという。
イスタンブール弁護士協会はアムネスティに対し、警察が拘束しているところを目撃されたおよそ70人の氏名は分かっているが、 どこに連れて行かれたかは不明だと語りました。
警察の暴力的な排除から一夜明け、当局は、拘束された人びとに、正当な法手続きを認めていません。 警察はただちに彼らを釈放するか、拘束場所を明らかにし、家族や弁護士との連絡を認めるべきです。
アムネスティは、逮捕や拘束時に警察が抗議参加者を殴打しているという確かな報告を継続的に受けています。 ほぼ3週間近く続いている抗議運動の間に拘束された人びとは、最長12時間にわたって食事や水を与えられず、 トイレに行くことも許されなかったという。 拘禁場所が不明であるため、警察による暴行や虐待を受けている懸念も高まっています。
警察は16日午後8時半頃、タクシム広場で粛々と抗議する人びとに対して、催涙ガス、放水砲、 スタングレネード(音響手榴弾)などで攻撃した。アムネスティの調査員も、この介入を現場で目撃しました。 調査員によると、広場にいた人々は平和的に行動しており、警察による暴力的な介入はまったく正当化できません。
また、警察がプラスチック弾を使用したこと、仮設診療施設で治療にあたる医師を拘束したという報告もあります。 イスタンブールの複数地域で夜通し行われた警察の介入で、負傷数は、数百人にのぼると考えられます。 警察は、医師が多くの負傷者の治療にあたっていたホテル前の仮設診療施設にも対しても、催涙ガスを直に打ち込んだ。
16日も、警察の暴力行為が複数の地域で散発的に続いています。 警察は、タクシム広場に近いラマダ・ホテルに設けられた仮設診療所で 治療していた医師を拘束した。 保健担当大臣は、仮設は違法であり、医師は起訴の対象となると述べています。
治療を必要とする患者を診ていた医師を訴追するというこの発言は、到底受け入れられません。 医師は直ちに釈放されるべきであり、起訴という脅迫を取り消すべきです。
※アムネスティ日本支部は、6月17日、エルドアン首相と駐日トルコ大使宛に、要請書を提出しました。
 アムネスティ日本はウエブサイトでこの件に関するオンラインアクションをしています。
  http://www.amnesty.or.jp/news/2013/0617_4017.html
2013年6月16日配信 アムネスティ国際ニュース


原発事故対策に人権を
5月19日(日)、アムネスティ神奈川連絡会主催で政府に原発事故における施策に 人権部署の設置、被災者の政策への参加、情報公開等を求めて、 ウオーカソンを行いました。
13時に桜木町駅広場に神奈川県内のグループメムバーとその他の 方々17名が集合し、5月の海風に吹かれ港を見ながら、赤レンガ倉庫街から大桟橋、山下公園と 横浜の代表的な観光コースを歩きました。春の様々なイベントが行われていて、人であふれていました。
その中を黄色い旗と幕、プラカードをかかげて歩きました。かなりのインパクトではなかったでしょうか。


橋下大阪市長の発言に抗議―アムネスティ・日本
2013年5月13日、橋下徹大阪市長(日本維新の会共同代表)は記者の取材に対し、 「銃弾が飛び交う中で命をかけて走っていく時に、精神的に高ぶっている集団に 休息をさせてあげようと思ったら、慰安婦制度が必要なのは誰でも分かる」などと 発言したと報じられている。 この発言は、市長という公職者が、旧日本軍による組織的な性暴力と性奴隷制を公然と肯定し、 女性を軍隊の性の道具と見なすという重大な女性差別にもとづく発言である。
アムネスティ日本は、最大限の強い言葉でこれを非難するものである。

日本では、政治家の発言の中で、強制的に連行されたとは限らないという主張が繰り返し提起されている。 しかし、日本軍性奴隷制は、女性たちが暴力や詐欺によって連行されたという問題だけでなく、 日本軍が「慰安所」において女性たちを奴隷化した、という点において重大な人権侵害である。
被害女性たちは、日本軍によって移動の自由を奪われ、劣悪な環境の中で、 数カ月または数年にわたって繰り返し強かん・拷問・虐待を受けた。 なお、性産業に従事していた女性たちも「慰安婦」として募集されたが、 いったん制度に組み込まれた後は、労働内容や条件を決定する自由も辞める自由もないという状況の中で、 同様に、日本軍による強かん・拷問・虐待を受けた。

これらの日本軍の行為は当時の国際法の「奴隷制の禁止」に違反し、 戦争犯罪及び人道に対する罪としての強かんに該当する、重大かつ 大規模な人権侵害である。また日本が1932年に批准したILOにも違反している。

アムネスティは日本軍性奴隷制を生きのびた生存者に対して、 正義を与えるよう長年、日本政府に求めてきた。 また、米国、カナダ、オランダ、韓国、台湾、欧州連合の欧州議会においても、 日本政府に対して被害女性への正義を実現するよう求めている。

アムネスティ日本は、橋下市長に対し、ただちに今回の発言を全面的に撤回し、 世界各国の日本軍性奴隷制の生存者への謝罪を行うよう強く求める。
アムネスティ日本は、今回のような発言が出る背景として、明確な謝罪も、 法的責任の受け入れも、日本軍性奴隷制を生き残った人びとへの十分な賠償もしてこなかった 日本政府のこれまでの姿勢に問題があると考える。
日本政府に対し、国際社会からの勧告に従い、次のことを直ちに実行するよう要請する。

・ 日本軍性奴隷制の生存者が納得する方法で、彼女たちが被った損害を公に認める。 また法的・道義的責任を全面的に受け入れる。
・生存者に対し、旧日本軍が犯した犯罪について全面的に、はっきりと謝罪する。
・日本政府は、国際基準にかなった、十分かつ中身のある補償を、生存者が同席する場で、直接、彼女たちに示す。
・ 第2次世界大戦に関する歴史の教科書に日本軍性奴隷制度について正しく記載する。

5月17日 アムネスティ・インターナショナル日本支部声明(抜粋)


ヨルダン川西岸被占領地につくられた入植者の新前哨地の撤去を!

新しい前哨地を設置したナブルス地区内のイスラエル人入植者たち
イスラエル当局は昨日設置された、ヨルダン川西岸被占領地のナブルス地区内の イスラエル入植者による新前哨地を、 直ちに撤去するようにと、本日アムネスティ・インターナショナルは述べました。
新しい前哨地はイッツアーにある不法なイスラエル入植地の住人、エヴヤター・ボロヴスキーが殺害された後、 火曜日に設置されました。
民間人で、襲撃されたときに銃を所持していたボロヴスキーはパレスチナ人に刺殺されたが、 このパレスチナ人(男性)は負傷しその後イスラエル軍に逮捕されました。
入植者たちは殺害事件後に、西岸被占領地北部に住むパレスチナの民間人並びにその資産に対する暴力を 一挙に爆発させて、車に投石し数百本の木を焼くなどしました。
アムネスティ・インターナショナル中東・北アフリカ担当代理責任者、アン・ハリソンは この件に関して以下の発言をしています。

「私たちは入植者を含めてすべての民間人に対する、あらゆる意図的な攻撃を遺憾に思うが、 今回の殺害事件がパレスチナ人に対する更なる人権侵害の口実に用いられることがあってはならない。
イスラエル当局は直ちに新しい入植前哨地を撤去し、西岸被占領地における暴力に関与したすべての者を 起訴しなければならない。
イスラエル当局は火曜に4人の入植者を逮捕したが、パレスチナの民間人およびその資産に対する 多くの暴挙には見て見ぬふりをしているように思われる。 イスラエル当局は占領下のパレスチナ民間人を保護して、 入植者による暴力的な攻撃を予防し罰する責任がある。
東エルサレムを含む西岸被占領地にはほぼ100の非公認の入植者前哨地と、 130を超える入植地が存在しており、国際法によればその全てが違法である。
2012年にイスラエル政府は10の前哨地を遡って公認し、入植者がほかに4つの前哨地を設立するのを 妨げる何の行動も起こさなかった。
イスラエル当局は西岸被占領地にあるパレスチナ人の家屋・建物をも破壊し続けた。 2013年になってからも200以上の建造物が破壊され、 その結果400人にのぼるパレスチナ人が自宅から強制退去させられ、500人以上が影響を受けている。
イスラエル政府の長期にわたる民間人の被占領地への入植政策は、国際人権法に違反するものである。
このような政策は、国際刑事裁判所のローマ規程の下では戦争犯罪とみなされる」

5月2日配信 アムネスティ・インターナショナル国際ニュース


武器貿易条約採択される
4月2日、武器貿易条約(ATT)が国連総会において圧倒的多数で採択されました。
アムネスティは長年、ATTの成立をめざして活動してきました。 いま、ようやく運動が実りました。
3か国が反対しましたが、人権擁護を核にした人命重視の条約を 大多数の国が支持したのです。
条約は国際人道法、人権法の重大な違反あるいはそれを助長する ことに武器が使用される危険性のある国、勢力に兵器、弾薬、 構成部品を移転するリスクの評価を行う義務をすべての政府に 義務付けています。そしてその危険性がある場合は 武器の移転を行わないことに合意しました。
国連は6年間にわたってこの問題を議論し、ついに条約は採択されたのです。 弾薬の規制に関しては十分とは言えなく、問題はあるものの、武器の規制に 世界は一歩をふみ出したのです。
2013年6月3日、この武器貿易条約は国連総会で署名と批准が始まり、50カ国の批 准を経てまもなく発効します。

4月6日配信 アムネスティ・インターナショナル国際ニュース



被占領地パレスチナ:ヨルダン川西岸の現状
アメリカのオバマ大統領のイスラエル訪問に際し、アムネスティ・インターナショナルは 被占領地パレスチナ:ヨルダン川西岸地区の壁/フェンスと入植地に関する声明を出しました。
何年もの間、パレスチナのジャイユス村の人びとは自分の農地に自由に行くことをイスラエル当局によりはばまれている。
(詳細はサイトの特集記事パレスチナを閲覧してください)
1 パレスチナ人の土地を切り裂く壁/フェンス、パレスチナ人の土地を収奪して作られる 入植地は国際法違反であること
2 これらのイスラエルの政策により、ますますパレスチナ人の生活が困難になっていること
3 イスラエルの入植者たちがパレスチナ農民の土地にトレーラーハウスを設営し、壁/フェンスのルート変更を 妨害し、入植者とみられる人びとが、自分たちの土地に入ろうとするパレスチナ農民を阻止しようとしたこと
これらの事は国際法違反であり、パレスチナ人が適切な生活をする権利を侵害している。
オバマ大統領は今回のイスラエル訪問で自らこの現状を確かめる機会を有している。

3月21日配信 アムネスティ・インターナショナル国際ニュース



パレスチナ映画「壊された5つのカメラ」アカデミー賞候補
以前このページで紹介しましたパレスチナ映画「壊された5つのカメラ」が 第85回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にノミネートされました。 惜しくも受賞はのがしました。
授賞式に出席するため監督のイマード・ブルナートが家族とともにアメリカに 入国しようとしたところ、ロサンゼルスの空港で1時間にわたり、入国目的を 尋問され、「アカデミー賞授賞式出席が証明できなければ、今日中に強制送還する」 と言われたそうです。
監督のイマード・ブルナートは非常に不愉快な思いをしたと語り、 またこのような不愉快な思いは被占領地のパレスチナにおいて毎日のようにパレスチナ人が経験している ことだと語りました。


死刑執行を非難する
法務省は2月21日に3名の死刑を執行しました。アムネスティ日本はこれに強く抗議し、 声明を出しました。
谷垣法務大臣は大臣就任2か月で死刑執行命令を出した。
谷垣法務大臣は死刑執行を国民感情、被害者感情を根拠にしているが、 国内法の内容が国際人権基準に反するものである場合には、その法制度 を改正すべく努力することもまた、政府、法相および法務省に課せられ た国際 的な義務であり、日本政府は、国連の総会決議や人権理事会の普遍的定期審査、 そして複数の国連人権機関から、繰り返し、死刑の執行停止と死 刑廃止に向け た取り組みを強く勧告されていることを忘れてはならない。
とくに、国連の自由権規約委員会は2008年、「世論の動向にかかわりなく、締約 国は死刑の廃止を考慮すべき」とし、世論を口実に死刑廃止に向け た措置を一 切とろうとしない日本の態度を強く批判している。日本政府は、「国民感情」を 理由に、国際的な人権基準を遵守する義務を免れることはで きない。

北朝鮮の人権侵害を調査する機関の設置を
日本政府は、1月25日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)における人権侵害を 調査する「新たな調査メカニズム」設置を含む、同国の人権状況に関する決議案 を、3月の人権理事会において欧州連合(EU)と共同で提出すべく、関係各国と の協議を開始すると決定しまた。
日本政府の今回の決定は、政府が長年取り組んできた拉致問題の解決だけではな く、政治囚収容所を含めた同国の人権状況全般に向けた解決への第一歩となるこ とが期待されます。
アムネスティ・インターナショナルは、「国連人権調査委 員会」の設置に向けて、国連人権理事会の理事国各国が一致団結して協力するこ とを求めました。
一般の人びとの生活は極度に困 窮しています。20万人が収容されていると言われる「政治囚収容所」における、子 どもを含めた強制労働・拷問・恣意的処刑・公開処刑に代表される国内の人権侵 害が、脱北者たちの証言により明らかにされています。表現・移動の自由が厳しく 制限される中、政府や指導者への批判は抹殺されています。

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が、これまで国連からの人権状況の改善の働きかけをすべて拒否する中、 2013年1月14日、国連のナビ・ピレイ人権高等弁務官は、同国内での重大な人権 侵害を調査する「国際的な調査機関」の設置に向け「国際社会はより努力すべきだ」との声 明を出し、国際社会の協力を求めました。

イスラエル・人権理事会の審査を拒む
アムネスティ・インターナショナル国連代表より1月29日に国連人権理事会に対する イスラエルの対応への懸念が表明されました。

人権理事会は2012年3月にイスラエル人入植地についての事実調査団を結成し、 イスラエルをやり玉に挙げた、と同国政府は苦情を申し立て、そして理事会への 協力を取り下げることとなった。イスラエルは既に、2009年のガザ紛争事実調査 団のようないくつかの重要なメカニズムへの協力を拒んでいる。しかし、これら のステップは普遍的定期審査とは関わりのないことだ。

アムネスティ・インターナショナルは、イスラエルが人権理事会の規則に則り、 2013年中に普遍的定期審査に参加するよう促す世界規模での合意を訴える。イス ラエルの高官レベルでの参加がければ、このメカニズムの効果は減殺される。イ スラエルと最も友好的な国々さえも、このような振る舞いを擁護することは困難 だろう。人権理事会の議定書によれは、普遍的定期審査への協力を拒み続ける国 家については適切な措置が講じられることとなっている。

世界中の国々にとって、普遍的定期審査は人権基準と自国の実施状況の間の ギャップを埋めることに貢献してきた、という証拠がある。 もし普遍的定期審査が危うくなれば、世界規模での人権プロジェクトにとって重 大な損失となる。イスラエルは2013年中に普遍的定期審査による必要な検証に、 要請通りにしっかりと取り組まなければ、世界の人権侵害の犠牲者たちから賛辞 を得られないであろう。

新法務大臣に死刑制度について申し入れ
新政権の谷垣禎一法務大臣に12月26日、アムネスティ・インターナショナル 事務総長サリル・シェティとアムネスティ・インターナショナル日本事務局長 若林秀樹は公開書簡書簡を送りました。

「アムネスティは、犯罪の種類や状況、犯罪の有無、犯罪者の特徴、あるいは国家 による執行方法を問わず、例外なくあらゆる死刑に反対します。アムネスティ は、貴職および法務省に対し、ただちに死刑執行を停止し、日本における死刑の 完全廃止を目指した国民的議論を始めるよう要請いたします。」


イスラエル:パレスチナのNGOや活動家への攻撃の停止を
2012年12月11日(火)未明、イスラエル国防軍(IDF)兵士がラマッラーにある パレスチナの3つのNGOに押し入り、コンピューターや作業ファイル、設備を押収 し、事務所内を捜索した。アムネスティ・インターナショナルは、被占領パレス チナ地域の活動家たちに対する「嫌がらせの手口」の一つであると見ている。
アッダミール囚人支援・人権協会やパレスチナNGOネットワーク、パレスチナ女 性委員会連合へのイスラエルの急襲は、パレスチナ人の人権と市民社会組織、ス タッフたちへの広範な襲撃の一環である。
イスラエル当局は機密情報を根拠として、西岸地区の人権擁護活動家や他の活動 家たちの移動を頻繁に制限しており、西岸地区とガザ地区の間の通行も妨げてい る。 アムネスティはイスラエル国防軍に急襲の理由を尋ねたが、回答はない。
パレスチナの人権NGOであるアッダミールが、何カ月にも渡ってイスラエルの嫌 がらせを受け、議長のアブドゥラティフ・ガイスの西岸地区への通行や海外渡航 を禁じる軍令が出ていることに、アムネスティはとくに懸念している。
イスラエル当局は、アッダミールの弁護士が弁護対象の囚人や被拘禁者たちに面 会することを頻繁に妨害している。もっとも憂慮されることとして、アッダミー ルの調査員で人権擁護活動家であるアイマン・ナセルが、10月15日にイスラエル 軍によって逮捕された後の長い尋問中に拷問されたと、彼の弁護士からの報告が あった。
恣意的な移動制限や人権および市民社会組織への攻撃、人権擁護活動家への拷問 は、決して正当化できるものではない。このような行為は即時停止し、責任者は その責任を問われるべきである。
12月11日配信 アムネスティ・インターナショナル国際ニュース

パレスチナ:国連オブザーバー国家としての司法正義

ガザのハマスとイスラエルの停戦が実現し、ひとまず安心しましたがこの紛争で家族を失った人たちの 悲嘆を忘れてはなりません。
アムネスティ・インターナショナルは停戦後実現したパレスチナの国連におけるオブザーバー国家について、 声明をだしました。
         * * * * *
パレスチナが国連オブザーバー国家になったことで、2008年から2009年にかけたガザ・イスラエル紛争に おける数々の戦争犯罪を国際刑事裁判所に提訴することができるようになるはずである。
パレスチナは国際刑事裁判所(ICC)が決めるローマ規程や他の人権と国際人道法条約に批准し、 その責任を負うことになる。
ICCはパレスチナが国家でないことを理由にガザ紛争の戦争犯罪の捜査、訴追ができないと 結論づけていたが、パレスチナが国家として認められた今、ガザ紛争の戦争犯罪の提訴を 認めなければならない。
アムネスティは国連総会に対し、2008年-2009年のガザ・イスラエル紛争の調査 団の報告書を国連安保理に付託するよう繰り返し要請してきた。そうすることで 安保理は両者の犯罪を捜査するためICC検察官に状況を付託することを検討しう るのである。
また、パレスチナ国家承認への報復として、 イスラエルがパレスチナ自治政府に支払うべき金銭を棚上げにする という脅しはパレスチナ経済を締めつけ、人道援助に頼らざるを得ない パレスチナの人びとの生活をさらにを困窮させることになる。これはパレスチナ人たちに対する集団的懲罰であ り、明白な国際法違反だ。
アムネスティ・インターナショナルは、英国や米国など数カ国がパレスチナの外 交官たちに、国際法の下で犯罪に対する説明責任を果たすメカニズムを放棄させ るようと働きかけたという報告を憂慮している。 犠牲者が受ける司法正義は、いかなる取引の対象にもしてはならない。
11月30日配信 アムネスティ・インターナショナル国際ニュース

イスラエル・ガザ紛争:国連は武器禁輸措置を講じ、国際監視団を直ちに派遣すべき

イスラエルとガザのパレスチナ武装グループとの紛争がエスカレートしている。 これをうけアムネスティ・インターナショナルは、国際的な武器禁輸措置と、国 際監視団の即時派遣を要請する。
11月14日以来、ガザの多数の民間人とイスラエルの民間人3名が殺された。国連 や地元の人権組織、アムネスティが収集した情報によると、両者が国際人道法違 反を行っていることは明らかである。
両者による違反行為を、独立的かつ中立的に調べるため、人権侵害と国際人道法 違反の調査能力を持った国際監視団を速やかにガザとイスラエル双方に派遣する 必要がある。
また国連安全保障理事会は、イスラエルとハマス、そしてガザのパレスチナ武装 グループに国際的な武器禁輸措置を講じるために、緊急会合を持つべきである。
■犠牲となる市民。奪われる命
イスラエル軍は11月14日以来、ガザ地区の1350余りの目標物に攻撃したと発表し ている。イスラエル軍は人口が密集した居住地域に砲撃を加え、政府や報道機関 の建物を攻撃し、パレスチナ武装グループメンバーの家族の家を爆撃し、パレス チナ民間人を死傷させた。
この19日午後までに、ガザで殺された市民66名の名前をアムネスティは確認し た。この中には、子ども17名と女性9名が含まれている。パレスチナ人権セン ターは19日正午、子ども175名と女性107名を含む、市民622名がガザで負傷した と発表している。彼らの多くは重傷だったようだ。
私たちはイスラエル軍の無差別または過剰な攻撃で死傷したガザの民間人がいる ことについて、大いに懸念している。
■国際人道法に違反する攻撃
パレスチナ武装グループは11月14日以来、イスラエルに向けて1100発余りのロ ケット弾を発射した。ロケット弾のほとんどは照準を合わせられるものではな く、民間人の地域から発射されたものもあった。
国際赤十字・赤新月運動イスラエル支部のマゲン・デイビッド・アドムによる と、このような違法な攻撃で3名のイスラエル民間人が殺され、少なくとも51名 が負傷し、その内2名は重傷だという。
国際社会のあらゆる国・機関は、両者に対して、民間人保護の優先と国際人道法 をしっかり遵守するよう促すべきである。強い影響力を持つ国々の重い沈黙を破 る必要がある。
アムネスティはまた、11月16日にガザでイスラエルに協力した容疑を受けた人物 がハマスの軍事部門によって即決処刑された報告についても大いに懸念している。
■国際社会は、正当な裁きを
ガザの病院は、緊急状況に対処するために格闘している。これらの病院は2007年 6月からのイスラエルの封鎖による物資不足ですでに状況が悪化していた。世界 保健機関によると、今回の交戦の前、ガザの病院はすでに必須医薬品リストの 内、40パーセントを欠いていた。
アムネスティはガザの160万の住民への集団的懲罰であるガザ地区封鎖を改めて 非難し、封鎖が完全に解除されることを求める。
2008年から2009年にかけてのガザ・イスラエル紛争での全当事者による戦争犯罪 については、何の責任も果たされていない。その戦争犯罪については、アムネス ティとリチャード・ゴールドストーン判事率いる国連事実調査団によって文書で 証明されている。
アムネスティは国連総会に対し、「ゴールドストーン報告書」として知られる事 実調査団の報告書を安保理に付託するよう、繰り返し要請してきた。そうするこ とで、安保理は両者による戦争犯罪を調査するため、状況を国際刑事裁判所 (ICC)の検察官に付託するという検討が可能になる。
そのような調査は、2008年から2009年の紛争における全当事者による戦争犯罪や 人道に対する罪の可能性がある行為を含むものである。この紛争で、は約300名 の子どもたちと数百名の非武装民間人を含むおよそ1400名のパレスチナ人が殺さ れた。イスラエルの民間人3名もこの紛争で殺された。
11月19日配信 アムネスティ・インターナショナル国際ニュース
このような情報もあります。
ガザのシーファ病院の医師、アル=ケドラ氏によると、負傷者、死者の傷口から出た破片から異様な匂いがして、 イスラエル軍は化学兵器を使っている可能性が高いとのこと。 シーファ病院は医薬品の不足に加え、輸血用の血を募集中。@marmite_news(日本時間18日午前7時以前)
ガザの状況はこちらから http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=mIBoEUYEIOo

「ガザで殺人を行っているのは誰か」
   ノーム・チョムスキーらによる報道への呼びかけ

11月11日に始まったイスラエルのガザへの攻撃はハマスの軍人の暗殺、軍事施設への攻撃で あると報道されていますが、3人のこどもを含む一般市民5人が殺されました。 負傷者は子どもを含む52人です。(今、現在どんどん犠牲者が増え続けています)
2008年〜2009年の悲劇が再び起こるのではと懸念されます。 世界各地で抗議のデモが起きています。アラブ諸国、トルコ、イラン、イギリス、フランスの諸都市で行われています。
 ノーム・チョムスキーらは世界の報道人へ呼びかけています。
欧米メディアは「ガザからの激しいロケット砲弾にさらされるイスラエル」という報道を しています。ガザからの砲弾の犠牲者よりイスラエルの攻撃によるガザの犠牲者のほうが圧倒的に 多いにもかかわらず。報道は無数の重傷者、死傷者をだしているガザへの爆撃、空爆に目をむけるべきと 言っています。
今回のイスラエルの攻撃はガザからの砲弾への報復と言われていますが、 発端は11月5日、精神障碍を持つ20歳の青年が国境近くをぶらついていてイスラエル軍に撃たれ、駆け付けた 医師が足止めをされたため命を救えなかったことではないかと推察しています。そして 11月8日、家の前でサッカーボールを蹴っていた13歳の少年がガザ地区に侵攻したイスラエル軍の 銃撃で殺されました。このような経緯の後に4人のイスラエル兵が国境付近で 負傷する事件が起こったのです。そして11日からのガザへの攻撃が始まりました。
メディアはガザへの連日の爆撃による恐怖とショックを正当に報道していない。 そしてガザでは医療設備不備、医薬品の不足により負傷者を適切に治療もできない 状況であることまたガザの住民が眠れない日を過ごしていることを 報道しないことに憤激しています。ジャーナリストに良心にしたがった報道をするよう 呼びかけました。
(ナブルス通信参照)
原文: Who is doing the killing in Gaza? Noam Chomsky and others challenge world's media
http://stopwar.org.uk/index.php/palestine-and-israel/ 2027-who-is-doing-the-killing-in-gaza-noam-chomsky- and-others-challenge-the-worlds-media
ガザ攻撃で殺されたパレスチナ人の嘆き 2012.11.11

西岸地区のパレスチナ人の良心の囚人を釈放すべき

イスラエル軍当局は、被占領西岸地区のパレスチナ人活動家への一連の嫌がらせ や脅迫、恣意的拘禁を止めなくてはならない。
バッセム・タミミは、先週、パレスチナ人の土地へのイスラエル人入植者たちの 侵入に対し、非暴力の抗議をして逮捕された。彼は現在、勾留されている。10月 31日にオフェール軍事裁判所に出廷して、実刑判決を受ける可能性がある。
■非暴力の抗議活動
タミミはラマッラーの北のシャール・ベンジャミン入植地のスーパーマーケット で非暴力のデモをして、10月24日に逮捕された。100名余りの抗議者が集まり、 占領の終結とすべてのイスラエル製品のボイコットを訴えた。
彼は、警官への襲撃や未認可のデモへの参加、公的秩序に反する活動という罪に 問われている。 抗議の模様を撮った映像を見た後、軍判事は法的手続きの間、タミミは自宅軟禁 にすべきと判決した。しかし軍検察はこの判決に対して上訴し、彼はオフェール刑務所 に収監されたままである。
被占領西岸地区におけるイスラエル人入植地の設置と拡大は、国際人道法に違反 している。
■暴力的な逮捕
目撃者やメディアの報道によると、抗議者たちは10月24日にスーパーマーケット から出発した際に、イスラエル警察と治安部隊に殴打された。治安部隊はま た、目つぶし閃光弾を発射した。
タミミの妻、ナリマン・タミミも抗議活動に参加しており、アムネスティに次の ように語った。「警察の逮捕は冷酷非情でした。夫を地面に投げ飛ばし、体を地 面に押しつけて手錠をかけました。近づこうとすると、みんな殴られました。警 察は臆病で神経質になっていたようで、早く終わらせたかったのです」
警察が無用で過度な力を行使したにもかかわらず、ある警察官が自分の手を殴ら れたという証言を元に、軍検察はタミミを襲撃のかどで起訴した。
アムネスティ・インターナショナルは彼を良心の囚人と考えてお り、即時無条件に釈放されるべきである。
■入植者たちによる侵略
2008年7月、近くのハラミシュのイスラエル人入植者たちがカウス水源を使い始 めた。その水源はアル=ナビ・サレにあり、そこや近郊のデール・ニサム村の作 物用に灌漑するために使用されてきた。2009年2月には入植者たちは水源地に建 造物を建て始めた。
入植者たちがパレスチナ人の私有地に建造物を建設したこと、またその工事が 木々や他の財産に損害を与えることにパレスチナ人たちは苦情を申し立てた。入 植者たちに対するパレスチナ人の苦情を、イスラエルの警察は「証拠不十分」と して日常的に封殺してきた。
西岸地区のほとんどを管理する軍の機関であるイスラエルの市民局は、集団で、 また金曜日にパレスチナ人たちがカウス水源に行くことを禁じている。一方で、 入植者たちは自由に行くことを許されている。
■継続的なデモ
週毎のデモは2009年12月9日に始まった。毎週金曜日、アル=ナビ・サレの住民と 連帯する活動家たちが正午頃、村のセンターに集合し、水源に向けて平和的に行 進する。彼らは、目つぶし閃光弾、トウガラシ・スプレー、警棒、銃の使用を含 むイスラエル軍による無用で過度の武力行使に繰り返しあってきた。 イスラエル軍は定期的に村を襲撃し、たいていは夜間に行な い、家宅捜索や逮捕をする。逮捕された中には15歳未満の子どもたちもいる。

11月1日配信 アムネスティ・インターナショナル国際ニュース
EUはシリアからの難民を助けるために、今すぐ行動を

高まる非難にも関わらず、EUを含む国際社会はこれまでのところ、シリ ア紛争の各党派に、拡大する人権と人道法の侵害を止めるための効果的な圧力を かけるに至っていない。
当初改革を求める平和的抗議行動が起こり、それが残虐な弾圧にあい、内戦に発 展した。それから19ヵ月が経った。しかし、国連安全保障理事会はロシアと中国 の拒否権と他の加盟国の無為により、いまだに機能が麻痺したままである。 そして国際社会が躊躇しているあいだに、多くの子供を含む市民の犠牲者は増え 続けている。
推定では紛争が始まってから、2万4000人をゆうに超える人びとが亡くなった。 それに加え、シリア内で百万人以上が家を追われた。 35万人以上が、隣国のトルコ、レバノン、ヨルダン、イラクに難民としてすでに 登録したか、登録を待っている。
国連は、今年の終わりまでに70万人がシリアの隣国に難民となって避難するだろ うと予測している。一方、EUは1万6500人のシリア難民しか受け入れていない。 トルコ、レバノン、ヨルダン、イラクは、概して大量の難民を受け入れ、国内に とどまることを許可した。しかし、紛争が激化するにつれ国境を越える人数が急 増している。そのため、国際社会が断固とした行動を取り、難民を受け入れてい る国々と責任を分かち合うことが不可避となった。
もし各国がシリア市民の命運を真摯に考えるならば、安全を求めて逃げざるを得 なかった人びとのことも当然、同様に考えるはずである。彼らを支援し守ること は、国際社会が出来る最低限のことである。
アムネスティはEUに対し、以下の具体的な手段を提案する。
・ EU内に入ったすべてのシリア避難民に対し、保護と公平な難民手続きを保障 すること
・シリアの状況が安定し、安全が確実になるまで、だれもシリアに戻されること がないよう保障すること
・難民申請を判断するに際しEU内で共通の基準を設けること
・国際的保護の解釈を拡大して適用すること
・安全な地へ逃れるのを阻む、ビザや非常に煩雑な家族再統合手続きなどの障害 を取り除くこと
シリアはいまだイラクやパレスチナ、ソマリア、アフガニスタン、スーダン、イ エメンからの難民を大量に受け入れている。アムネスティは、EU加盟国もまたシ リアからの難民を受け入れ、責任を分かち合い連帯責任を負うように求めている。
国連難民高等弁務官事務所は、これらの難民に移住先を提供するよう各国に訴え ており、アムネスティはEU各国にこの訴えに寛大に応じるよう求めている。
難民の急増と冬の到来は、隣国での難民たちの状況をさらに厳しくするだろう。 国際社会は、人道的支援の訴えに緊急に応えなければならない

10月31日配信アムネスティ・インターナショナル 国際ニュース

死刑執行に抗議声明

アムネスティ・インターナショナル日本は、本日(9月27日)、仙台拘置所の江藤幸子氏と福岡拘置所の松田幸則氏の2 人 の死刑確定者に対して死刑が執行されたことについて抗議する。
特に、死刑執行のなかった翌年にもかかわらず、すでに3 度の死刑執行を行ったことは、 死刑執行に固執し、執行を恒常化させる政府と法務省の意思表示 ともいえるものであり、これに強く抗議する。
日本政府は、国際人権諸条約の締約国として、死刑に頼らない刑事司法制度を構築する国際的な義務を負って いることを改めて確認しなければならない。そして、日本政府は、生きる権利をはじめとする人権保障の大原 則に立ち戻り、死刑の執行を停止し、死刑廃止に向けた国民的議論を速やかに開始すべきである
イスラエル裁判所レイチェル・コリーの死に免責判決

2003年3月16日にパレスチナのラファでイスラエル軍の家屋取り壊しに抗議行動をしていた 米国人女性レイチェル・コリーはイスラエル軍のキャタピラー・ブルドーザーに轢き殺されました。
イスラエルのハイファ地方裁判所はレイチェルの死に対してイスラエル軍に責任なしの判決を 下しました。判決はレイチェルの死後1か月以内に軍が行った不備のある調査を支持しています。 アムネスティは以前からイスラエル軍の調査体制を批判しています。

8月23日配信 アムネスティ・インターナショナル 国際ニュース

シリア 市民が矢面に

シリア最大の都市で商業の中心地、アレッポの制圧をめぐって、シリア政府軍と 反政府軍の間の戦闘が激しさを増している。その中で市民はじっと耐えています。
アムネスティは8月前半、現地を訪れて調査を行いました。
その報告書とビデオ映像によれば、シリア政府軍はますます頻繁に 住宅地に空爆と砲撃を加え、無差別攻撃となって市民の命と生活を 危険にさらしています。政府軍の攻撃は特定の軍事目標を攻撃するというよりは 反政府軍が支配している地域を無差別に攻撃しているようだ。
このような攻撃の犠牲者の中に、子ども7人を含む10人家族のカヤリ家もいました。 カヤリ家は8月6日午後、2回の空爆で犠牲となりました。
アレッポではパンが不足しており、パンを求めて長い行列ができている。 行列に並んでいるときに13歳の少女、キファ・サムラと11歳の弟のザカリャは、 8月12日朝、攻撃を受けて亡くなりました。このように市民は日々、 政府軍による空爆と砲撃の集中砲撃をいたるところで受けています。 多くの人々は、どこにも安全な場所がないため、どの家族も予測できない攻 撃におびえながら生活しています。
圧倒的多数の犠牲者が、政府軍による空爆や砲撃で殺害された。一方、どちら側 が攻撃したのか明らかでない場合もあった。
反政府軍はほとんどの場合、短距離軽兵器で戦っているが、時には同じように市 民を危険にさらす迫撃砲や手製ロケットなどの低精度な武器や無差別兵器を使用 している。
報告書に強調されているさらに憂慮すべきことは、政府軍による、戦闘に関与し ない市民の裁判なしの略式の処刑が急激に増加していることです。そのほとん どが若い男性ですが、手錠をかけられていて頭部を撃たれている遺体が 政府軍が全面的に管理し ている空軍情報部本部近くに埋められているのがしばしば見つかっています。
戦闘が続く中、市内で軍事行動をしている自由シリア軍(FSA)など非常に多くの 反政府武装勢力による捕虜の違法な殺害や虐待などの増加も、またますます懸念 される。
アムネスティはFSA指導者に対して、このような虐待行為を直ちに終わらせ、捕 虜の殺害なども公正に調査することを繰り返し要求してきました。 政府軍と反政府軍双方は、国際人道法に従った行動をとらなければなりません。 市民に対する無差別攻撃やその他の戦争犯罪の責任者は、その責任を問われるべ きです。

8月23日配信 アムネスティ・インターナショナル 国際ニュース
イスラエルの元核技術者バヌヌさん反原発デモ

湘南グループで以前イスラエル当局に行動の自由と出国の許可を求めて手紙を出した 元核技術者モルデハイ・バヌヌさんが6日東エルサレムで反原発のデモをしました。 10数人のデモでしたが国際社会に原子力発電と核兵器の廃絶を訴えました。
ヒロシマを経験したにもかかわらず原発建設にまい進した日本を批判しました。 日本のような先進国は原子力エネルギーにたよらなくても物をつくることが できると訴えました。
バヌヌさんはイスラエルの核開発を暴露して18年間も刑務所にとらえられ、 刑期をおえ釈放されたのちもさまざまな制約をうけ行動の自由をうばわれています。
武器貿易条約採択されず

7月2日から国連で武器貿易条約(ATT)採択への交渉が続いていましたが、交渉は関係各国の利害が ぶつかり27日の最終日までに世界から寄せられた声もむなしく、条約は採択されませんでした。
規制に弾薬まで含むことを求めた世界の多くの国と反対する米国、中国、ロシアとの対立がありました。
時間切れとなり交渉はまとまりませんでしたが修正草案は10月の国連総会でふたたび取り上げられます。 国連で議論がはじまって6年がたちますがこれからも粘り強い条約採択への世界の支持が重要です。

パレスチナ自治政府が3名の絞首刑を執行2名が処刑の危機

ガザ地区で3名の男性が殺人罪で処刑されました。そのうちの一人は 拷問された跡が身体に残っていたと家族は証言しています。
ガザの統治者ハマスは今年6名を処刑しています。ガザを統治してからすでに少なくとも14名を 処刑したと言われています。処刑された人のうち6名はイスラエル当局との「協調」を罪とされ、 8名は殺人罪で有罪とされました。(7/21配信)

イスラエル当局より拘禁中のパレスチナ人がハンストにより
  重大な危機に直面


イスラエル当局による拘禁延長、パレスチナ追放に抗議してハンストを実行中のパレスチナ人が医療刑務所に 移送されました。
地元のNGO「イスラエル人権のための医師団」が彼らの診察の許可を 求めていますがいまだ認められていません。(7/14配信)
これらの件についてのアクションはこちらから  http://www.amnesty.or.jp/get-involved/ua/ua/2012ua119.html
武器貿易条約について世界のアーティストがアピール

7月2日から国連において武器貿易条約合意にむけた会議が行われています。
これに関してアムネスティ、オックスファムの運動を支援する世界の著名なアーティスト30数名が 国連事務総長へのアピールに署名しました。
アピールはこの地球上で全人類一人につき平均21個の弾丸がつくられていること。
その武器が武力衝突や無用な死傷を引き起こしていること。
武器取引がバナナやボトル詰の水より規制されていないことを指摘しています。
各国政府が人権を守り、強力で実効性のある条約を採択するよう求めています。
国連事務総長への書簡に署名したアーティストたち
Gillian Anderson Actor, USA.
Los Aterciopelados Musicians, Colombia.
Harry Belafonte Singer, songwriter, actor and social activist, USA.
Gael Garcia Bernal Actor, Mexico.
Paul Bettany Actor, UK.
Jane Birkin Actor/Singer, UK.
Miguel Bose Singer, Spain.
Rahul Bose Actor, India.
Helena Christensen Photographer and model, Denmark.
Chris Martin, Guy Berryman, Jonny Buckland, Will Champion Members of Coldplay Rock band, UK.
Jennifer Connelly Actor, USA.
Paul Conroy War photographer, UK.
Sophie Dahl Writer and model, UK.
Kristin Davis Actor, USA.
Andrea Echiverri Musician, singer and guitarist, Colombia.
Los Fabulosos Cadillacs Musicians, Argentina.
Livia Firth Film Producer and Eco-Age Creative Director, UK.
Anjelica Huston Actor, USA.
Eddie Izzard Comedian, actor and writer, UK.
Bianca Jagger Chair of Bianca Jagger Human Rights Foundation, UK.
Emmanuel Jal Musician and activist, South Sudan
Scarlett Johansson Actor, USA.
Angelique Kidjo Singer, Benin.
Keira Knightley Actor, UK.
Annie Lennox Singer/songwriter, UK.
Baaba Maal Singer/musician, Senegal.
Bill Nighy Actor, UK.
Yoko Ono Artist, author and peace activist, Japan.
Emma Pooley Olympic cyclist, UK.
Tim Roth Actor and director, UK.
Kevin Spacey Actor, director and producer, US.
Dave Stewart Musician and record producer, UK.
Imelda Staunton Actor, UK.

取調の可視化を求めて講演会

6月30日鎌倉市で行われた講演会はおよそ30人の参加者をえ、活発な質疑もあり 有意義な会でした。畑中弁護士の適確なお話で可視化することが如何に重要かが よく分かりました。毎日新聞から取材記者も来会され翌日の地方版に取材記事が 掲載されました。

ハンスト中のパレスチナ人の釈放決定

イスラエル当局は拘禁中のサッカー選手マムード・アルサーサクを7月10日に釈放することに合意した。
マムード・アルサーサクは88日間のハンストを昨日、停止したそうです。

「5台の カメラが壊された〜パレスチナ〜」

ビルイーン村パレスチナ人の撮影によるこのドキュメンタリーは、 昨年11月、アムステルダム国際ドキュメンタリーフィルム・フェスティバル、 続いて今年1月サンダンス・フィルム・フェスティバル の世界ドキュメンタリー部門で入賞しました。
撮影者であるイマード・ブルナート氏自身の家に踏み込み、子どもを連行しよう とするイスラエル兵、ブルナート氏のカメラを奪い取り地面にたたきつけるイス ラエル人入植者の動画像など、すべて実写です。
作品「5台の壊れたカメラ(5 Broken Cameras)」の動画の一部(5分半)が視 聴できます。
http://vimeo.com/21967570
http://www.youtube.com/watch?v=F_tQEgiYoV4


アムネスティ日本 info@amnesty.or.jp
http://www.amnesty.or.jp

国連安保理は、シリアの町ホウラで5月25日、シリア政権が武力で多数の市民を 殺害したことに対し、強く非難するだけではなく、具体的な行動を起こし、直ち に国際刑事裁判所(ICC)に事態を委ねるべきである。
攻撃直後に、アムネスティが得た目撃証言などの情報によると、5月25日、シリ ア軍の住宅街での砲弾、迫撃砲、ロケット弾の集中砲火で、女性34人、子ども50 人を含め少なくとも108人が死亡した。
「殺害が拡大する中、国連のシリア監視団は規模と機能を拡充し、シリア政府は 国連人権委員会による国際調査委員の入国を認め、紛争当事者双方の人権侵害の 申し立てを調査すべきです」 アムネスティは、4月14日、国連監視団が入って以降、シリアで1300人以上が殺 害されていることを確認している。
地元の活動家によると、25日午後、検問所の軍が平和的デモに発砲し、それに触 発された反体制派武装グループが応戦し、戦闘が勃発した。その紛争で、数は未 確認だが多数の死者が出た。
目撃者がアムネスティに語ったところによると、25日午後8時頃から深夜まで、 シリア軍はホウラ地区に分単位で砲弾とロケット弾を撃ち込んだ。シリア軍情報 部員らしき黒軍服の男たちが、武装襲撃を指揮し、その攻撃で多くの民間人が死 んだという。
殺害された人たちのうち62人は、アブド・アル・ラザグ族出身者であった。子ど も数人がライフル銃の台尻と思われるもので頭蓋をくだかれていた他は、全員が 射殺されていた。
シリア国営報道機関SANAは5月27日、ホウラにおける殺戮を「アル・カイダにつ ながるテログループ」の仕業だとする声明を発表した。また同日、外務省スポー クスマンは、この事件を調査する「司法軍事委員会」が設立されたと伝えた。
シリア政府が設立したというこれまでの内部組織による調査をみる限り、この 委員会に有益な結果を期待することはできません 政権が犯した人権侵害で裁判にかけられた容疑者は、一人としていません。
安保理は、シリアの惨状に終止符を打つために具体的行動をおこす必要があり ます。その行動を、ロシアは妨害してはなりません
私たちはその時期に殺害されたおよそ9750人の名前を確認している。その中に は、700人以上の子どもが含まれている


名張毒ぶどう酒事件―再審理の実現を要請

アムネスティ・インターナショナル日本が名張毒ぶどう酒事件の再審請求棄却に関して 声明を出しました。
本日、名張毒ぶどう酒事件の第7次再審請求の差戻し審理において、 名古屋高等裁判所刑事第2部が、再審請求を棄却した。アムネスティ・ インターナショナル日本は、死刑確定事件に対しては、再審理の機会 を保障して、より慎重な判断を行うべきであると考える。
本件は、弁護人の特別抗告により、最高裁の審理がなされることが予 想される。裁判所の審理が継続する以上、検察は、刑事訴訟法442条 ただし書にもとづき、直ちに奥西氏の死刑の執行を停止させるべきで ある。死刑は生きる権利を奪う取り返しのつかない刑罰であり、奥西氏 に再審を受ける機会を保障すべきである。

死刑廃止チャンネル

死刑廃止国際条約の批准を求める運動をしている「フォーラム90」が 「死刑廃止チャンネル」愛称「廃チャン」を開設しました。(http://www.forum90.net/)
裁判員制度がはじまり市民が死刑判決をくだすようになっています。しかし私たちは 本当に死刑について知っているのでしょうか。マスメディアはほとんど死刑の本質を 伝えていません。死刑の執行方法、死刑囚のおかれている状況、世界の死刑制度の現状も 知らないで死刑を宣告して良いのでしょうか。
死刑制度の情報を分かりやすく、関心を持ちやすい方法として インターネットで映像とともに情報を発信をしています。 当サイトでもリンクしています。ぜひご覧になってください。

北朝鮮ヨドク政治収容所閉鎖アクションの報告

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)ヨドク政治収容所の閉鎖を求めるアクションが 世界中から国際事務局に集約されました。アピール総数は165,000通です。 4月12日朝、アジア担当職員たちによってスイスの首都ベルンにある 北朝鮮大使館に届けられました。




アムネスティ・インターナショナル日本声明
〜袴田事件―早期の「再審の実現」を要請〜


本日、袴田事件の第二次再審請求の審理におけるDNA鑑定の結果から、袴田巖氏のDNAと、 犯行時に着ていたとされる衣服の血痕のDNAとが一致しないことが明らかになった。
アムネスティ・インターナショナル日本は、静岡地方裁判所に対し、直ちに再審開始を決定するよう要請する。 同時に、静岡地方検察庁に対し、新たな証拠にもとづく再審開始の手続きを、即時抗告などによって妨げないよう強く求める。

今回、DNA鑑定の結果が出された衣服は、1968年に袴田氏に対する死刑判決の有罪認定を基礎づけた証拠である。 そして、鑑定結果は、この証拠に証拠能力及び証明力がないことを明らかにするものである。 そうすると、この鑑定結果は、袴田氏の無罪を基礎づける新規の証拠であるといえ、再審請求の理由が認められる。 よって、静岡地方裁判所は、刑事訴訟法435条及び448条にもとづき、直ちに再審開始を決定すべきである。
また、裁判所が「再審開始の決定」をした場合、静岡地方検察庁は、即時抗告などで再審開始手続きを妨げてはならない。 日本では、死刑確定事件で再審が開始され無罪が言い渡されたのは、1980年代の4つの事件に留まり、 それ以降は現在に至るまで、1件もなされていない。この背景には、検察が原判決の有罪判断の維持に固執することによって、 再審の実現を難しくしている事情がある。しかしながら、当初から袴田事件は、 その取調べ過程における不公正な手続きが問題となってきた。検察庁は、袴田事件における究極的な不正義に真摯に向き合い、 今こそ司法の正義を実現すべきである。

袴田巖氏は、逮捕時から数えて実に45年以上も拘禁され、現在76歳の高齢である。 また、袴田氏の精神の健康状態が懸念されていることは、日弁連による2011年1月27日付 「東京拘置所死刑確定者心神喪失に関する人権救済申立事件(勧告)」にも明らかである。 袴田氏の年齢、健康状態を勘案すれば、審理を長期化させる猶予は残されていないのである。 検察庁には、DNA鑑定の明白性と、袴田氏の置かれた客観的な状況に鑑みて、自由権規約14条3項(c)、 憲法37条1項及び刑事訴訟法1条の「迅速な裁判」の要請にもとづき、再審の早期実現に協力すべき法的、 道義的責任があることは明らかである。アムネスティは、再審開始の手続きを即時抗告などによって妨げないよう 、検察庁に改めて強く求めるものである。

アムネスティは、あらゆる死刑に例外なく反対する。 死刑は生きる権利の侵害であり、究極的に残虐で非人道的かつ品位を傷つける刑罰である。 アムネスティは日本政府に対し、死刑廃止への第一歩として、袴田巖氏を含めた全ての死刑囚について、 公式に死刑の執行停止措置を導入するよう要請する。
アムネスティは、袴田氏の事件について、世界的な規模で支援の取り組みを続けている。

2012年4月16日
公益社団法人 アムネスティ・インターナショナル日本




ZDF制作「フクシマのうそ」

ドイツのテレビ局が制作したフクシマ原発事故のドキュメンタリーを 紹介します。ZDF「フクシマのうそ」いかにこれまで原発の事故が隠蔽されてきたか、 経済性優先が今回の大事故になったことを(地震、津波だけが原因ではない)あきらかにしています。 とても見ごたえがあります。ここから

アムネスティ・インターナショナル公式声明(抜粋)
アムネスティ発表国際ニュース 2012年3月27日
アムネスティ日本 info@amnesty.or.jp
http://www.amnesty.or.jp/


国際事務局:世界中で後退しつつある、死刑制度

昨年、死刑を執行したのは198ヵ国中わずか20ヵ国で、10年前と比べ3分の1以上 減少した。国連加盟国の90%の国々では死刑は行なわれておらず、いまや140ヵ 国で法律上あるいは事実上、死刑制度は廃止されている。
アムネスティがいかなる犯罪、犯罪者、執行方 法であっても、例外なく死刑に反対し、死刑廃止を求める世界規模の活動を始め た35年前、世界で死刑を廃止していた16カ国は少数派であった。しかし今日、形 勢は逆転し、死刑制度に固執する国々こそが例外となったのである。
2011年に死刑が行なわれなかった地域には、ヨーロッパ全域、ベラルーシを除く 旧ソ連、また米国を除く南北アメリカ大陸が含まれた。太平洋地域においては、 5件の死刑判決を言い渡したパプアニューギニア以外は、死刑の判決も執行もな かった。
この大きな変化は、人権活動家が勇気を持って抑圧に立ち向かい、政治家や意思 決定者が毅然と、政治的な、あるいは受けの良い流れに逆らい、そして弁護士、 ジャーナリストや学者が勇敢にも真実を明らかにしてきた、その証である。
彼らが証明したことは、生きる権利を侵害する死刑制度は間違っている、という だけでなく、いったん詳細な調査が行なわれると国家による殺人の正当性は破綻 する、ということである。
死刑は、凶悪な犯罪を抑止するのだろうか? この点に関する確かな証拠はな い。死刑制度を維持している国々と比べて、死刑制度を廃止した国々における殺 人発生率は、多くの場合低い。国家による殺人は、暴力の使用を容認することで あり、そういった殺人が暴力や報復の連鎖を煽る場合もある。
犯罪の被害者には、正義を享受する権利や、気持ちを整理する権利はないのだろ うか? 恐ろしい犯罪を経験した人びとには、当然正義を享受する権利がある。 しかし、正義は報復に端を発するものであってはならない。個人によるもので も、国家によるものでも、殺人は間違った行為なのである。
死刑によって、気持ちを整理できる人もいるかもしれない。しかし、これも明ら かではない。というのも、凶悪犯罪の被害者が、加害者を死刑に罰することに対 し、反対する場合もあるからだ。米国では、9.11に触発された犯罪が多発した が、その被害者の一人であるバングラデシュ移民、レイス・ブイヤンは自分を 撃った犯人の減刑を求めた。彼は、「私が信仰する宗教には、いつでも寛容は復 讐に勝るという教えがあるのです」と述べている。
また、言うまでもなく墓石の下から控訴することはできない。アメリカのイリノ イ州では、複数の誤った判決が下された後、2011年に死刑制度が廃止された。
それでも一部の国家は、死刑制度の維持に固執している。ここで、悪い知らせを 取り上げなくてはならない。昨年、孤立した少数グループの国々で、異常な水準 の死刑が執行された。斬首、絞首、致死薬の注射、銃殺などの方法で、2011年末 時点で、世界で少なくとも676人が死刑に処せられており、また少なくとも18750 人の死刑囚が存在している。
これらの数字には、世界最多の死刑が執行されている中国が執行しているとされ る数千件の死刑は含まれていない。アムネスティは、中国の死刑の執行数を公的 機関から入手していたが、実際の数字より大きく下回ると思われるため、今後は 公表しないこととした。「過去4年間で、中国における死刑の適用が大幅に減少 した」という中国政府の主張を確認するため、アムネスティは実際の執行数を公 表するよう要請しているが、中国政府はこれまでのところ、これに応じていない。
またイランにおいては、「非公式に多数の死刑が執行されている」という信頼で きる報告があるが、それもこれらの数には含まれていない。この報告されている 執行数を加えるとイランにおける死刑執行数は公式な数のほぼ2倍になる。
中国とイランに加えて、サウジアラビアとイラク、そして南北アメリカ地域で唯 一かつG8加盟国で唯一の国として、米国もまた進んで死刑を執行している。さら に北朝鮮、ソマリアそしてイエメンを加えたこれらの国家は、つねに毎年、最も 高い水準の死刑を執行している国家なのである。
またほとんどの国で死刑判決が下されたあるいは死刑が執行されたのは、不正 な裁判が行なわれた後であった、ということにも注目しなければならない。ベラ ルーシ、中国、イラン、イラク、北朝鮮、そしてサウジアラビアでは死刑の前 に、監禁や拷問までもが行われ自白を強要したケースもあった。歴史を通して頻 繁に行なわれてきたように、抑圧的な国家によって、面倒を起こす者や好ましく ない者を排除するために死刑制度が利用されたのである。
2011年は全体的に死刑 廃止に向かう傾向が着実に強まり、私たち全員を被害者にするこの残酷で取り返 しのつかない刑罰が、いや応なく過去の物となる方向に必然的に向かっているこ とは明らかなのである。
アムネスティ・インターナショナル 事務総長


アムネスティ・インターナショナル日本小川法相の死刑執行に抗議

2012年3月29日
アムネスティ日本 info@amnesty.or.jp
詳細はhttp://www.amnesty.or.jp/

アムネスティ日本支部声明:死刑執行に対し抗議する

アムネスティ・インターナショナル日本は、本日、東京拘置所の古澤友幸氏、広 島拘置所の上部康明氏そして福岡拘置所の松田康敏氏の3人の死刑確定者に対し て死刑が執行されたことについて抗議する。特に、死刑執行のなかった翌年に死 刑執行を行ったことは、死刑執行に固執する政府の意思表示ともいえるものであ り、強く抗議する。
小川法相は3月、死刑の在り方について議論をしてきた省内の勉強会を、意見は出尽 くしたとして打ち切った。「死刑制度の見直しについては大いに議論しなければ ならない」としながらも、勉強会に代わる議論の場を示すことがないまま、今回 の執行に踏み切ったのである。一方で人を処刑しながら、他方で死刑についての 議論を行うという行為は矛盾しており、執行を続けながらの検討では、死刑の正 当化を後押しするものになるとの危惧を抱かざるを得ない。

小川法相は、法にのっとった執行をなすべきことが法相の職責であると主張する。 しかし、法の内容が国際人権基準に反するものである場合には、その法を改正すべく努力することもま た、政府、法相および法務省に課せられた義務である。
政府および法相は政治的 リーダーシップを発揮し、死刑執行の停止を維持した上で、勉強会での成果を踏 まえて議論を国会等の場に移し、死刑制度について、より開かれた国民的議論を 喚起するよう速やかに努力すべきである。

日本政府は、国際人権諸条約の締約国として、死刑に頼らない刑事司法制度を構 築する国際的な義務を負っていることを再確認しなければならない。そして、日 本政府は、生きる権利をはじめとする人権保障の大原則に立ち戻り、死刑の執行 を停止し、死刑廃止に向けた国民的議論を速やかに開始すべきである。


イスラエル最高裁入植地の撤去命令をだす

イスラエル最高裁は25日、占領地ヨルダン川西岸地区中部に無許可で作られたユダヤ人 入植地施設ミグロンについて、今月末の撤去期限を2015年まで延期するよう求めていた イスラエル政府の申し立てを退け、8月1日までに撤去するよう命じました。
占領地での入植地建設は国際法違反であり、現在までしばしば違法性を国連で指摘されてきましたが イスラエルは無視し続け入植地を増やし続けています。
土地を取り上げられたパレスチナ人たちは 農地であれば生活の資源を奪われます。住居であれば難民キャンプまたは親戚等の家に居住しなければなりません。 イスラエル政府はこれまでも入植地撤去の延期を繰り返しています。

(共同の記事参照)


湘南グループが取り組んでいるパレスチナのジャイユス村でも2009年に最高裁より分離壁のルート変更の裁定が 出ていますがいまだにイスラエル当局は実施していません。(特集記事のパレスチナに詳細)


ZDF制作「フクシマのうそ」

ドイツのテレビ局が制作したフクシマ原発事故のドキュメンタリーを 紹介します。ZDF「フクシマのうそ」いかにこれまで原発の事故が隠蔽されてきたか、 経済性優先が今回の大事故になったことを(地震、津波だけが原因ではない)あきらかにしています。 とても見ごたえがあります。ここから


アムネスティ・インターナショナル公式声明
2012年3月15日
アムネスティ日本 info@amnesty.or.jp
http://www.amnesty.or.jp/
 日本:東日本大震災から1年、問われる国の情報開示と国民の人権

一国を巨大な災害が襲うとき、政府と国民の信頼関係が試される。一年前、日本 を襲った大地震と巨大津波という2つの自然災害は、この国にその問いを突き付 けている。

しかしながら、東日本大地震から一年を迎えた今、政府と国民との間には重大な 亀裂が生じている。政府と電力業界の異常なほどの緊密な関係により、業界に対 する規制は弱体化し、運用は生ぬるくなった。国の監督は不十分であり、非常時 のリスクを指摘した内部の者は窓際に追いやられた。実際に災難が降りかからな い限り、政府も東京電力も「原発は安全である」という神話を押し通してきた。 しかし、2011年3月11日、状況は一変した。

国や省庁と業界の癒着で損失を被るのは、国民である。日本の場合、福島第一原 発が立地する地域に暮らす住民に対し、国と原子力業界は、原子力発電は安全で あり、発電所はいかなる自然災害にも耐えられると太鼓判を押してきた。これは 真実の隠ぺいによく使う、情報操作である。

短期的にも長期的にも大事故を引き起こすリスクを抱える事業には、厳格な規制 が不可欠である。原発災害において、放射能拡散の対応に逡巡・遅滞があれば、 原発周辺に暮らす人びとを危険にさらし、彼らの生活を脅かすことになる。

福島第一発電所の場合、情報の開示不足は、地震以前の施設の安全性のみなら ず、事故後の原子炉の状況についても言える。
政府は当初、同原発の6基の原子炉のうち3基がメルトダウンを起こしていること を発表しなかった。また、住民に対する政府の避難命令は遅れた。学校周辺地域 の許容放射能レベルの発表には、一貫性がなかった。事態の重大さを推し量るこ とのできる専門家に、時宜を得た必要な情報を提供することを怠った。ようする に、政府の対応には、住民の安全と健康に対する優先意識がなかったのである。

「表現の自由」の根幹にあるものは、情報を得る権利である。政府は、国民が正 確で、時宜にかなった情報を得られるようにしなければならない。災害直後、被 災者がさまざまな試練を乗り越えていくには、正確な情報を迅速に得ることが必 要不可欠である。しかし、政府の判断と情報の開示が遅れ、住民の生活は脅かさ れている。

避難民に関する損害賠償の手続きが遅れ、避難している人びとの不満は募るばか りである。政府は、事故から11ヵ月後にあたる今年2月になって、ようやく帰宅 基準を発表した。東電には、大惨事となった事故を想定できなかったこと、十分 な危機対応ができなかったこと、さらに、原発事故の被害者らに迅速な補償措置 をしていないことについて、明らかに責任がある。

国民との信頼関係をどう再構築するのか。政府は、依然として問われている。と はいえ、現在、政府が取るべき行動は明白である。
まず、電力業界を含めた産業界の規制は、真に独立した、実行力のある機関が行 うべきである。第二に、予測されうる事故が発生した場合に、地域住民や環境へ 及ぼす影響の調査を、専門家からなる、独立した、中立的な委員会に諮問し、そ の結果を全面開示すべきだ。そして政府はこれらの調査研究に基づき、事態の悪 化の防止に向けた行動をとらなければならない。

第三に、政府は危機に際して、国から自治体に、自治体から住民へ迅速な情報伝 達が行えるよう、情報を共有できるシステムを構築する必要がある。最後に、政 府は政府内で活発な議論を行い、政府や企業に物申したい人びとを含め、市民が その意思を自由に表明できる社会を実現しなければならない。

アムネスティ・インターナショナル
事務総長 サリル・シェティ


 アムネスティ 2011フリーダムキャンペーン
人権活動家エステミロワさんの殺害に関してロシア当局に徹底的な捜査と犯人の、 処罰を要請してください。
袴田事件 今こそ再審の開始を
 〜アジアの不公正な裁判キャンペーン〜
署名サイトは http://www.amnesty.or.jp/

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の「強制収容所」の 閉鎖を求める署名をお願いします。
署名サイトは http://www.amnesty.or.jp/




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