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拡大する世界の武器取引
  
 武器貿易条約(ATT)が発効してほぼ5年が経過するが、世界の武器貿易はいまだに拡大傾向にある。 各国首脳がジュネーブに会し、ATTを議論するこの機会をとらえ、各国に対し、 取り組むべき課題がまだあることを再認識させる必要がある。
武器貿易条約は、アムネスティなどのNGOが連携した国際キャンペーン 「コントロール・アームズ」による20年以上にもわたる取り組みから議論が開始され、 2013年4月の国連総会で成立、2014年12月に発効した。
ATTは、武器や弾薬などが、ジェノサイド(集団殺害)、人道に対する罪、戦争犯罪に使用される、 あるいは助長することが明らかな場合に、国家間の武器移転を禁じる国際条約だ。 予測される武器輸出が、国際人権法や国際人道法の重大な違反を助長するリスクがどれだけあるのか、 その分析と評価が毎年、行われている。
しかし、主要締約国の多くは、武器取引規制を守ると言いながら、 重大な人権侵害に関わる国への武器売却を続けてきた。 以下に紹介する武器輸出入をめぐる数字や状況は、救いようのない事実を突きつける。 数字は、ストックホルム国際平和研究所、スモール・アームズ・サーベイ、 ウプサラ紛争データプログラムの各団体が収集したデータに基づく。
・世界の武器関連金額
 2017年の世界の武器貿易総額は、少なくとも950億ドル(約10兆円)。
軍需関連企業の上位100社で、3,982憶ドル(約42兆円)の売上を記録。
2018年の米国の軍事費は、世界全体の36%を占める。
・主要な通常兵器の輸出入
 米国は、武器輸出国として突出する。主な輸出先はサウジアラビアで、 2014年から2018年までの5年間では、総輸出量の22%を占める。
2003年以降、世界の輸出量は毎年着実に増加し、冷戦終結後、最高水準に達した。 2014年から5年間の武器輸出上位5カ国は、米国、ロシア、フランス、ドイツ、中国。 5カ国の総輸出量は、世界全体の75%を占める。
同期間の武器輸入国は、上位からサウジアラビア、インド、エジプト、 オーストラリア、アルジェリアである。5カ国の輸入総量は、世界全体の35%を占めた。
・輸出上位5カ国
 国別輸出先(調査期間は2014/2018年。括弧内の数字は総輸出量に占める割合)
米国:サウジアラビア(22%)、オーストラリア(7.7%)、アラブ首長国連邦(6.7%)
ロシア:インド(27%)、中国(14%)、アルジェリア(14%)
フランス:エジプト(28%)、インド(9.8%)、サウジアラビア(7.4%)
ドイツ:韓国(19%)、ギリシャ(10%)、イスラエル(8.3%)
中国:パキスタン(37%)、バングラデシュ(16%)、アルジェリア(11%)
・中東への武器移転(2014/2018年)
 その前の5年に比べ87%増加。
米国の総輸出の半分以上は中東向け。
英国は59%。その大部分は、サウジアラビアとオマーン向けの戦闘機。
・サウジアラビアとイエメン
 2014/2018年は、サウジアラビアが世界最大の輸入国で、米国と英国からの輸入が圧倒的だった。 サウジアラビアの武器輸入は、2013/2017年で225%拡大。
2014/2018年、サウジアラビアは、米国から戦車338両、オーストラリア、カナダ、フランス、 ジョージア、南アフリカ、トルコの6カ国から装甲車など4千両以上を輸入した。
・小型武器と軽兵器
 世界には10億丁を超える銃が出回り、その大部分を市民が所有する。 市民100人当たり、米国ではおよそ21丁を所持する。イエメンでは53丁、 モンテネグロとセルビアで39丁、カナダとウルグアイで35丁だ。
2017年、ベネズエラとエルサルバドルでは、銃による死亡率が世界で最も高かった。 今後50年以内に軍用ライフル、カービン銃、ピストル、軽・重機関銃の生産が、 世界で3,600万から4,600万丁に達するとみられる。
・人的損失
 この10年間の武力紛争での死者は、2,436,351人だった。昨年1年では、77,320人だった。 2017年、世界中で銃による犠牲者が急増し、およそ589,000人の死者を出した。 特に中南米とカリブ海の国々で顕著で、深刻な社会問題化した。

2019年8月23日 アムネスティ国際ニュース



アマゾンを襲う大規模火災 政府の責任
  
 アマゾンの熱帯雨林でこの数週間、大規模火災が発生していることが報じられた。 森林火災を止める責任がボルソナロ政権にあることは明白であり、同政権は、真正面から消火対策に取り組むべきである。 そして、今日のアマゾンの危機を引き起こした熱帯雨林の開発政策を変えなければならない。

年初、アムネスティは、今回特に火災が大規模なロンドニア州を含むアマゾンの先住民族の 居住地周辺で起こった伐採や侵入、放火などの違法行為の実態を調査し、報告した。 調査地域の森林破壊は、昨年の同時期に比べ2倍のスピードで進んでいる。
アマゾンから数千キロ離れたサンパウロの街でも、森林火災から立ち上る煙で空が覆われ、日中でも薄暗い。 森林破壊は、違法な森の侵入者により引き起こされている。 彼らは、木々を伐採し、火をつけて山火事を起こし、先住民族の村を襲撃する。

 事態の深刻化にも関わらず、ボルソナロ大統領は、熱帯雨林の保護規制を緩め、 100万人もの先住民族の権利を侵害している。また、火災の原因はNGOにあるなどとも非難している。 言語道断の嘘を拡散したり、森林火災の規模を矮小化するのではなく、 火災の拡大を止める行動を直ちに起こすべきである。
これは、先住民族の人びとが、安全で健康的な環境で生活する権利を守る上で、不可欠である。 さらに、大気汚染が地域・国境を越えることを考えると、ブラジルの全市民や 近隣諸国の人びとの健康の権利を守る義務がある。
そして、アマゾンを守るために何ができるのかを考える国々にとっては、 先住民族の人権保護に向け取り組むことが、さらなる森林破壊を防ぐ鍵となる。 私たちは、アマゾンの先住民族の人びとやリーダーたちのために、共に立ち上がらなければならない。 彼らにとって、アマゾンは「地球の肺」であるだけではない。生きる場所なのである。

2019年8月22日 アムネスティ国際ニュース



国際芸術祭『あいちトリエンナーレ2019』「表現の不自由展・その後」
  〜表現の自由と歴史的事実否定の公人発言に政府は措置を〜
 開催三日で中止に追い込まれた国際芸術祭『あいちトリエンナーレ2019』の企画展「表現の不自由展・その後」は、 いまだ再開の見通しがたっていない。アムネスティ・インターナショナル日本は、 公人による発言や匿名の脅迫者による圧力によって市民の表現の自由が侵害され続けていることに、 あらためて深刻な懸念を表明する。

 今回の企画展では、特に「平和の碑(平和の少女像)」が、攻撃の対象となっている。 この「平和の碑」は、日本軍性奴隷制(日本軍「慰安婦」制度)の被害を受けた少女たちをモチーフとし、 戦時性暴力の被害女性たちの歴史と人権をテーマに作成された芸術作品であり、 日本軍性奴隷制の国際法上の責任を問う象徴として世界各地に設置されているものである。

今回、政治的圧力をかけた複数の公人が、「平和の碑」について「日本人の心を踏みにじるもの」、 「我々の先祖がけだもの的に取り扱われるような展示物」などと発言している。 8月3日に企画展の中止が発表された後も、大阪府知事が「平和の碑」を含む展示内容について、 「反日プロパガンダ」であり愛知県知事は辞職相当だとの発言を行うなど、 公人による「平和の碑」を攻撃する発言が続いている。
こうした状況の中で、 芸術祭実行委員会には脅迫メールが770通も届いており、愛知県が警察に被害届を出したことが報じられた。 さらに、『あいちトリエンナーレ』芸術監督を招き18日に開催予定だった別のシンポジウムも中止に追い込まれた。
これらの公人の発言は、日本軍性奴隷制について、その歴史的事実のみならず、 人権侵害に対する国家責任や被害者の尊厳などをも否定する言動である。 これまでにも、こうした言動が公人によって繰り返されてきたため、 国際的な人権条約機関は、日本軍性奴隷制の被害者たちが再被害を受けているとの懸念を表明するとともに、 「被害者を侮辱し又は事件を否定するあらゆる試みの糾弾」を日本政府は行うべきであり、 そのために効果的な立法や行政上の措置を直ちにとるべきである、と日本政府に対して勧告している (自由権規約委員会の2014年日本政府報告書審査総括所見など)。

日本政府は、「平和の碑」の展示を攻撃する今回の公人の言動に対して、 これを是認することなく公式に反駁し、日本軍性奴隷制の被害者の尊厳を傷つける発言をくい止めるための 具体的な措置を取らねばならない。

 「表現の不自由展・その後」中止から2週間がたった。 企画展の実行委員会は展示再開を求め続けており、『あいちトリエンナーレ』の他の展示作品の作者からは、 企画展の出品作家に対する連帯と展示中止に対する抗議の意を表すとして、展示の一時中止等が相次いでいる。 企画展の再開を求める市民の署名活動も行われている。

 アムネスティ日本は、「表現の不自由展・その後」における表現の自由の侵害を助長した 複数の公人の言動にあらためて強く抗議するとともに、日本政府に対して、同展が再開できる環境を早期に 整えるために必要な具体的措置をただちに取ることで、表現の自由を保障する政府の責任を果たすよう強く求める。

                        以上
2019年8月21日 日本支部声明



国際芸術祭『あいちトリエンナーレ2019』の中止
    〜表現の自由の侵害〜
日本支部声明

 国際芸術祭『あいちトリエンナーレ2019』の企画として8月1日より開催されていた 「表現の不自由展・その後」が、数々の政治的な圧力や匿名の脅迫行為などの攻撃によって中止に追い込まれた。 アムネスティ・インターナショナル日本は、公人による発言や匿名の脅迫者による圧力によって 市民の表現の自由が侵害されたことに深刻な懸念を表明する。

 この企画展における展示に「慰安婦」問題や天皇制などを題材とした作品が含まれていることが明らかになると、 それらの展示を問題視する発言がインターネット上に現れた。
8月2日には、菅官房長官と柴山文科大臣が同展を問題視して、芸術祭に対する補助金支出の見直しに言及した。 河村たかし名古屋市長は同展を視察した上で、展示中止を求める「抗議文」を愛知県知事に提出した。 自民党の国会議員らも展示は政治的プロパガンダであるとの意見を表明した。
あいちトリエンナーレ実行委員会事務局には、メールや電話で多数の抗議が寄せられ、 中にはテロ予告や脅迫もあったとされる。
こうした状況下で、実行委員長の大村秀章知事と津田大介芸術監督は、8月3日に同展の中止を発表した。

 自由権規約(国際連合 市民的及び政治的権利に関する国際規約:日本は1979年に批准)第19条は、 締約国に対して、表現の自由の権利を保障すべき法的義務を課しており、 特に公人は、表現の自由を保障し尊重する法的義務を負っている。 しかし、官房長官、大臣、国会議員、市長らの今回の言動は、この法的義務に違反して 同展中止に政治的圧力をかけるものであり、同展企画者および出展者の表現の自由を侵害するものである。

 国連自由権規約委員会の一般的意見34(2011年)は、 「締約国は、表現の自由についての権利を行使する人々を封じることを目的とした 攻撃に対し有効な措置を講じなければならない」と述べており、 日本政府には、同展への攻撃に対して、関係者の安全を保障し、脅迫行為については捜査を行うなど、 表現の自由を守るための具体的かつ有効な措置を取る責任がある。
日本政府は、「表現の不自由展・その後」に向けられた脅迫や攻撃に対して、 同展関係者および『あいちトリエンナーレ』全体の安全を保障し、 表現の自由を守るために具体的な措置を講じるべきである。 「表現の不自由展・その後」が中止に追い込まれて以来、実行委員会メンバーや、 同展参加者を含む『あいちトリエンナーレ』参加アーティストらから、 同展の再開や安全の確保を求める声が上がっている。

 アムネスティ日本は、「表現の不自由展・その後」における表現の自由の侵害を 助長した複数の公人の言動に強く抗議するとともに、日本政府に対して、 同展が再開できる環境を早期に整えるために必要な具体的措置をただちに取り、 表現の自由を守るための有効な措置を取る責任を果たすよう強く求める。

                               以上
2019年8月8日 日本支部声明



ロマの人びとの居住権
 欧州社会権委員会は、イタリア政府に対してロマの人びとの居住権を 保護する措置を早急に取るよう要請した。
ロマの人びとは現代社会にいながら、長らく、社会から疎外され、 劣悪な生活環境に置かれ、日常的な差別を受けてきた。

 アムネスティは 今年3月、同委員会に対して、ロマの人びとが悲惨な居住環境に 置かれている問題について申し立てていた。 アムネスティは、委員会のこの対応を歓迎するとともに、イタリア政府には、委員会の要請を受け入れ、 ロマの人びとに対する家屋破壊や強制立ち退きの即時執行停止を強く求める。
保護措置を蔑ろにしたこれらの対応は、欧州社会憲章違反にあたる。 何よりも、ロマの人びとを強制的に排除し、適切な代替え家屋を提供しないのは、許されない。 委員会は、団体として初めてアムネスティの申し立てを受理したばかりか、 イタリア政府に対して、差別や暴力などの排除を求めるという思い切った対応を取ったのは、大変意義深い。

 強制退去が違法であるにもかかわらず、イタリアは、ロマを強制的に排除し続け、 ロマ社会全体をホームレスにしてしまった。 欧州社会権委員会の要請が、イタリアの恥ずべき慣行に終止符を打つことを期待したい。

2019年7月5日 アムネスティ国際ニュース



移民収容所空爆は戦争犯罪のおそれ
 首都トリポリ東部のタジュラにある入国管理収容施設が7月2日夜、空爆を受け、 少なくとも40人が死亡し、80人以上が負傷した。死者は、さらに増えるおそれがある。 国際刑事裁判所は、この事態を早急に調査するよう命じるべきだ。

施設には、難民や移民600人以上が収容されているが、出入り口は施錠されているため、 自力で脱出できない。このことは、紛争当事者たちに周知のことであり、 今回の攻撃は戦争犯罪にあたるおそれがある。
残忍な攻撃は、欧州とリビアによる冷淡な移民政策が生み出したものといえる。 両者が、欧州への難民・移民の流入を食い止めるために結託したことで、 数千人もの人びとが地中海からリビア国内の収容施設に送られてきた。

 首都トリポリの奪還を目指す反政府武装組織「リビア国民軍」と 国際的に承認されている国民合意政府との間で戦闘が続いてきたが、 今回の死者数は、これまでの戦闘による市民死者数の2倍にのぼる。 犠牲者のほとんどは、自国の紛争や迫害、貧困を逃れて欧州を目指したが、 紛争下にある施設に収容されてしまった難民や移民だ。 同様に危険な他の収容施設に入れられている人びとを、直ちに安全な場所に移動させるべきだ。

アムネスティが7月3日に接触した移民・難民の話では、最初に施設付近が空爆を受け、 その直後の攻撃で、男性収容棟が直撃を受けた。 撮影された写真には、爆弾でできたと思われる直径数メートルにわたり陥没した地面が写っていた。 空爆後、300人ほどが欧州を目指したが、地中海で追い返され、 リビアにもどり、タジュラで路上生活を送っている。

攻撃を加えたのはどちらの陣営なのか、今後の調査が待たれるが、複数のメディアによると、 リビア国民軍が最近、F16戦闘機を入手したという。F16並みの戦闘機であれば、 夜間の空爆も、この大きさの陥没ができる爆弾を落とすことも可能だ。 アムネスティはこれまで、紛争当事者たちに、移民・難民が戦闘に巻き込まないように、 彼らの安全な場所への移動を繰り返し要請してきた。

タジュラの収容施設の敷地内には、武器庫があり、 5月初旬、施設から100メートルほどのところにあった軍車両が空爆を受けた。 これを受け、アムネスティは当局に対して、施設内の移民・難民の命を危険にさらしていると警告していた。 国連難民高等弁務官事務所は、彼らを大至急移動するように求めた。
国際人道法は、紛争の全当事者に、民間人の被害を最小限にするため、 攻撃中止を含む最大限の対応を義務付けている。 たとえ攻撃目標が兵站施設であったとしても、近隣に住民が大勢いる場合は違法となる。 紛争当事者たちは、民間人から犠牲者を出さないために攻撃目標の変更を含む措置を取らなければならない。
アムネスティの調査で、収容施設にいる人びとの中には、 タジュラの軍事施設で強制的に働かされている人たちがいることがわかったが、これも国際法違反である。
 今回、難民・移民が攻撃を受け犠牲者を出した事態を受け、欧州連合(EU)は、 難民をリビアに委託する合意を停止すべきだ。 EUは今こそ、難民・移民が置かれている非人道的な状況に目を向け、 彼らの安全確保のために再定住地を提供すべきである。 また、彼らがリビア国外に逃れる安全なルートを即刻、確保するとともに、 地中海で救助された人びとをリビアに送ってはならない。

 アムネスティはこれまで、国連によるリビアへの武器禁輸措置が守られていないことが、 トリポリの紛争を激化させ、戦争犯罪など人権侵害を助長していると警告してきた。 その結果、リビア市民10万人以上が、国外に脱出している。

2019年7月3日 アムネスティ国際ニュース



イスラエル入植地の観光案内掲載
 ネット上で民泊情報を提供するエアビーアンドビー社は4月9日、ヨルダン川西岸地区の イスラエル入植地にある宿泊施設の掲載をめぐり、一旦は削除するとした方針を転換し、 掲載を続行すると発表した。

 過去50年以上にわたるイスラエルによる入植で、数千ものパレスチナ人が自宅を追われ、 生計手段や資源を奪われてきた。この入植は、ジュネーブ諸条約違反であり、 国際刑事裁判所ローマ規定が定める戦争犯罪に当たる。
アムネスティをはじめとする人権団体は、入植地の宿泊施設の掲載は、 人権侵害に加担していることだと繰り返し指摘してきた。
 同社は昨年11月、入植地の宿泊施設の掲載を削除するとしたが、 この決定を不当とする集団訴訟がイスラエルで起こされ、掲載削除の方針を撤回した。 人権擁護で業界の先鞭をつける機会を放棄する一方で、宿泊施設の掲載で得た収益を 慈善団体に寄付すると発表した。罪滅ぼしのつもりだろうが、 掲載による観光客の呼び込みが人権侵害への加担であり、 入植地の経済を後押しするという事実は、なんら変わらない。
国際人道法、国際人権法を尊重すべき企業による責任放棄は、恥ずかしい限りであり、 人権尊重を標榜するという同社の言葉が、空しい。
この方針転換は、企業には人権を尊重する上で大きな決断は期待できないということである。 各国は、法的措置で企業にその義務を果たさせるしかない。

2019年4月10日 アムネスティ国際ニュース



ブルネイの残虐な刑罰
 同性間の性行為には石打ちの死刑、強盗には手足切断などという極めて残虐な刑罰が、 ブルネイで4月3日から施行される。
石打ちと手足の切断は、とりわけ残虐で非人道的、品位をおとしめる刑罰だが、 新条項には、他にも凄まじい刑罰がいくつも盛り込まれている。
同国は、直ちにこれらの刑罰の導入計画を反故にし、国際人権法に沿った内容に改めるべきである。 また国際社会は、ブルネイに対してこの改正法の実施を強く非難しなければならない。

新たな刑罰はシャリア刑法で未施行だった条項で規定されており、 検事総長のウェブサイトによれば4月から適用されることになっている。 新たな刑罰の対象となる行為には、同意のもとでの成人同性間の性行為などのように、 そもそも罪にはならない行為も含まれている。
同国の刑法には、人権侵害にあたる多数の規定が含まれており、重大な問題をはらむ。 表現、宗教、信条の自由の権利のあからさまな制限や女性差別も看過できない。

背景情報

 ブルネイは、拷問等禁止条約(拷問および他の残虐な、非人道的なまたは品位を傷つける取り扱いまたは刑罰を禁止する条約)に 署名はしたが、批准はしていない。また、2014年の同条約機関による審査での勧告を、ことごとく退けている。
国際人権法は、石打ち、四肢切断、むち打ちなどすべての身体刑は、 拷問および他の残虐な、非人道的なまたは品位を傷つける刑罰にあたるとして、いかなる状況でも禁止している。 さらに、この禁止は、慣習国際法の基本原則として捉えられているため、当該の条約の批准国か否かを問わず、 すべての国が、この禁止規定に拘束される。国際法の下では、いかなる拷問も犯罪である。
ブルネイは、死刑を存置するが事実上、廃止している。最後の死刑判決は2017年に下され、罪は薬物犯罪だった。

2019年3月27日 アムネスティ国際ニュース



イスラエルの占領地への入植は戦争犯罪
  〜占領地は観光地じゃない!〜
 イスラエルが占領するパレスチナへのイスラエル人の入植は、国際人道法に違反し、戦争犯罪にあたる。 入植地はパレスチナ人から奪った土地であり、入植者によるパレスチナ人への度重なる攻撃も報告されている。

違法な入植地で利益を得ているのが、旅行サイトだ。大手旅行サイト4社、エアビーアンドビー(米国)、 Booking.com(オランダ)、エクスペディア(米国)、トリップアドバイザー(米国)は、 入植地にあるホテルや観光スポットを紹介し、観光客を送り込み、パレスチナ人に対する人権侵害を 助長する結果となっている。

アムネスティは、4社による入植地の施設案内やイスラエルの人権侵害について、 現地での聞き取りを含む調査を実施し、報告書にまとめた。
アムネスティの調査員は昨年2月から10月にかけて、ヨルダン西岸の被占領パレスチナ地区にある 4つのパレスチナの村と東エルサレムのシルワン地区、ヘブロンのパレスチナ人居住区に入った。 いずれの取材地も、その近くにはイスラエル入植者が運営する観光名所がある。

入植地での事業を宣伝

 アムネスティの調べでは、入植地の宿泊施設や観光スポットの各社掲載件数は、エアビーアンドビー300件以上、 トリップアドバイザー70件以上、Booking.com 45件、エクスペディア9件だった(いずれも調査時点)。 それぞれが、ホテルや観光地をつぶさに紹介するが、その観光地がイスラエルによる入植地にあることを 説明する文言は載せていない。
近年、イスラエルは、観光産業の育成に多額の資金を投じてきた。 観光客を呼び込むことで、パレスチナの土地への入植を既成事実化し、正当化している。 また、ユダヤ人と地域との歴史的つながりをアピールするために、 あえて遺跡近くにイスラエル人を入植させてきた。 さらに入植者には、パレスチナの土地や資源を活用するよう働きかけた。
そして、旅行サイトは、入植地周辺の自然保護区や遊歩道、砂漠のサファリにウェブサイト訪問者をいざなう。 その結果、入植地の観光客は、非日常体験を楽しむ一方で、 地元のパレスチナ人は、日常的に人権侵害に直面するという、異様な事態が現れている。

人権侵害からの利益

 エルサレムの北40キロほどにあるシロに近い2つのパレスチナの村は、 1990年代後半以降で5,500ヘクタール(55平方キロメートル)を超える土地を失った。 多くのパレスチナ人が村を去り、わずかに残った人たちは、入植者からしばしば攻撃を受けている。 4社とも、シロの観光施設を掲載するが、同地が入植地であることを説明するのは、Booking.comだけだ。

ベドウィンも観光開発で住み慣れた土地を追われ、生活の糧を失っている。 その地域に近い砂漠での体験は旅行サイトで「砂漠の静けさと心温まるイスラエルのおもてなし」などと紹介され、 1泊235米ドル(約26,000円)で販売されている。 古代遺跡で知られるスシャでも入植が進み、多くの村人が土地を奪われてきた。 遺跡は、周辺のオリーブ畑、ワイナリー、ブドウ畑などとともに エアビーアンドビーとトリップアドバイザーで写真付きで紹介されている。

イスラエルは、パレスチナ人の土地を観光地に仕立て、拡大のためにさらに土地を奪っているが、 その恩恵にあずかるのは、入植者と彼らと事業を行っている旅行サイト企業だけだ。
4社は、イスラエルの人権侵害を直視し、違法な入植地にあるホテルや観光地の紹介を 自社サイトから削除すべきである。「共有と相互信頼」をうたい文句にする4社が、人権侵害の片棒を担いではならない。
国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、企業には、国際人道法および人権法を尊重する責任がある。 4社は、被占領パレスチナ地域のホテルや観光地の案内をすべて削除しない限り、 国際法に違反し自社の企業理念にも反する事態が続く。

 アムネスティは、調査報告書を公表するにあたり、4社には事前に調査結果を伝え、意見を求めた。 Booking.comとエクスペディアからは回答があったが、他の2社からは無回答だった。 届いた回答は、報告書の巻末に掲載している。

入植地生産物の輸入規制を

 入植地が利益を生む構図は、観光業だけではない。 入植地で生産された農産物や製品が海外に輸出され、数百億円もの収益を生んでいる。 アムネスティは、これらの生産物についても、各国政府と関係企業に対し、取り扱い禁止を求めている。

2019年1月30日 アムネスティ国際ニュース



イスラエル軍の行為は戦争犯罪
 
  国連調査委員会は1月28日、昨年のガザでの抗議行動で、パレスチナ市民を銃撃するなどの イスラエル軍の行為は、戦争犯罪にあたる可能性があるとする報告書を発表した。 この調査報告は、アムネスティの見方と一致する。
イスラエルの建国により土地を追われたパレスチナ難民数百万人の帰還する権利を求める、 昨年の「帰還大行進」のデモでは、イスラエル軍が多数の市民を殺害したが、 アムネスティはこの殺害を戦争犯罪にあたるとみていた。

報告書は、イスラエル軍が、パレスチナの子どもや医療従事者、ジャーナリスト、障がい者と 認識しながら発砲したと指摘し、国際人道法をないがしろにした残酷で無慈悲な行動であるとしている。
ガザでは、6,000を超える人びとが銃撃で負傷し、すでに疲弊したその医療体制は、 さらに大きな負担を強いられた。負傷者の多くが、治療のためにガザの外に出ることを認められなかった。

国連は勧告に従い、国内の司法機関や国際刑事裁判所などの国際的な司法機関へ渡すことを念頭に、 戦争犯罪の加害者に関わる情報を収集しなければならない。 加害者が、罰せられないままであってはならない。
国連の報告を機に、被占領パレスチナ地域でのイスラエル軍による戦争犯罪の犠牲者に 正義の道を切り開き、犯罪と不処罰の長きにわたる連鎖を断ち切らなければならない。

2019年2月28日 アムネスティ国際ニュース



同意のない性行為は強かんではないのか?
 
 欧州各国では、同意のない性行為は強かんではないとする旧態依然とした法律が、いまだまかり通っている。 その結果、加害者の罪は問われず、逆に被害者が非難されるという風潮が続いている。

 11月24日の女性に対する暴力撤廃の国際デーを前に、アムネスティは、31カ国の強かん関連の法律を調査した。 その結果、31カ国のうち8カ国のみが、同意がない性行為を強かんとして処罰の対象としているが、 大多数の国は、身体的暴力や脅しなどにもとづく場合のみを強かんと定めている。
#MeToo(SNSで「私も」と呼びかける運動)に触発される形で、多数の女性が、 封印していた自分たちの体験を話すようになった。表沙汰になっていない強かんがいかに多いかを物語る。 意を決して刑事告発しても、時代錯誤の法律の壁にぶつかり、 対応した警察官や検察官らにまともに相手にされずに愕然とする。泣き寝入りするしかないのである。
 
 法律とは、本来、正義を果たし、人びとの行動を変える力を持つ。しかし、各種調査によると、 酔っ払って服装が露わだったり、抵抗がなければ、その相手との性行為は、 強かんではないとする回答者が、相変わらず多い。 相手の同意がない性行為は、れっきとした「強かん」である。 各国が、この単純な事実に向き合った法整備をするまで、強かんの加害者は、世にはびこり続けることになる。
欧州の人権機関の調査では、欧州の女性20人に1人、約900万人が強かんされた体験を持つ。 一方で、アムネスティが欧州31カ国を対象に実施した調査では、 同意のない性行為を強かんと定義する国は、アイルランド、英国、ベルギー、キプロス、 ドイツ、アイスランド、ルクセンブルグ、スウェーデンの8カ国に過ぎない。 他の23カ国は、暴力や脅しなどの強要がなければ、強かんとみなさない。 23カ国の中には、同意なき性行為を強かんと区別してより軽い罪とする国もあり、 暴力が伴うのが強かんだという、間違った認識を助長している。

 法改正は、強かん犯罪に対処する上で不可欠な第一歩だ。しかし、強かんを無くすには、それだけでは不十分だ。 多くの被害者は、社会の偏見や非難にさらされる。その非難の言葉はしばしば、 被害者に手を差し伸べるべき警察や検察官から浴びせられる。

変化の波

 強かんの加害者がはびこり、泣き寝入りするしかなかった社会に変化が起きている。、 欧州全域で性暴力に勇気をもって立ち上がる人たちがいるのだ。 この1年間、欧州各地で女性たちが集い、注目を集めた強かん事件に怒りの声を上げ、 国に対策の強化を訴えてきた。
4月にはスペインで、集団強かん犯5人が有罪になったものの、 より罪の軽い性的虐待だったことに抗議の声が噴出した。
アイルランドでは、17才の女性から強かんを訴えられた加害者の弁護人が、 女性に落ち度があったとして被害女性の下着を陪審員に示した。 これを知った女性たちが、自分の下着姿を#ThisIsNotConsent(これは同意ではない)で投稿した。
強かんは、重大な人権侵害であり、重い犯罪である。 欧州各国は、法を改正し、被害者への批判や当局の女性軽視に、断固立ち向かうべきである。 さもなければ、被害女性が後ろめたい思いをせず、加害者は必ず処罰されると信じられる社会は実現しない。

2018年11月24日 アムネスティ国際ニュース


アウンサンスーチー氏への『良心の大使賞』を取り下げる
  〜人権を擁護する象徴的存在からの離脱〜
 アムネスティ事務総長クミ・ナイドゥは11月11日アウンサンスーチー氏に書簡を送る。
事務総長は書簡の中で、就任して2年半、国軍による虐殺や表現の自由の制限に対して同氏が無関心を装い、 ミャンマーの人権・正義・平等の擁護にその政治的、道徳的権威を行使しなかったことに遺憾の意を表した。

 「アムネスティが、『良心の大使』として貴殿に期待したことは、いかなる不正義に対しても 道徳的権威をふるって声を上げ続けることでした。ところが昨今の貴殿は、 希望と勇気と人権を擁護する象徴的存在では、もはやなくなりました。これは、痛恨の極みです。 よって、アムネスティは、貴殿を良心の大使賞に足る人物と認めることができなくなったと判断し、 誠に遺憾ながら、授与した賞を撤回せていただく次第です」

終わりなき人権侵害

 2016年4月に文民政権の事実上の最高指導者となって以来、アウンサンスーチー氏は、 不作為によりさまざまな人権侵害に加担し、その拡大を助長してきた。 昨年8月下旬から始まった国軍主導のロヒンギャ掃討作戦では、治安部隊が、殺戮、強かん、拷問、 家屋の焼き討ちなど残虐の限りを尽くした。数千人が死亡し、72万人以上が隣国バングラデシュに逃れた。

アムネスティは、アウンサンスーチー氏が、この残虐行為に向き合わないことを繰り返し非難した。 国連も、大量虐殺の捜査と軍幹部の告発を求めた。 文民政権は軍を統制する力を持たないとはえ、アウンサンスーチー氏率いる政府は、 人権侵害の申し立てをはねつけ、国際調査団の受け入れも拒否するなど、軍を責任追及からかばってきた。 それどころか、ロヒンギャへの敵意を積極的に煽り、彼らをテロリスト呼ばわりし、 放火は自作自演で、強かんはでっちあげだと決めつけた。
そんなこともあり、政府系メディアは、ロヒンギャを暗にほのめかしながら 「忌まわしい人間のクズやトゲは、排除せよ」などという記事を書きたて、ロヒンギャへの憎悪を煽った。

 「アウンサンスーチー氏がロヒンギャの人びとのために何もしてこなかったことが、 同氏の『良心の大使賞』を取り下げる理由の一つだ。 政府が、重大で広範囲な残虐行為があったことを認めない限り、 ロヒンギャの人びとの保護を国に期待することはできず、 ロヒンギャの人権状況が改善される目処が立たない」と事務総長は言う。 さらに問題がある。政権が、掃討作戦で国内で避難生活を送る10万人以上の人びとに 人道支援を認めないため、彼らの状況は悪化するばかりだ。

言論の自由を弾圧

 国軍が強大な権力を維持しているとはいえ、文民政権は、人権状況、とりわけ表現の自由や集会の自由など、 改革に取り組める分野もある。しかしこの2年、政権は、人権擁護活動家や国の政策に批判的な記者を投獄したり、 嫌がらせをしたりしてきた。 活動家や記者の弾圧で使われる法律は、民主化運動を推進していたアウンサンスーチー氏自身が当時、 逮捕された時にも適用されたものだが、その種の法律を廃止することもなかった。 それどころか、アウンサンスーチー氏は、軍の虐殺を報じたロイター記者を告発する際、 同様の法律の適用を積極的に支持した。

 アムネスティは2009年、長年、非暴力民主化運動と人権擁護に取り組んできたアウンサンスーチー氏を讃え、 団体の最高の賞である「良心の大使賞」を授与した。その当時、同氏は自宅軟禁中だった。 11月12日は、その軟禁が解かれて丸8年にあたる。 2013年になってようやく賞を受け取れたアウンサンスーチー氏は、 アムネスティに対して「我が国を常に注視し、希望が歴史を彩る国になるよう支援をしてほしい」と要請していた。
アムネスティは、この要請を真摯に受け止め、取り組んできた。今後も同国の人権侵害から目をそらすことはない。 同氏がどうであれ、アムネスティは、ミャンマーの正義と人権のために闘い続ける。

2018年11月12日 アムネスティ国際ニュース



世界死刑廃止デー
今年もまた世界死刑廃止デー(10月10日)を迎えた。
死刑囚は、国際人権法と国際人権基準に沿って、人道と尊厳をもった扱いを受けなければならない。 罪の軽重を問わず、何人も非人道的な扱いは許されない。
しかし現実には、死刑を存置する国の多くで、死刑囚は独房に隔離され、長年の隔離で深刻な疾患を 抱えても満足な治療がままならず、いつ執行されるかもしれないという恐怖の中に置かれている。 このあまりにも過酷な環境に置かないためにも、死刑存置国は、死刑そのものを廃止するべきである。

アムネスティは、長年、死刑囚をめぐる残忍な人権状況を明らかにし、死刑の廃止を訴える活動を続けてきた。 ここでは特に、ベラルーシ、ガーナ、イラン、日本、マレーシアの状況を取り上げる。 これらの国では、非人道的な状況が常態化している。
ベラルーシの死刑執行をめぐる閉鎖性は際立っており、執行情報は一切公開されず、 死刑囚や家族も執行の事前通告を受けない。
ガーナでは、死刑囚はしばしば、長期間、病気の治療を受けることができない。
イランのモハマド・レザ・ハダディさんは、15才で死刑を宣告されてから14年間、 少なくとも6回、執行日を告げられては延期されてきた。精神的拷問ともいえる取り扱いだ。
日本では、松本健次さんが、長期にわたる拘禁による影響で妄想性障がいを患っている。
マレーシアのフー・ユー・ワーさんは、2014年に恩赦の嘆願を提出したが、これまで何の回答も受けていない。

アムネスティの調べでは、昨年の死刑執行は、23カ国で993件あった。 前年2016年の1,032件から4%減、2015年39%減少した。(2015年は1989年以降で最多を記録。) これらの数値には、死刑に関する情報が国家機密扱いである中国の数千件ともいわれる数値は含まれない。 その中国を除けば、ほとんどの死刑執行は、イラン、サウジアラビア、イラク、パキスタンに集中していた。

アムネスティは、犯罪の種類や状況、犯罪の有無、個人の特質、死刑執行方法などを問わず、 例外なく死刑に反対する。死刑は、世界人権宣言にうたわれている生きる権利の侵害である。 非人道的で品位を傷つける最も残虐な刑罰である。

2018年10月10日 アムネスティ国際ニュース


ウイグル族など対する弾圧をやめろ
中国は、新疆ウイグル自治区のウイグル族など少数派に対する弾圧をやめ、 推定100万人にのぼる人たちの拘束を解くべきである。
同自治区ではこの1年間、多くがイスラム教徒のウイグル族やカザフ族の住民多数が 「再教育施設」に収容され、教化、同化などを受けてきた。 残された家族は、突然連行された夫あるいは妻や子どもが どこでどういう扱いを受けているのか、知る由もない。 どこかに訴えたくとも、報復を恐れてそれもできない。家族の苦悩は、増すばかりだ。
国際社会は、この事態を静観せず、中国政府に対し、説明責任を果たすように迫るべきである。 アムネスティは、新疆自治区在住の家族や知人が行方不明になったという100人あまりの国外在留者、 さらに再教育施設で過酷な扱いを受けたという元被収容者たちに、聞き取りをした。

大規模な拘束
新疆ウイグル自治区での弾圧が強化されたのは、昨年3月、同自治区に「反過激主義規則」 なるものが適用されたことが契機だった。宗教的あるいは文化的な表現が公私の場を問わずに 「過激主義」と見なされ、「普通でない」あごひげを生やす、ベールやヘッドスカーフを着用する、 イスラム教やウイグルに関する本や記事の所持、定期的な祈り、断食、禁酒などが、摘発の対象となっている。
海外、特にイスラム系の国での勉学、仕事、あるいは国外の人たちとの接触は、疑いの目を向けられ、 老若男女問わず誰もが拘束対象となる。
顔認証ソフトやメールや通話の検閲など、監視の目はいたるところに張り巡らされ、 プライバシー保護の技術を使ったメッセージアプリを使うだけでも、拘束理由になる。
中国当局は、被拘束者を留め置く施設を「教育による転向」のための施設と呼ぶ。 罪を問われ裁判にかけられるわけではないため、弁護士はつかず、異議申し立てもできない。 転向に抵抗すれば、罵声を浴びせられたり、暴行されたり、食事を与えらなかったり、 個室に閉じ込められたりするという。いつ「転向」できたかの判断が当局次第のため、 被収容者には、先が見えない日々が何カ月も続く。
中国当局は、テロ対策や治安確保のため非常手段もやむなしとするが、 その手段は、特定の脅威を念頭に、極力、対象者を絞った限定的なものでなければならない。 ところが、収容施設は、洗脳、拷問、処罰の場と化している。

引き裂かれる家族
新疆ウイグル自治区の家族の誰かが連行されると、国外在留者は、当初は事態の悪化を怖れて口外することをためらう。 しかし、改善が一向に見えないため、進んで口を開くようになっている。
ある男性は、隣国カザフスタンに短期間滞在後、帰国した昨年10月、二重国籍を保持したなどとして拘束され、 5カ月近く施設に入れられた。 拘束当初、目隠しをされ、体を器具で固定され、半日以上も身動きできなかった。 6,000人ほどもいた被収容者全員で、中国共産党の歌や習近平氏賞賛の言葉を唱和させられた。 私語は許されず、孤独と虐待の日々で、自殺への思いもよぎったという。

当局は国外在留者が、過激な宗教思想やテロ活動に関係するとみられる 国外の組織とつながっていると批判する。 そのため、新疆ウイグル自治区にいる家族は、余計な疑いを持たれないように 国外にいる家族や親戚、友人などとの 連絡をすべて断ち切っているという。電話はもちろん、SNSも使わない。 その結果、連絡が絶たれた国外の人たちの不安は、尋常ではない。 また、両親が施設送りになると、残された子どもは、経済的にも追い詰められる。 そのため、子どもが大きければ、国営の職業訓練所に入れられ、 小さければ、昨年建設された福祉施設に収容される。

スパイ行為を迫られる
国外在住者をさらに追い詰めるのが、治安当局から働きかけられるスパイ行為だ。 色よい返事をすれば、故郷の家族には寛大な措置が保証されるが、拒否でもしようものなら、 「故郷の家族を拘束するぞ」と脅される。
さらにスパイの存在は、国外在留社会全体に猜疑心を広めることになり、 孤立感や恐怖心に拍車をかける。 このように、中国当局は、国を挙げての弾圧により、 新疆ウイグル自治区の住民数百万を深刻な状況に追い込んでいる。 当局は、収容施設の実態を明らかにし、収容されている人たちを家族の元に、速やかに送り返すべきである。

2018年9月24日 アムネスティ国際ニュース


処刑は正義の実現にはなりえない
 今朝、オウム真理教元代表を含む元幹部7人の死刑が執行されたが、処刑は正義の実現にはなりえない。
オウム真理教は、1995年の地下鉄サリン事件のほか松本サリン事件、坂本弁護士一家殺害事件などの 凶悪事件を引き起こし、元幹部ら13人が死刑判決を受けた。一連のオウム事件の死刑確定者に対して、 今回が初の死刑執行となった。地下鉄サリン事件では神経ガスにさらされて13人が死亡、 数千人が被害に苦しんでいる。

1日に7人の大量処刑は、近年類を見ない。彼らの犯行は卑劣で、罪を償うのは当然である。 しかし、処刑されたところで、決して償いにはならない。 正義の実現には、真相究明が欠かせない。また、すべての人の人権を尊重してこその正義である。 人権を否定し、真相究明の機会を奪う死刑は、正義とは程遠い。 今朝、処刑されたのは、松本智津夫さん、中川智正さん、新実智光さん、早川紀代秀さん、 井上嘉浩さん、遠藤誠一さん、土谷正実さんの7人。執行は、全国の拘置所で行われた。 数人が、再審請求をしているものとみられる。

各国の人権状況を審査する国連の普遍的定期審査で、日本は死刑制度の改革を迫られてきたが、 この3月、またもや勧告受け入れを拒否した。 日本政府は「世論が望む」から死刑執行は避けられない、と繰り返し主張してきた。 しかし、本来、国がすべきことは、一歩踏み出して、人権尊重を主導することである。 アムネスティは、犯罪の性格や犯罪者の特質、処刑方法にかかわらず、いかなる死刑にも反対する。 過去40年以上にわたり、終始一貫して死刑の廃止に取り組んでいる。

2018年7月6日 アムネスティ国際ニュース


日本政府は「慰安婦」女性への誠実な対応を
アムネスティ・インターナショナル日本は安倍晋三内閣総理大臣へ3月8日付きで公開書簡送りました。

 日本政府に対し、旧日本軍性奴隷制の被害者であり、正義を求める女性たちに誠実に対応するよう、 あらためて要請します。

 日本政府は軍の性奴隷に関する賠償責任について、1951年サンフランシスコ条約及びその後の 二国間平和条約や協定によっての解決済みだと主張しています。しかしアムネスティ・インターナショナルは、 これらの条約や協定には性奴隷が含まれておらず、また個人が賠償を求める権利を排除していないことから、 日本政府の立場を支持することはできないと考えます。

 アムネスティ・インターナショナルは、日本政府の高官や公人が1932年から第二次世界大戦終戦までの 旧日本軍による性奴隷制度の存在を否定する、あるいは同制度を許容範囲であるかのように 正当化する言動続けていることに抗議します。

 「慰安婦」に対する組織的な戦争犯罪を葬ろうとする相も変らぬ姿勢が、被害者の屈辱と苦悩を 長引かせ、彼女たちの尊厳の回復の妨げとなっています。性奴隷制が国際法上の犯罪であることを 認め、後世にむけて歴史的事実として記録していくことは、将来決して同じ過ちを 繰り返さないため、そして紛争下における性的暴力犯罪を不処罰ににしないための重要な一歩となります。

・国籍に関わらず、生存する被害者、故被害者、その家族を含め、日本軍性奴隷制の直接的な結果として 被害を被ったあらゆる個人への十分かつ中身のある賠償を提供すること。
・金銭賠償に加え、尊厳回復、社会復帰、無条件の謝罪、再発防止など、被害者が求める物心両面での 賠償を提供すること。
・賠償請求や裁判所への申し立てなどの権利を損なう施策は、すべて排除すること。
・韓国政府その他の被害国の政府と協力し、これらの賠償措置を実施する実効性ある制度を設置すること。
・歴史や公文書、日本の教育制度で使用される教科書に旧日本軍による性奴隷制度の正確な記載を行い、 再発防止に努めること。
・軍性奴隷制度の事実を否定または正当化しようとする政府関係者および公人の発言に反駁すること。
(以上抜粋)


ロヒンギャに対する民族浄化
ミャンマーは、依然としてロヒンギャに対する民族浄化を続けている。 食糧補給の道を断つ「強制的飢餓」もその一つだ。国連が発表した この卑劣な民族浄化作戦は、アムネスティがロヒンギャの人びとへの聞き取りで 確認した事実とも一致し、疑いようもない事実である。

ロヒンギャの難民たちは口々に、真綿で首を締めるような兵糧攻めで、 住み慣れた土地から追い出されている様子をアムネスティに語った。
この状況では、バングラデシュのロヒンギャ難民の本国送還は、はなはだ時期尚早だ。 安全が確保され、安心して自主的に帰国できるようになるまで待つべきだ。 ミャンマー当局は、武力であろうと強制的飢餓であろうと、 ロヒンギャの人びとを追い出すいかなる作戦も停止すべきである。
また、国際社会は今こそ、武器の禁輸や特定の制裁など実効性ある対応を取らなければならない。

2018年3月13日 アムネスティ国際ニュース


袴田巖さんの再審の早期実現を求める
アムネスティ・インターナショナル日本は2月8日、東京高等検察庁検事長に 袴田巖さんの再審の早期実現を求める要請の公開書簡を提出しました。


                  *
                         2018年2月8日

東京高等検察庁 稲田伸夫検事長殿
               (公社)アムネスティ・インターナショナル日本
                       理事長 庄司 香


      袴田巖さんの再審の早期実現を求める要請書

 アムネスティ・インターナショナル日本は、東京高等検察庁に対し、 袴田事件の再審実現に協力し、袴田巌さんと彼の家族の長期にわたる苦痛を 一刻も早く終わらせるよう強く求めます。

DNA鑑定や提出された新たな証拠にも基づき、今こそ司法の正義を実現すべきです。 袴田巖さんは、逮捕時から数えて実に47年以上も拘禁され、現在81歳の高齢です。 独居房の中で来る日も処刑の恐怖にさらされてきた心理的苦痛は、想像に余るものです。 また、長期間の身体拘束による心身への影響は釈放後の言動からも明らかであり、 これ以上再審の開始を先延ばしにしてはなりません。

本事件は、取調べでの不公正な手続きや、証拠の妥当性などが問題となってきました。 加えて、即時抗告審では新たに取調べ録音テープも開示されました。 検察庁はこれらの客観的な事実にもとづき、再審開始を受け入れた上で、 再審の実質的な審理の中でその主張を立証すべきです。
また日本政府は、静岡地裁が指摘した証拠のねつ造や違法捜査の疑いを重く受け止め、 国連の勧告に沿った司法制度の改革をすすめなければなりません。 そのための第一歩として、事実の検証を求めます。

アムネスティは、2008年に袴田巖さんを「危機にある個人」と認定し、 公正な裁判を受ける権利の保障などを求めて支援を続けきました。 袴田さんの再審実現を求める声は、広く国内外から届いています。 私たちはあらためて、再審の早期実現に協力することを強く求めます。

以上


パレスチナの少女へ不当な刑罰の恐れ
 12月、被占領ヨルダン川西岸地区でイスラエル軍兵士との諍いで暴力をふるい、 逮捕・勾留された16才のパレスチナ人活動家が、最大10年の実刑を受ける可能性がある。 弁護士によると、彼女は長時間、時には深夜におよぶ過酷な尋問を何回か受けたという。 イスラエル当局は、直ちに彼女を釈放すべきである。

被占領ヨルダン川西岸地区のナビ・サレ村に住むアヘド・タミーミさんは、 12月15日、自宅入口にいた兵士2人に、突き、平手打ち、蹴りなどを加えた。 その様子を撮った動画がフェイスブックで拡散された。 動画を見る限り、兵士2人が、アヘドさんが繰り出した手や足を払いのけるのは、容易だった。 一方、動画を見た多くのイスラエル人が激怒し、ナフタリ・ベネット教育相は軍のラジオ放送で、 「死ぬまで監獄暮らしだ」と言い放った。

4日後、タミーミさんは、米トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と 認めことに対する抗議デモに参加し、逮捕された。 その日、従弟のムハンマド・タミーミさん(15才)が、 兵士により至近距離から放たれたゴム弾を頭部に受け、重傷を負うという事件があった。

1月1日、タミーミさんは12件の容疑で起訴された。兵士に対する「悪質な暴行」や公務執行妨害のほか、 ソーシャルメディアでの煽動、過去の兵士とのトラブル5件に関わる容疑などである。
イスラエル当局の激しい抑圧を前に果敢に抵抗した少女に長期の刑を下すならば、受け入れがたい司法の茶番である。 そもそも裁判を行う軍事法廷は、公平な裁判基準の基本を満たしていない。
毎年、未成年者対象の軍事法廷でパレスチナの子どもたち数百人が起訴され、 地元の人権組織によると、刑務所や拘置所に現在、約350人が収監されている。
タミーミさんの兵士に対する行為で、何日も勾留するのは不当である。 当局は、直ちに釈放すべきである。武装した兵士に、少女が素手で対抗したのは、 兵士の脅威にはなっておらず、罪を問うのは不当である。


2018年1月15日 アムネスティ国際ニュース


またもや死刑執行
 12月19日、2人が死刑執行された。またもや、生きる権利を顧みない日本政府の姿勢が鮮明になった。
処刑されたのは、関光彦さん(44才、強盗殺人)と松井喜代司さん(69才、殺人)で、 執行場所は、東京拘置所だった。2人とも、再審請求中で、関光彦さんは犯行当時19才だった。 2人の執行は、日本の人権状況にまた汚点を残すことになった。

 2007年12月、国連総会は死刑執行の停止を求める初の決議を採択した。 それからちょうど10年が経ち、世界の潮流は確実に死刑廃止に向かっているが、 日本はこの動きに背を向け続けている。
もし日本政府が、死刑は司法としての役割を果たす手段であると考えているならば、大きな勘違いである。 死刑は、残虐で非人道的で品位をおとしめる刑罰であり、国際社会の多くの国が、このことを認めている。 今回の2人の執行で、2017年に処刑された人は4人となった。 死刑確定者は通常、数時間前に執行を告げられ、直前に告げられることもある。 家族や弁護人、一般市民が執行を知るのは、行われた後である。

 アムネスティは、犯罪の性格や犯罪者の特質、執行方法にかかわらず、例外なくすべての死刑に反対する。 アムネスティは40年以上、死刑廃止を求める運動を続けている。

2017年12月19日 アムネスティ国際ニュース


ミャンマー(ビルマ)治安部隊が周到なロヒンギャ民族浄化作戦
 8月25日にロヒンギャの武装集団が警察施設などを襲撃して以来、治安部隊による報復で、 37万以上のロヒンギャの人たちが、自宅を追われ、隣国のバングラデシュに逃れた。
アムネスティが入手した証言や情報などから、ラカイン州での治安部隊の作戦は、 周到に準備されたロヒンギャの民族浄化作戦であることが明らかになってきた。

アムネスティは、衛星画像、現場の写真と映像、火災探知データなどを入手し、 またビルマとバングラデシュの国境付近で目撃者数10人に聞き取りをした。 それらの情報を分析した結果、治安部隊がほぼ3週間にわたり、ラカイン州北部一帯のロヒンギャの村々を 狙った大規模な焦土作戦を展開していたことがわかった。

治安部隊と自警団のような集団がロヒンギャの村々に火を放ち、逃げまどう人びとを手当たりしだいに撃ち殺していった。 間違いなく民族浄化である。

 大規模な焼き討ち情報分析によると、8月25日以降、州北部一帯の居住地域で、 375メートル以上にもわたる大規模な火災が、少なくとも80地区で確認された。 過去4年の同時期のデータも調べたが、この規模の火災は一切認められなかった。 それぞれの地区が焼け野原と化し、焼き出された人たちは、数万人に及ぶと見られる。 そして、火災は、ロヒンギャが多く住む地域に集中していた。

 現地に入ることが認められないため、それぞれの地区の火災の規模は特定できないが、 アムネスティは、火災を示す衛星画像を住民の証言と焼き討ちされた家屋の画像を突き合わせた。 雨期であるため衛星画像からは放火を正確に把握できないため、放火の実態を特定する作業は困難を極めたが、 実際の件数も規模も、分析結果よりも多いものと思われる。
ただし、バングラデシュとの国境に近いマウンドー地区で複数の民族が住むインディン村では、 ロヒンギャの家屋が焼き尽くされる一方、隣接する他の民族の地域は、焼き討ちを免れていたことは、わかっている。

周到に計画された襲撃

 襲撃を受けたロヒンギャ住民が必死の思いで逃げる中、治安部隊は、ガソリンを撒いたり、 ロケット砲を使って家屋を焼き討ちにした。
9月8日、マウンドー地区のヤエ・ツイン・キュン村を追われた男性(48才)は、 襲撃を目のあたりにした。「彼らは、家々を次々に焼き払った。900軒あった家が、今は80軒しか残っていない。 もう誰もいないので、遺体の埋葬すらできない」と嘆いた。
また、衛星がとらえた火災のデータからは、8月26日にマウンドー地区のミョ・トゥ・ギ村の一帯も、 焼き尽くされたことがわかった。
複数の地区では、地元の役人が前もって村民に焼き討ちがあることを伝えていたという。 何とも衝撃的である。一連の襲撃と焼き討ちが、周到に計画されたものであることがわかる。 マウンドー地区ケイン・チャウン村の男性(47才)の話も悲惨だった。 「50人ほどの兵士が2方向から村にやってきて、手当たり次第に銃撃を始めた。 みんな、パニックになって逃げだし、必死に川を泳いで渡った。渡れなかった人の中で男たちは、 至近距離から撃たれたり、刺し殺された」
ラテダウン地区パン・キアン村の村民は、9月4日早朝、部隊に同行してきた地元の役人から、 「午前10時までに村を出たほうがいい。全部焼かれてしまうぞ」と警告されたという。 警告通り、家族が身のまわりの品々を荷造しているとき、火の玉のようなものが家を直撃した。 恐怖の中、着の身着のままで逃げたという。

ビルマ当局は、治安部隊が焼き討ちに加担していることを頑なに否定している。 それだけではない。「ロヒンギャの人たちが、自分たちの家に火をつけている」などと、 信じ難い主張を展開した。

数十万人が国を追われる

 昨年後半から今年初めにかけて、軍の大規模な軍事作戦の影響で、 およそ87,000人が国を追われてバングラデシュに逃げ出した。
国連の推定によると、今回の焦土化作戦により、37万人以上がバングラデシュに逃れた。 さらに、今後も数万人が家を失い、国内避難民になる可能性があるという。

 ロヒンギャをめぐる問題は、数日以内に国連人権理事会で議論されることになる。 これは、国際社会が、今も進行中のこの問題の深刻さをしっかり把握し、 その重大さを反映した強力な打開策を採択する機会となる。 理事会はまた、国際調査団の任務を拡大しなければならない。 そして、ビルマ当局は、全面的にその受け入れに協力すべきである。
2017年9月15日 アムネスティ国際ニュース


フロリダ州が死刑執行再開か
 フロリダ州が8月24日、18カ月ぶりに死刑を執行しようとしている。
8月24日午後6時に執行が予定されている死刑囚は、マーク・アセイさんで、 1987年に2人を殺害した罪で1988年に死刑判決を受けた。
米連邦最高裁判所は昨年1月、フロリダ州の死刑の法律は憲法違反だとの判断を示した。 また、2017年3月には、アラミス・アヤラ州検事が、死刑には明白な欠陥があるため死刑を求刑しないと表明した。
これに対しスコット州知事は即座に同検事を罷免し、死刑派の検事を任命した。 知事は、これまでに26件の裁判を、同氏が好む別の検事に担当させている。 アラヤ検事が指摘した欠陥は、人種差別、費用、誤判のリスク、犯罪抑止力への疑問などである。 彼女はフロリダ州で初めてのアフリカ系アメリカ人の検事だった。

 死刑制度が破たんしていることを示す圧倒的な根拠に対する知事と検事の考え方は、あまりにも異なる。 1人は、「廃止すべきだ。差別、恣意性、誤判に陥りやすいし、費用や人員の無駄だ」と話す。 もう1人は「死刑制度を推し進めよ」としている。 1人は、一貫して国際的な人権の原則に沿って行動している。もう一方は違う。

2017年8月21日 アムネスティ国際ニュース


イスラエル軍、病院を襲撃
 イスラエルの軍兵士と警察は7月17日と21日、東エルサレムにあるパレスチナの病院を襲撃し、 当局との衝突で重軽傷を負った患者や医療スタッフを恐怖に陥れるという事件があった。 アル=マカッセド病院への襲撃は、エルサレムとヨルダン川西岸地区で緊張が高まっていた最中の出来事であった。

 7月14日にイスラエルの警官2人がアル=アクサ・モスク入口で射殺された事件を受け、 イスラエル当局がモスクの入口にボディーチェック用の金属探知機を設置したことで、 金属探知機の設置に対する広範な抗議行動を起こしたパレスチナ人とイスラエル当局との間で衝突が起こり、 この10日間で、イスラエルの軍・警察により少なくともパレスチナ市民4人が殺され、1,090人あまりが負傷した。 病院には、当局の催涙ガスや殴打、ゴム弾などで負傷した人たちが次々と運ばれていた。

 ラフィック・フッセイニ院長やバッセム・アブ・リブデ医長ら関係者が、アムネスティに語ったところによると、 7月17日の夜遅く、マシンガンや閃光弾を携えた重武装の兵士や警官20、30人が、何の根拠も示さず院内に突入し、 患者や職員らを恐怖に陥れた。兵士らは院内を駆け回り、通路などに人があふれる中、重体患者らを探しまわった。 兵士らは太ももを撃たれて動脈が損傷し、激しく出血していた若い男性(19才)を、人垣をかき分けながら追い回した。 手術室にいた別の重症患者に襲いかかろうとした兵士らの前に、医師数人が立ちはだかる場面もあった。 院内を回りながら、患者や病院関係者に出くわすたびに、罵るなど嫌がらせをしたという。

 21日には、兵士ら約200人が院内に突入し、通路にいた人たちを拘束し、催涙ガスを使った。 胸に重傷を負った患者を手術室まで追って来て、立ちはだかる医師を押しのけた。 その騒ぎの中、その若者、ムハンマド・アブ・ガンナムさんは、亡くなった。

 エルサレム旧市街での抗議行動は、総じて平和的に始まった。 やがて、アル=アクサ・モスクの外にいた礼拝の人たちも抗議に加わった。 しかし、イスラエル軍が、抗議する人たちに向けて催涙ガスやゴム弾を使い出してから、状況は一転した。 当局の力の行使に対して、抗議する人たちは、瓶を投げて対抗した。 この衝突で、1,000人あまりのパレスチナ人が負傷した。

 今回の衝突をきっかけに、殺人事件がさらに増えていく懸念が高まっている。 7月21日には、被占領西岸地区のイスラエル人入植地で、イスラエルの市民3人がパレスチナ人に刺殺される事件が起きた。 市民への暴力は、決して許されない。しかし、その裁きとしてパレスチナ市民に対する集団的懲罰を与えるのは、筋違いだ。 イスラエルは占領する側として、パレスチナ市民の身を守る責任を負う。 市民の平和的抗議の権利も尊重しなければならない。また、国際法に沿って、力の行使を自制しなければならない。

2017年7月25日 アムネスティ国際ニュース


トルコ政府の人権NGO弾圧に抗議する
 私たちは、人権活動家10人が逮捕・拘禁されていることに大きな衝撃を受け、驚きを禁じ得ない。
彼らは、非暴力の人権活動を行っていたことが理由で、武装テロ組織のメンバーだとして取り調べを受けている。 逮捕と取り調べは、逮捕された人たちが所属する、同国で最も知られた人権NGO6団体への弾圧であり、 市民社会へのさらなる一撃である。そして、トルコが今後向かおうとする不気味な前途を暗示している。

 逮捕された10人は次の人たちである。ヴェリ・アジュさん、オズレム・ダルクランさん、 イディル・エセルさん、ナラン・エルケムさん、ギュナル・クルシュンさん、 シェイフムズ・オズベクリさん、ネジャット・タシュタンさん、イルクヌール・ユスチュンさん(以上トルコ人)、 スウェーデン人のアリ・ガラビさん、ドイツ人のピーター・スチュッドナーさん。
その一人、エセルさんは、アムネスティ・トルコ支部の事務局長を務める。 1カ月前には、同じアムネスティのクルチュ理事長が逮捕された。一国で同時期に、 アムネスティの事務局長と理事長が逮捕されるのは、初めてのことだ。 私たちはトルコ当局に、全員を即時かつ無条件に釈放するように求める。

 1年前、暴力的なクーデター未遂で249人が死亡した。この事件で亡くなった人たちを悼み敬うべきであり、 クーデターの首謀者は厳しい裁きを受けるべきである。 しかしトルコでのクーデター未遂事件以降の1年にわたる弾圧は、あまりに大規模で容赦ないものである。 これまでに公務員10万人以上が解雇され、数万人が恣意的に逮捕され、数百の報道機関とNGOが閉鎖された。 これは、世界的に広がっている憂慮すべき動きの一部である。 世界では昨年1年で、人権を擁護して立ち上がった人たちが、少なくとも22カ国で殺害され、 68カ国で逮捕あるいは拘束された。議論をやめさせ、批判的な声を封じる関係当局は、 自分たちが権勢を振りかざすことに自信を深めている。

  この状況の中で、各国がどう対応するかは、非常に重要である。 先の主要20カ国首脳会議で数カ国の首脳は、トルコの人権活動家の逮捕に懸念を表明したが、 それだけでは不十分だ。今こそ、各国は立ち上がり、断固とした姿勢で、人権・尊厳・正義を支持し、 この3つの価値の守護者としての市民団体が力強く活動する必要性を説くべきである。

アムネスティ・インターナショナル事務総長 サリル・シェティ
アバーズ事務局長 リッケン・パテル
ヒューマンライツ・ウォッチ事務局長 ケネス・ロス
国際労働組合総連合書記長 シャラン・バロウ
トランスペアレンシー・インターナショナル組織担当責任者 ロビン・ホデス

2017年7月14日


アムネスティ死刑執行に抗議声明
 アムネスティ・インターナショナル日本は、本日、大阪拘置所の西川正勝さんと広島 拘置所の住田紘一さんに死刑が執行されたことに対して強く抗議する。
今回の執行により、安倍政権下での処刑は2006年の第一次安倍内閣と合わせて、29人 となる。金田勝年法務大臣にとっては昨年の就任後1人の死刑執行に続く2回目の死刑 執行となった。
 西川正勝さんは、これまで何度か再審請求を行っており、今回再審請求中の執行で あったという。国家が国民の命を奪う死刑制度では、慎重な審理を尽くす必要があ る。公正な裁判のためには、再審の機会を保障しなければならない。
市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)の第14条では、公正な裁判を 受ける権利として、防御の準備のために十分な時間及び便益を与えられることを定め ている(3条b)。裁判所による公正な審理が尽くされることなどを含め、日本政府 は自由権規約を批准した国として、こうした裁判手続きの保障を遵守しなければなら ない。
 また、住田紘一さんは、裁判員裁判ののち控訴を取り下げたため、死刑が確定してい る。現行の仕組みでは、捜査段階や訴訟段階で問題があったとしても本人が取り下げ れば、その点について見過ごされてしまうおそれがある。本人の意思に関わりなく必 ず最高裁の判断を求める必要的上訴の手続きなど、国民の生命の権利をより積極的に 守る方法について、政府は検討すべきである。
今回の死刑執行においては、こうした公正な裁判を受ける権利を確保するという観点 が欠けており、人権を軽視する現政権の姿勢の表れであるとの誹りは免れない。
 死刑は生きる権利の侵害であり、残虐で非人道的な、人の尊厳を損なう刑罰である。 アムネスティは日本政府に対し、死刑廃止への第一歩として公式に死刑の執行停止措 置を導入し、全社会的な議論を速やかに開始することを要請する。

2017年7月13日 公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本 


アムネスティ・トルコの事務局長逮捕される
 アムネスティ・トルコ支部長がいわれなき理由で逮捕されたことに続き、 アムネスティ・トルコ事務局長とその他一緒にデジタルセキュリティの 研修を受けていた人権活動家(HRD)が逮捕されていたことがわかりました。 何の根拠もなくテロ組織に参加しているという容疑をかけられています。
抗議と釈放を求めるオンラインアクション。
https://www.amnesty.org/en/get-involved/take-action/tell-erdogan-free-amnesty-turkey-idil-Eser-and-nine-others


共謀罪強行採決に対する日本支部声明
 組織的犯罪処罰法等の一部を改正する法案が、6月15日朝、参議院本会議において、 自民党、公明党、日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。 法案は通常、法務委員会の審議・採決を経て、本会議で採決されるが、 今回、「特に緊急を要するものは議院の議決で委員会の審査を省略することができる」とする 国会法を適用して法務委員会の審議を打ち切っての採決だった。

 アムネスティ・インターナショナル日本は、審議を尽くすことなく、 また懸念や反対の声を誠実に受け止めることなく採決を強行したことを、強く非難する。 この法改正で新設された「テロ等準備罪(共謀罪)」は、犯罪の実行を準備した段階で処罰を可能とするもので、 「準備行為」の概念があいまいかつ広範すぎる、監視社会を招くなど、 多くの報道機関、弁護士会、研究者や市民団体から、人権侵害の可能性が高いと反対の声が上げられていた。 アムネスティ日本も、準備行為特定のために日常的、組織的な監視行為が導入される危険性を指摘し、 個人のプライバシーが侵害され、市民活動が委縮し、市民の表現の自由が抑圧される懸念を、繰り返し表明してきた。

 参議院本会議の審議では、金田法務大臣が、環境や人権の保護を掲げる団体でも、 実態が組織的犯罪集団と認められれば構成員が処罰対象になる可能性があると認めた。 だが組織的犯罪集団かどうかを判断するのはあくまでも捜査機関であり、恣意的な運用への危惧は拭えない。
人権は普遍的なものであり、どんな政府であっても尊重しなければならない。 表現の自由は、その人権を尊重するためにも、必ず保障すべき権利である。 日本政府はこのことを十分に認識し、問題点を改善すべきである。

 アムネスティ日本は、改正法の今後の運用状況を注視し、人権を守る市民団体として、 市民の権利が侵害されるようなことがあれば、断固として抗議していく。

2017年6月15日 公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本


アムネスティのトルコ支部長逮捕される

 「テロリスト組織」のメンバーであったという理由をつけて、アムネスティのトルコ支部長、 Taner Kilic(タネル・キリッチ)が逮捕・拘束されました。
これはトルコにおける先のクーデター失敗後に起きているエルドアン大統領による 公務員、メディア関係者、教員等の大量逮捕の一環であり、トルコ政府による人権活動家 への弾圧です。
アムネスティは緊急行動で、アムネスティのトルコ支部長タネル・キリッチの釈放を求めています。
詳細は
https://www.amnesty.org/en/documents/eur44/6475/2017/en/
オンラインアクションは
https://www.amnesty.org/en/get-involved/take-action/free-taner/

2017年6月10日


市民社会の自由を奪う「共謀罪」に反対する国際NGO共同声明


 5月17日、アムネスティ・日本はグリーンピース・ジャパンと共謀罪反対の 共同声明を発表しました。

  アムネスティ・インターナショナル日本およびグリーンピース・ジャパンは、国際的 に市民の立場で活動する団体として、これまで三度上程して廃案となった、いわゆる 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織的犯罪処罰法等の一 部を改正する法律案に対し、反対します。

 今国会で議論されている「共謀罪」法案は、これまで与野党をはじめ強い反対を受け 採択に至らなかったものです。今回政府は、これをテロ対策であるとし、国際組織犯 罪防止条約のために必要な法案であると説明しています。しかし法律家の中には、こ の条約のためにテロ等準備罪を設ける必要はないという意見もあります。この法案が 成立すれば、犯罪行為を行う前の段階の準備行為だけで処罰することができるように なります。対象となる犯罪は、277と絞り切れておらず、さまざまな行為が準備行為 とされるおそれがあります。

 私たちは、環境を守り、人権が尊重される、より良い社会を創っていくため、国際的 な市民運動を展開しています。こうした社会の実現には、政府と市民団体や活動家 が、健全な関係を保ちつつ、それぞれの立場から対話を進めていくことが必要です。 市民団体として、政府の市民社会に対する制約を注視し、批判や政策提言を行うこと も重要な活動に含まれます。

「共謀罪」法案の説明にあたって政府は、市民団体の性質が「組織的犯罪集団」に変 容すれば、対象となる可能性があると述べています。この変容の判断は、捜査機関に よって恣意的に行われる可能性があり、各国で、例えば民主化運動を行ったために犯 罪者とみなされてしまった活動家の支援が「犯罪」と解釈され、この法律が適用され てしまうおそれは否定できません。そうなれば、国際社会と共に声を上げる運動への 大きな打撃となります。市民団体として政府の政策を批判するだけでも、組織的犯罪 の準備行為とみなされかねません。

 また、この法案が成立することで、準備行為を把握するために当局がメールや電話で のやりとりなどを監視していくようになることも懸念されます。私たちのような市民 団体だけでなく支援者・支持者も監視対象となる可能性もあります。そうなれば、市 民活動そのものが委縮しかねません。

 私たちは、以上の理由から、本法案が民主主義の根幹である表現の自由を脅かすおそ れのあるものだと考え、強く懸念を表明し、本法案の成立に強く反対します。

 2017年5月17日 NGO共同声明

自由の女神、トランプ大統領に抗議


(C) Marie-Anne Ventoura/Amnesty UK
 トランプ大統領就任から100日目を迎える4月29日を前に、米国の象徴である「自由の女神」100人が、 4月27日、ロンドンの米国大使館前で抗議活動を行った。 この「自由の女神」に扮して抗議活動を行ったのは、薄緑の衣装に同色のフェイスペイントを施し、 松明を掲げたアムネスティ活動家だ。この100日間でトランプ大統領が引き起こした数多くの人権問題に、 世界の注目を集めることが狙いである。
これまでアムネスティは、イスラム圏7カ国からの入国禁止措置、120日間の難民受け入れ停止措置、 メキシコ国境の壁建設など、トランプ政権による数々の政策を強く批判してきた。 この100人の自由の女神たちは、ロンドンにある米国大使館前に並び、重苦しい表情で沈黙することにより、 これまでトランプ政権が侵してきた人権侵害に対する抗議の意を表した。 沈黙の抗議に続き、自由の女神像の台座に刻まれたエマ・ラザラスの詩「新しい巨像」の有名な一節が、格式高く朗読された。
「だがその疲れた者たちを、貧しい者たちを、
自由の空気にこがれひしめく人々を、ここへ寄こしなさい、
あふれかえる岸であわれにも拒まれた者たちを。
これら、寄る辺ない、嵐に打たれた者たちを、ここに来させなさい、
わたしは掲げる、金色の扉に、この、灯かりを!」と。
(訳きむらしんいちさん)
 トランプ大統領は就任後わずか100日間で、元々不評だった人権に関する米国の評判を計り知れないほど悪化させた。 トランプ政権が、米国の象徴である自由の女神が表してきた自由をほとんど顧みないのは、まことに残念である。 同様の抗議行動は、北アイルランドとスコットランドでも行われた。

2017年4月27日 アムネスティ国際ニュース


パレスチナ囚人の日にハンストを計画
 イスラエルは数十年間、被占領ヨルダン川西岸地区とガザ地区のパレスチナ人を自国内の刑務所で拘禁し、 家族との面会機会を奪ってきた。露骨な国際法違反であるこの政策に抗議して、パレスチナの囚人の日 である4月17日の週に、囚人たちが大規模なハンストを計画している。

 アムネスティは、パレスチナ人の囚人とその家族に聞き取りをした。得られた証言からは、 囚われている身内に会う機会を、時には何年も奪われてきた家族たちの苦悩が浮かび上がった。 被占領パレスチナ地域で逮捕したパレスチナ人の囚人をイスラエルに移送して、 同国内に収監する政策は、ジュネーブ第4条約の明らかな違反である。
ハンストを予定する囚人たちは、家族との面会や連絡を認めることなどを求めている。 ハンストは、囚人のリーダーであるマルワン・バルグーティさんにより公表された。 多くの囚人が、政治的な立場の違いを超えてストに参加する意思を声明した。 国際法の下では、容疑者は占領側の領地ではなく、その容疑者が住む被占領地域で 収監しなければならない。また、囚人は、定期的かつ可能な限り頻繁に、 (特に近親者との)面会の機会を与えられなければならない。

 非政府組織パレスチナ囚人クラブによると、現在イスラエルが運営する刑務所や拘置所など 17の施設に、6,500人(うち女性57人)のパレスチナ人が治安関連で収監されている。 17のうち16施設は、イスラエル国内にある。少なくとも500人が、起訴も裁判もない行政拘禁で収監されている。 パレスチナ人の囚人問題委員会の広報担当ハサン・アベド・ラッボさんによると、 少なくとも1,000人が「治安上の理由」で家族との面会を認められていない。 さらに、現在およそ15から20人が隔離拘禁されており、他の囚人との接触や家族との面会を 一切認められていないという。
イスラエル監獄局の規則によると、囚人は2週間に1回、家族と面会できることになっている。 しかし実際は、被占領パレスチナ地域の家族がイスラエルで収監されている身内に面会するには、 同国への入国許可を申請しなければならないため、面会できる頻度は、極めて限られてしまう。 イスラエルで拘禁されている、ガザ出身の囚人約365人への対応はさらに悪く、 家族との面会を許可するのは、2カ月に1回にしかすぎない。
イスラエルは、パレスチナ人を違法に国内へ移送するのではなく、 被占領パレスチナ地域内の刑務所や拘置所に収監すべきである。 また、イスラエル当局は、囚人とその家族への懲罰的な手段と化している面会する権利の 過剰な制限をやめ、国際基準に十分合致した処遇としなければならない。

2017年4月13日 アムネスティ国際ニュース


ハンガリー:NGOの信頼失墜を狙った法案
ハンガリー政府は、NGOの「資金の透明性の強化」の名目で新法を成立させようとしている。
これが導入されれば、外国からの資金を受けているNGOの信頼性は失墜し、弱体化につながるおそれがある。 外国から年間24,000ユーロ以上を受け取っているNGOは、「外国資金受け取り団体」となり、 この呼称を全出版物に表示することが義務づけられる。
政府はこの法律を、マネーロンダリングと国際的なテロを防止する対策の一環だと主張している。 「外国から資金を受けているNGOは外国の利益に配慮した活動をする可能性があり、結果として 国の主権と治安が脅かされるおそれがある」という論法のようだ。しかし、当局の真の狙いは、 「外国からの資金を得ている」というレッテルを貼ることにより、NGOの働きをおとしめ、 市民にNGOに対する反感を持たせることにある。市民社会の批判的な声を抑え込み、信用を失わせたいのだ。
「透明性の強化」を謳っているが、現在の法律でもNGOは外国から得た資金の届け出を義務づけられており、 当局はいつでも監査できることになっている。
ハンガリーのNGOは、法の支配の促進、難民や移民、社会から疎外されている人びとの擁護など 様々な分野で活発に活動し、国に代わって社会的、法的サービスを提供してきた。
法案はロシアで2012年に発効した「外国エージェント法」を想起させる。発効以来ロシアのNGOは、 さまざまな制約に苦しめられてきた。 多くの団体の評価は下がり、煩雑な手続きに疲弊して仕事が行き詰っている。
ハンガリーの数百のNGOは、団結して声を上げ、表現の自由と結社の自由の権利に対する 周到に計画された圧力をはね返すべきだ。法案は、ヴィクトル・オルバーン首相が進める 非自由主義的民主主義への大きな一手であり、EU加盟諸国は強く反対すべきだ。 首相は熟慮し、この法案が二度と審議されないよう適切な措置を講じなければならない。

2017年4月7日 アムネスティ国際ニュース


アムネスティ共謀罪反対
 アムネスティ・インターナショナル日本は、組織的犯罪処罰法等の一部を改正する法 律案は市民を抑圧するおそれがあるとの理由から、本法案の成立に強く反対する。

 この法案は、いわゆる「共謀罪」法案として、犯罪の実行を準備した段階で処罰を可 能にするものである。国際組織犯罪防止条約(通称パレルモ条約)の批准にむけて国 内法を整備するために成立が必要と政府は主張している。しかし、多くの報道機関、 弁護士会、研究者や市民団体から、共謀の定義、犯罪集団の定義が曖昧であるため適 用範囲が拡大解釈されかねず、健全な市民活動が萎縮すると批判されている。

 犯罪の成立には構成要件として実行行為が必要である。しかし、法案では、実行に着 手する前の準備行為を「実行準備行為」とし、犯罪の構成要件としている。「計画に 基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するため の準備行為」(同法案6条の2第1項)と定め、単に私用である場所に訪れた場合や、 私物の購入だけでも、準備行為とみなされるおそれがある。条文の定めだけでは何を もって準備行為を特定するのか明確でなく、捜査機関が法を恣意的に運用すれば特定 の市民を狙い撃ちにすることが可能となる。

 また、共謀の現場を偶然見つけることは不可能に近い。共謀の事実を把握するため、 日常的な監視行為が必要となるであろう。盗聴やインターネット経由による情報が集 約され、個人のプライバシーはなくなり、警察権力の拡大によって市民活動が委縮 し、市民の表現の自由が抑圧されるおそれがある。

 さらに、組織的犯罪集団の特定が明確でなければ、個人の表現の自由だけでなく団体 の表現や結社の自由にも侵害が生じる危険性がある。そもそも、パレルモ条約は反社 会的組織の資金源を断つなど国際的に暗躍する組織犯罪の取り締まりが目的であっ て、市民団体が対象となることは想定されていない。法案においても、団体として共 同の目的が犯罪の実行にあるものが想定されている(同法案6条の2第1項)。これま での政府の見解によれば、正当な目的で設立された団体であっても、共謀が行われた 時点で犯罪を実行する団体へと変容すれば該当するという。
確かに、法を犯す組織集団は取り締まり対象とすべきだ。しかし同法案のもとでは、 市民の人権のために政府を批判する人権活動家やそれを支援する団体も、政府の一方 的な判断によって組織的犯罪集団とみなされる懸念は拭えない。人権尊重のために立 ち上がる市民の活動や、それを支援する団体の活動は、たとえそれが政府への抗議行 動であっても表現の自由・結社の自由によって保障されなければならない。

   政府に対し、声を上げることが許される社会が、表現の自由を守る健全な民主主義社 会の在り方である。パレルモ条約を批准するためという理由でこの「共謀罪」法案が 成立すれば、すでに批准している自由権規約第19条の表現の自由や第22条の結社の自 由を侵害することにつながると、アムネスティは強く懸念する。本法案が市民を抑圧 する道具とならないよう、成立に対し強く反対する。

2017年3月28日 アムネスティ・インターナショナル日本支部声明


国や宗教で差別するな!トランプ大統領の入国規制にNO!
 アムネスティ日本は米国のトランプ大統領が発令したアラブ、アフリカの特定の国からのイスラム教徒の 米国入国規制の停止を求めてオンライン署名活動を開始しました。

米国のドナルド・トランプ大統領が、人権を無視した大統領令を次々と発令しています。 この大統領令は、難民を保護する国際的な義務を無視しているだけでなく、 特定の国や宗教を「テロリストの温床」と見なし、差別しています。 トランプ大統領に、差別的な政策をやめるよう、在日米国大使館を通して要請してください。

https://www.amnesty.or.jp/get-involved/action/usa_201702.html

沖縄平和運動センターの山城博治さんの釈放を
 沖縄平和運動センターの山城博治さんが公務執行妨害などの罪に問われ、昨年10月17日に逮捕されて以来100日を超える。
アムネスティ・インターナショナル日本は、山城さんの勾留が長期に及んでいることに強い懸念を表明する。 山城さんは直ちに釈放されるべきである。

 山城さんは2016年10月17日、沖縄県の米軍北部訓練場において、有刺鉄線を1本切ったとして器物損壊容疑で逮捕された。 同20日に勾留が決定、同時に公務執行妨害と傷害の容疑で再逮捕された。
現在、山城さんは、3つの罪で逮捕・起訴されている。当局は、軽微な犯罪での逮捕・勾留・起訴を繰り返している。 勾留のためには証拠隠滅の恐れがあるなど必要な要件はあるが、上記の罪の証拠に関して隠滅の可能性は極めて低く、 その他の要件についても該当する理由はない。国際人権基準は、公判前に釈放することを前提としており、 このような拘禁は身体の自由への侵害である。
さらに、山城さんは、家族とも面会できない状態が続いている。被拘禁者処遇最低基準規則(マンデラルール)は、 定期的に家族および友人の訪問を受けることが許されなければならないとしている(58条1項)。 山城さんは、2015年の大病からは回復したものの体調が心配されており、家族の訪問は保障されるべきである。

 山城さんは、沖縄における米軍基地反対運動のリーダーとして、政治信条に基づいて長年にわたって活動してきた。 沖縄は、日本における米軍基地の7割が集中する地域であり、基地に関わる問題には、常に政治的な文脈が影響している。 今回の逮捕と長期拘禁は、そうした影響の表れであって、日本政府による沖縄米軍基地反対運動の抑圧とも指摘されている。

 アムネスティ日本は、デモや座り込みを含む抗議行動を表現の自由として保障する義務を 日本政府が負っていることを想起させ、山城さんの逮捕・拘禁が運動への委縮効果を 生むおそれがあることに懸念を表明する。
国際社会は、政府による抑圧を防ぐため数々の努力を重ね、自由権規約や被拘禁者処遇最低基準規則、 ならびに保護原則を作り上げてきた。日本政府は、こうした国際人権基準を遵守すべきである。
アムネスティは、表現、結社、集会の自由の権利を尊重し保障するよう日本政府に求めるとともに、 国際人権基準に則って山城さんを速やかに釈放するよう検察当局に強く求める。
また、アムネスティは、山城さんが釈放されるまでの間に家族に会えること、 必要な医療を受けることができることを求め、国際的な行動を展開する。
                               以上
2017年1月27日 アムネスティ・インターナショナル日本支部声明

▽日本:山城博治さんの速やかな釈放を求める
http://www.amnesty.or.jp/news/2017/0127_6627.html
▽不当に勾留される非暴力の反基地運動リーダー
http://www.amnesty.or.jp/get-involved/ua/ua/2017ua023.html


トルコ:クーデター未遂の後、人権が危機的状況に
 トルコで7月15日に起きたクーデターは未遂に終わったが、その後の人権状況は極めて危機的な状況にある。 この事件で、少なくとも208人が死亡し、およそ8,000人が逮捕された。
複数の政府関係者が、クーデターに関わった者の処罰に死刑の復活を提案している。 また、アンカラとイスタンブールで拘束されている多数の人びとが、 人権侵害を被っているという報告を受け、アムネスティは現在その事実を確認している。

 クーデターを企てて武力で市民を恐怖に陥れ、国際法違反の殺害や人権侵害に関わった関係者は、 法の裁きを受けるのは当然である。しかし、政府が、反体制派の弾圧を強化し、 死刑を復活させるのは、筋違いだ。
アムネスティは、今後の捜査や取調べに際し法の支配を尊重して自制を示し、 犯罪容疑者に公正な裁判を認め、確かな証拠がなければ釈放するよう、トルコ当局に求める。

 当局によれば、今回のクーデター未遂事件で、208人が殺害され、1,400人以上が負傷した。 犠牲者には、当局がクーデターの計画者とする24人も含まれ、 武器を持たずに降伏しようとしているとき殺害された者もいた。市民も犠牲になった。 彼らは、タイイップ・エルドアン大統領の抗議の呼びかけに応じて屋外にくり出し、 戦車やヘリコプターに立ち向かって、命を落とした。

 クーデターの数日後、政府は、軍、司法、内務省で徹底した粛清を行った。 クーデターを画策したとして7,543人が拘束され、警察官7,000人が停職処分を受けた。 裁判官と検事全体の5分の1弱にあたる2,700人が解任され、裁判官450人も拘束された。 大統領と政府当局者は、クーデターの試みに関与した者への処罰として死刑復活の可能性に言及しており、 これは深刻な問題である。死刑復活はトルコも加盟する人権規約や同国憲法が掲げる保障への侵害となる。 同様の対応が、ジャーナリストや市民団体の活動にも適用される恐れがある。 この数カ月、政治活動家、ジャーナリスト、国の政策の批判者らは、しばしば弾圧の対象となってきた。 報道機関は管理下に置かれた。
トルコ政府にとって、クーデター計画者が顧みなかった人権と法の支配の尊重が、かつてないほどに重要である。

2016年7月18日配信 アムネスティ国際ニュース


エジプトで何百人もの人が拉致・拷問に
BBC Newsが 7月13日(水)配信 した記事を紹介します。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは13日、エジプトで当局によって連れ去られ、 拷問を受けた人が過去1年に何百人にも上っているとの報告書を発表した。
アムネスティによると、14歳の年少者も含め、学生や政治活動家、抗議デモ参加者が、 跡形もなく姿を消し、その多くが何カ月にもわたって拘束されたという。 拘束期間中ずっと目隠しされ、手錠をかけられていた人も少なくない。 エジプト政府は、強制的に連れ去ったり拷問はしていないと主張している。 マグディ・アブデル・ガッファール内相は、治安当局はエジプト国内法の枠内で活動していると強調した。
2013年に軍部がモルシ前大統領を失脚させ、シシ大統領が誕生して以来、 1000人以上が殺され、4万人が投獄されたとみられている。

 アムネスティで中東・北アフリカ地域を統括するフィリップ・ルーサー氏は、 シシ大統領とガッファール内相の下で、強制的な連れ去りが「国の政策の重要な手法」になっていると述べた。 ガッファール内相は昨年3月に就任した。 アムネスティは、地元の非政府組織(NGO)の話として、1日平均3、4人が自宅から拉致されていると指摘した。 多くの場合、国家安全保障局(NSA)の指揮の下、厳重に武装した治安部隊が拉致を実行しているという。 首都カイロのラゾグリー広場前にある内務省内のNSA施設で、何百人もの人が勾留されているとみられている。
 ルーサー氏は、報告書が治安と司法両当局の癒着を暴露したと述べ、 当局者らが「自らの行いを隠すために平然と嘘をつき、あるいは拷問の疑いを捜査しないで、 深刻な人権侵害に加担している」と非難した。

 報告書では、14歳のマゼン・モハメド・アブダラ君が昨年9月30日にNSA職員によって、 カイロのナセルシティ地区にある自宅から連れ去られた事例に触れている。 マゼン君は非合法化されたムスリム同胞団に属し、許可されていない抗議活動に参加した疑いがかけられている。 マゼン君は容疑を否定したが、取調官たちは木の棒でマゼン君に性的暴行を繰り返し、 自白を「暗記」させようとしたほか、マゼン君の生殖器など体に電気ショックを加えたという。 また、自白を取り消した場合には両親も逮捕すると脅したという。
アムネスティによると、マゼン君は検察の取り調べの際に自白を取り消したものの起訴された。 今年の1月31日に釈放され裁判を待っている。

 このほか、報告書は28歳のイタリア人学生、ジュリオ・レジェーニさんがカイロ郊外の道端で死体で発見された事件にも触れている。 ケンブリッジ大学の博士課程で学んでいたレジェーニさんの死体には拷問されたあとが残っていた。
エジプト当局はレジェーニさん殺害への関与を否定しているが、アムネスティの報告書は、 レジェーニさんのけがのあとと当局の拘束中に死亡した人の傷とに「明らかな類似性」があると指摘している。

  (英語記事 Hundreds forcibly disappeared in Egypt crackdown, says Amnesty)


CIA作戦の犠牲者が欧州人権裁判所で2カ国の責任を追及
 欧州人権裁判所で、ルーマニアとリトアニアを相手取った2件の重要な事案の審理が行われる。 これはCIAの主導による移送と秘密拘束計画に連座した疑いで両国の責任を問う画期的な裁判となる。

 2011年9月11日の対米攻撃の余波でCIAによる拷問や強制失踪が相次いだが、 少なからぬ欧州諸国がその手助けをする役割を果たした。 特に今回の例ではアブド・アルラヒム・アルナシリさんと ザインアビディン・ムハンマド・フセインさんという2人の男性(現在米軍グアンタナモ収容所に拘禁中)は、 CIAの秘密基地で水責めなどの拷問を受けた。

 ルーマニアとリトアニアは、CIAの移送と秘密拘束への直接関与が疑われているにもかかわらず、 一度も責任を問われてこなかった。今回の審理は、 犠牲者の弁護士らが欧州人権裁判所で事実を明らかにし、沈黙の共謀を打破する格好のチャンスとなる。
米上院情報特別委員会による2014年12月の報告書には、CIAの手で2人に加えられた拷問の詳細が含まれているが、 米国の裁判所はCIAの作戦に関わる事件の審理を拒否しており、米国におけるこれらの虐待事件については、 今日に至るまで事実上責任が問われていない。
同じく今年2月、欧州評議会事務総長は、CIAの移送と秘密拘束計画について ヨーロッパ諸国が担った役割を問う欧州人権条約52条の調査を終結し、責任追及に大きな打撃を与えた。 したがって今回の欧州人権裁判所の審理は、これらの国々におけるCIAの移送計画の 背後に隠された事実を明らかにする最後のチャンスである。
こうした拷問の犠牲者にとって責任を問う別の道は閉ざされていることを考えると、 ルーマニアとリトアニアの人権侵害に関する今回の審理は、なおさら重要なものである。

 アムネスティは国際法律家委員会とともに、アルナシリさんがルーマニアに、 またフセインさんがリトアニアに対して起こした欧州人権裁判所での手続きに、 第三者として参加している。アムネスティは同様の事案でこれまでも欧州人権裁判所の手続きに参加しており、 その中には、この2人の男性がポーランドを相手どって起こした申し立てもある。 この件では、CIAの作戦に関与したポーランドに責任ありとする判決が2014年7月に出されている。

2016年6月29日配信 アムネスティ国際ニュース


核の内部告発者モルデハイ・バヌヌさんに対する起訴の取り下げを
 イスラエルは、核の内部告発者モルデハイ・バヌヌさんに対する起訴を取り下げ、すべての制限措置を解除すべきである。
1986年、核施設の技師をしていたバヌヌさんは、サンデー・タイムズ紙に核兵器工場の詳細情報を提供したために、 18年の実刑を受け、服役した。2004年の釈放後もずっと、事前の許可なくジャーナリストら外国人との 通信・会話することを禁じられ、インターネットでのチャット、出国、外国大使館への出入りも許されず、 住所変更にも警察への届出が必要だった。

 昨年9月、バヌヌさんは放送局チャンネル2の取材に応じた罰として、自宅軟禁1週間とネットの使用禁止、 ジャーナリストとの通信・会話の禁止などの措置を受けた。報道によると、チャンネル2は 「軍はこの取材の放送を事前に承認していた。 ところが、警察は未放送部分も含めたすべての動画の提供を求めた」と説明した。
今年5月8日には、制限措置に違反したとして、エルサレム下級裁判所に起訴された。 その違反とは、3年前に米国人2名と会ったことや昨年のテレビ取材に応じたことなどを指しているものと思われた。 一方、バヌヌさんの弁護士は、海外渡航禁止措置が延長され、その異議申し立てをしたことへの対抗措置だろう、と話した。 この起訴で有罪となれば、単に表現の自由を平和的に行使しただけでの不当な投獄であり、 アムネスティ・インターナショナルは即時無条件の釈放を要求していく。
当局は、国家の安全に脅威であることを理由に、バヌヌさんの自由を制限する必要があるとしているが、 漏洩事件から30年の歳月が経っては、なんの意味もない。

 バヌヌさんへの制限措置は国際法の下での同国の義務に反している。とりわけ、移動の自由、表現の自由、 結社の自由の権利への恣意的な干渉を禁じ、同じ容疑での再処罰から市民を保護する市民的および政治的権利に 関する国際規約に違反している。

2016年5月10日配信 アムネスティ国際ニュース


朝鮮学校への補助金についての文科省通知について
2016年4月7日
文部科学大臣 馳 浩  殿

公益社団法人 アムネスティ・インターナショナル日本

事務局長 若林 秀樹

 去る3月29日、文部科学省は都道府県知事あてに「朝鮮学校に係る補助金交付に関する留意点について」 として通知を送付しました。
アムネスティ・インターナショナル日本は、今回の政府による通知について、 政治的判断に基づいて特定のマイノリティ集団の教育の権利に対する差別的取り扱いを 助長する恐れがあると懸念します。

同通知において文科省は、朝鮮学校が「北朝鮮と密接な関係を有する」朝鮮総聯が教育内容などに 影響を及ぼしていると日本政府が認識している、としたうえで、こうした「特性」を考慮して 「朝鮮学校に係る補助金の公益性、教育振興上の効果等」について検討することを促しています。
この通知以前の2月7日、自民党は「北朝鮮による弾道ミサイル発射に対する緊急党声明」を出し、 同党の北朝鮮による拉致問題対策本部が2015年6月に要請した制裁強化策を速やかに実施するよう 政府に対して求めています。同要請には、朝鮮学校の補助金交付について、 地方公共団体に対して公益性の有無を厳しく指摘し、全面停止および住民への説明を行うことを 指導・助言するよう求める提言も含まれていました。
そもそも、2010年に高校無償化制度に関する法が成立して以来、日本政府は政治的判断を理由に 朝鮮学校をその適用から除外してきました。それ以降、複数の地方公共団体が朝鮮学校への補助金の 交付を凍結あるいは減額する措置をとっています。
  一方、朝鮮学校で学ぶ子どもたちの教育に対する権利については、2008年の自由権規約委員会、 2010年の子どもの権利委員会および2014年の人種差別撤廃委員会など、国連の条約諸機関が日本に対して 繰り返し懸念を表明し、是正勧告を出しています。
人種差別撤廃委員会は2014年の日本審査に関する総括所見で、人種差別撤廃条約の第2条(締約国の差別撤廃義務)と 第5条(法律の前の平等、権利享有の無差別)に照らして「朝鮮学校へ支給される地方政府による補助金の凍結 もしくは継続的な縮減」について懸念を表明し、「朝鮮学校への補助金支給を再開するか、もしくは維持するよう、 締約国が地方政府に勧めること」を勧告しています(パラグラフ19)。
文科省は、同通知において「朝鮮学校に通う子供たちに与える影響にも十分配慮しつつ」としていますが、 本来であれば、国連条約諸機関からの勧告を誠実に実施し、朝鮮学校への補助金の維持もしくは再開を 地方公共団体に促す内容の通知を出すべきです。
社会権規約、子どもの権利条約、人種差別撤廃条約など複数の国際人権条約は、 人種や皮膚の色、政治的意見やその他の意見などにかかわらず、いかなる差別もなしに 条約に定める権利を尊重し確保することを締約国に義務付けています。 そして、この権利の中に、子どもたちの教育に対する権利も含まれています。
 アムネスティ日本は、自国内のマイノリティ集団に属する子どもたちの教育の権利について、 特定の国家との外交関係を理由に差別的に取り扱うことはこれら国際人権諸条約上の国家の義務に 違反するものであることを、日本政府および各地方公共団体が想起するよう求めます。 とりわけ日本政府に対して、2014年の人種差別撤廃委員会によるパラグラフ19の勧告に真摯に向き合い、 地方公共団体に対して朝鮮学校への補助金交付の再開あるいは維持を促すよう要請します。
また、社会権規約13条(教育についての権利)に基づき、朝鮮学校を高校無償化の対象に含めることや、 現在は無償化の対象となっていない教育機関(「各種学校」とされていない「外国人学校」やフリースクールなど)に 通う子どもたちも対象にするよう、アムネスティ日本はあらためて日本政府に要請します。


国連ガザ報告書 ガザ武力紛争犠牲者への正義の一歩
国連の独立調査委員会が昨年のガザ紛争に対する調査報告書を公表しました。 国連がこの件に関するアムネスティ報告書を検証したことを歓迎します。 アムネスティは、報告書の中でイスラエル、パレスチナ双方がすさまじい 国際人権法、国際人道法違反を繰り返していた事実を明らかにしました。

圧倒的な証拠が存在する現在、国連人権理事会の理事国とオブザーバー国は、 委員会の調査結果勧告を重く受け止め責任追及に必要なあらゆる措置を講じなければなりません。

昨年7月に、人権理事会に委託された独立調査委員会は、ガザ地区におけるイスラエルの 軍事作戦および東エルサレムをふくむヨルダン川西岸地区でのイスラエルの行動、 またイスラエルへの攻撃を含むパレスチナ武装グループの活動について調査しました。 アムネスティは、イスラエルとパレスチナ両当局に対して、独立調査委員会に協力するよう たびたび要請してきました。 しかし、イスラエルのネタニヤフ首相とイスラエルの高官たちは、 委員会はイスラエルに対して偏見があるとして非難し、イスラエル軍は、 国際法に沿って行動しているとの報告書を発表しました。 また独立調査委員会の調査員やアムネスティ等の国際人権組織の調査員が ガザ地区に立ち入ることを拒否してきました。

アムネスティ報告書は、イスラエル軍が在宅中の家や、象徴的なビル、病院や医療従事者に 対して、攻撃を加えていた事実、戦争犯罪を示す証言や分析を記しています。
ガザ地区の武装グループによる正確に照準できないロケット弾などの発射は 戦争犯罪にあたること、またイスラエル協力者とみなされた少なくとも23人が ハマスによって超法規的に処刑されたこと、多数が逮捕され拷問を受けていることを 報告書で明らかにしました。

2015年6月22日配信 アムネスティ国際ニュースより


韓国の人権活動家不当逮捕される
韓国の著名な人権活動家パク・レグンさんとキム・ヘジンさんは7月14日、旅客船セウォル号事故から1年を機に 4月と5月にデモを組織したことが違法として警察に逮捕されました。
デモでは事故の対応で政府に追加的措置を求めていました。 この逮捕は表現および平和的集会の自由の権利への脅威である。 集会とデモ行為に関する違反および集会での警察妨害の疑いで3カ月間、取調べを受けました。 2人は、大惨事となった同事件の徹底的捜査を求めるグループ「4月16日連帯」の運営委員です。
7月15日、裁判所はパク・レグンさんの勾留令状を受理しましたが、キム・ヘジンさんのものは却下されました。 パクさんを含む7人の人権活動家が現在、セウォル号事故関連の抗議活動を組織または参加したことを 理由に拘束されています。
誰もが、意見を述べる権利および平和的抗議活動に参加する権利を有しています。 表現の自由や集会の自由の権利を平和的に行使しただけで、いかなる者も拘束されてはなりません。 アムネスティは韓国当局に対して、平和的抗議活動への不当で違法な介入をやめ、 パク・レグンさんが表現と集会の権利を平和的に行使しただけで拘束されているのであれば、直ちに釈放するよう求めます。 さらにパク・レグンさんら人権活動家が、人権活動家に関する国連宣言と国際法に沿って、 恣意的拘束、嫌がらせ、脅迫などを受けることなく、平和的な人権活動を行えるよう求めます。

2015年8月3日 アムネスティ国際ニュースより

国連独立調査委員会報告(ガザ紛争)に対して
 昨年のガザ紛争に対して、国連の独立調査委員会が調査報告結果を公表しました。 これに対してアムネスティ・インターナショナルは声明を発表しました。 要点は
  • 1 イスラエルとパレスチナ双方の国際法の重大な違反行為によって、 多大な犠牲がおきたと指摘
  • 2 国連人権理事会の理事国とオブザーバー国は 委員会やその報告書を政治化せず、責任追及に必要なあらゆる適切な措置を 理事会として講じるようにしなければならない
  • 3 すべての国家は被占領パレスチナ地域に関するICC(国際刑事裁判所)の作業を積極的に支援しなければならない
  • 4 イスラエル首相はじめイスラエル高官たちは委員会がイスラエルに対して偏見があるとして 非難し独自に報告書を発表し、国際法に沿って行動したとしていますが、イスラエル政府は 調査委員会、アムネスティなどの国際人権組織の調査員のガザ立ち入りを拒否してきました、   
  • 5 アムネスティはイスラエルがガザ地区の在宅中の家や、象徴的なビル、病院や医療従事者に対して 攻撃を加えていたこと等、戦争犯罪を示す証言、分析を記載した報告書を提出
  • 6 アムネスティはガザ地区の武装グループによる無差別のロケット弾と迫撃砲弾の発射も戦争犯罪であること また、ガザで、協力者とみなされた少なくとも23人がハマスによって超法規的に処刑され、 多数の人が逮捕され拷問を受けていたことを明らかにした
2015年6月22日 アムネスティ国際ニュースより


日本の歴史家を支持する声明
欧米の日本研究者が戦後70年の安倍首相談話を意識して、日本の歴史家を支持する声明を出しました。 声明の賛同者は5月19日現在、456人に増えました。主な署名者はマサチューセッツ工科大のジョン・ダワー教授、 ロンドン・スクール・オブ・エコノミックス名誉フェローロナルド・ドーア、ハーバード大名誉教授エズラ・ボーゲル他。
非常に説得力あり、日本への暖かい進言が抑制的に丁寧に書かれています。長文の声明文から要点をまとめたものを掲載します。

      *************************

  •  日本が世界において、名誉ある地位を維持するには、歴史解釈特に「慰安婦」制度の問題を解決することが重要であること
  •  この問題を民族主義的な目的に利用することの愚とともに、過小評価したり無視することは受け入れられない
  •  「慰安婦」制度の規模の大きさ、軍隊による組織的な管理が行われ、植民地、 占領地から貧しく弱い立場の若い女性を搾取したこと
  •  慰安所管理に対する日本軍の関与を明らかにする資料は歴史家によって相当発掘されている。 また、元慰安婦の証言の真実性、元兵士その他の証言の公的資料の存在
  •  慰安婦の数について
    最終的に何人であろうと、女性たちの尊厳が奪われた歴史的事実は変わらない
  •  歴史の評価は民族、ジェンダーによる偏見に染められてはならず、 政府による操作、検閲、個人的脅迫からも自由でなければならない。 これを全ての国の政府が尊重するよう
  •  日本政府が言葉と行動によって、過去の植民地支配と侵略の問題に たちむかうことを期待する
  •  「慰安婦」問題の中核には女性の権利と尊厳があり、その解決は 世界における男女同権に向けての歴史的一歩である


「慰安婦」問題に関する日本の歴史学会・歴史教育者団体の声明
『朝日新聞』による2014年8月の記事取り消しを契機として、日本軍「慰安婦」強制連行の事実が 根拠を失ったかのような言動が、一部の政治家や メディアの間に見られる。 われわれ日本の歴史学会・歴史教育者団体は、こうした不当な見解に対して、以下の3つの問題を指摘する。
 第一に、日本軍が「慰安婦」の強制連行に関与したことを認めた日本政府の見解表明(河野談話)は、 当該記事やそのもととなった吉田清治による証言 を根拠になされたものではない。 したがって、記事の取り消しによって河野談話の根拠が崩れたことにはならない。
強制連行された「慰安婦」の存在は、これま でに多くの史料と研究によって実証されてきた。 強制連行は、たんに強引に連れ去る事例(インドネシア・スマラン、中国・山西省で確認、朝鮮半島にも多くの 証言が存在)に 限定されるべきではなく、本人の意思に反した連行の事例(朝鮮半島をはじめ広域で確認)も 含むものと理解されるべきである。
 第二に、「慰安婦」とされた女性は、性奴隷として筆舌に尽くしがたい暴力を受けた。 近年の歴史研究は、動員過程の強制性のみならず、動員された女 性たちが、 人権を蹂躙された性奴隷の状態に置かれていたことを明らかにしている。
さらに、「慰安婦」制度と日常的な植民地支配・差別構造との連関も指摘さ れている。 たとえ性売買の契約があったとしても、その背後には不平等で不公正な構造が存在したのであり、 かかる政治的・社会的背景を捨象することは、問題 の全体像から目を背けることに他ならない。
 第三に、一部マスメディアによる、「誤報」をことさらに強調した報道によって、 「慰安婦」問題と関わる大学教員とその所属機関に、辞職や講義の中止を求める脅迫などの不当な攻撃が及んでいる。 これは学問の自由に対する侵害であり、断じて認めるわけにはいかない。
 日本軍「慰安婦」問題に関し、事実から目をそらす無責任な態度を一部の政治家やメディアがとり続けるならば、 それは日本が人権を尊重しないことを 国際的に発信するに等しい。 また、こうした態度が、過酷な被害に遭った日本軍性奴隷制度の被害者の尊厳を、さらに蹂躙することになる。 今求められているの は、河野談話にもある、歴史研究・教育をとおして、かかる問題を記憶にとどめ、 過ちをくり返さない姿勢である。 当該政治家やメディアに対し、過去の加害の事実、およびその被害者と真摯に向き合うことを、あらためて求める。
2015年5月25日

歴史学関係16団体
日本歴史学協会    大阪歴史学会     九州歴史科学研究会
専修大学歴史学会   総合女性史学会    朝鮮史研究会幹事会
東京学芸大学史学会  東京歴史科学研究会  名古屋歴史科学研究会
日本史研究会     日本史攷究会     日本思想史研究会(京都)
福島大学史学会    歴史科学協議会    歴史学研究会
歴史教育者協議会
        


サウジアラビア・むち打ち刑をやめて
 ライフ・バダウィさんは、運営していたサイトでの、サウジアラビアで禁止されている バレンタインディーや宗教警察について書いた記事が問題とされ、 2012年に逮捕され、背教罪で起訴されました。しかし最終的に刑事事件として 裁かれ2014年5月に10年の服役と1000回のむち打ち、罰金(約2900万円)の刑を言い渡されました。
今年1月8日、ついに刑が一部執行されてしまいました。これからも、 残りの回数が執行されるまで、バダウィさんのむち打ち刑は続きます。

 今すぐ、サウジアラビア国王に対し、むち打ち刑をやめるよう求めてください!
アムネスティ・インターナショナル日本はオンライン署名を行っています。
https://www.amnesty.or.jp/get-involved/action/saudi_2015.html


ロシア:「好ましからざる組織」規制
 「好ましからざる外国組織」を禁じる法案が、ロシア国家院(議会)の第1回読会 (審議)を通過した。この法案は、あらゆる公共の場での批判的言論や活動をも封 じようとする当局の姿勢を浮き彫りにしている。
法案はプーチン大統領の署名で成立する前に、2つの読会を通過することが必要 とされるが、これは単に形式的なことかもしれない。 アムネスティは、これまでにロシアで幾度となく基本的自由を脅かす法案が強行 採決され、異論や自由な市民活動の場を奪う過酷な法律が誕生するのを目の当た りにしてきた。 悲しむべきことに、ロシアではこれらの自由は風前の灯である。

 今回の法案には「防衛力と国家の治安または社会的秩序または公衆衛生に対する 脅威となる国際組織」という曖昧な概念が盛り込まれている。その目的は、「憲 法の秩序、道徳、権利および他者との法的な利害関係の基盤」を守るためとされ ている。 ロシア当局の最近の動きを見ると、この法律の採択・施行は、国際的な市民運動 を締めつけ、政府に批判的な人権活動の独立性と自由を弱体化させる狙いがある と考えるのが当然である。
 法案が成立すれば、最高検察庁には、組織が「好ましからざる」か否かの判断を 下しその活動を事実上、違法にする権限を与えられる。同法は自由裁量の余地を 多く残すように作られている。 「好ましからざる」組織は事務所を開設することも違法となる。ロシアの住民が こうした組織で働く場合、重い罰金刑と、繰り返した場合は実刑最大8年を科せ られる。外国人職員は、入国を拒否される可能性がある。
法案ではNGO、政府間組織、営利団体が監査対象だと明確にはうたっていない。 しかし当局の自由裁量でどの組織になってもおかしくなく、指定された場合、ロ シアでの活動停止を余儀なくされうる。

 これは、2012年7月に制定され、昨年の改正でより厳格なものとなった「外国 エージェント法」に続くものだ。同法により、いくつかのロシアのNGOは活動の 縮小を余儀なくさせられ、完全に活動を停止したところもある。

2015年1月20日配信 アムネスティ国際ニュース


グアンタナモ収容所 その2
その後の調べにより新たな事実が分かりました。 米国政府は収容者39人を移送しました。 オバマ大統領は今後6か月の間に収容者をさらに減らす予定であると言っています。 グアンタナモ収容所では現在、収容者100人がハンガーストライキを行っているようです。

湘南グループがハガキを送っている収容者リストから昨年末までに 9人がカザフスタン、アルジェリア(故郷)、ウルグアイ、スロバキア等へ 移送されました。20名のリストが11人になりました。
前回の情報に載せました英国居住のShaker Aamerさんは(最後の英國籍の囚人) 解放されていませんでした。7年以上前に移送の許可がでているにもかかわらず 何故かいまだに解放されていません。 現在、アムネスティアメリカ支部がAamerさんが命を失う前に解放することを 求めてキャンペーンを行っています。
http://act.amnestyusa.org/ea-action/action?ea.client.id=1839&ea.campaign.id=27431&ea.tracking.
id=MessagingCategory_SecurityandHR&ac=W1501EASHR1&ea.url.
id=346266&forwarded=true
オバマ大統領が公約(グアンタナモ閉鎖)を勇気をもって実現すること、そうでなければ 国際法に基づいた裁判をするよう要請しています。
オバマ大統領へのグアンタナモ閉鎖要請キャンペーンは下記のサイトにあります。
http://www.amnestyusa.org/closeit

2015年1月13日


グアンタナモ収容所
 日本のメディアから殆ど姿を消したグアンタナモ収容所ですが、 現在130数人が収容されています。当初は(2002年1月)799人が収容されていました。 殆どの人が裁判をうけることもなく、捕虜でもなくテロ容疑者として、 身柄を拘束されています。過酷な取り調べが行われていることは、 最近の調査でも明らかにされました。現在は収容者のハンガーストライキが 頻発しています。ハンガーストライキを行っている人に、チューブで 無理やり食べ物を取らせていることも問題になっています。
 容疑が晴れても、出身国に受け入れられない、出身国に送還されると 再び拘束される恐れがある、又第三国でも受け入れ拒否される等の 理由で収容所を出ることが出来ない人がいます。 オバマ大統領はグアンタナモ閉鎖を公約に掲げましたが、いまだ 実現できていません。大統領の任期が切れるまでに閉鎖を実現して、 実績を残したいと考えているようです。

 湘南グループでは2013年8月よりグアンタナモ収容所に拘留されている 収容者に毎月、絵葉書を送っています。 20名の収容者のリストを分担しハガキを出しています。 リストのなかの収容者に変化がありました。
 2014年12月6日にシリア人6人が釈放され、再定住のためウルグアイに 移送されました。この中に私たちが担当していた人がいました。 10年以上収容されていたのです。
また、サウジアラビア出身で英国に居住していた収容者あての ハガキが12月に返送されてきました。調べたところ、どうも釈放されたようです。 この人はグアンタナモにいる最後の英国の囚人と呼ばれ、ケン・ローチ (英国の映画監督)他多くの人びとが釈放を求めてきました。

2015年1月6日




 
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むちうち刑をやめて
好ましからざる組織規制
グアンタナモ収容所その2
グアンタナモ収容所






クイズに挑戦!
拷問のこと知っていますか
Q1 拷問を行っている国は何ヶ国?
  • A 34ヶ国 B 83ヶ国 C 131ヶ国 
  • Q2 拷問禁止条約の成立年は?
  • A 1852年 B 1984年
     C 2001年
  • Q3 日本は拷問禁止条約に加入していますか?
  • A している B していない C 保留中
  • Q4 次の行為で拷問だと思うものにチェックをいれてください
  • A 睡眠を与えない
     B 信仰する宗教を繰り返し侮蔑する
     C 強い光を当てる 
    D 騒音を聞かせる
     E 全ての感覚を奪う
     F 裸にして詳細に体を調べる
  • Q5 日本で行われている密室での取調べ、長期の拘禁(警察署内の代用監獄)は拷問にあたりますか?
  • A はい B いいえ
     











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